日本の生業と、世界の似たサービス

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後継者不足度から探す(消えそうな順)

446の生業を、後継者不足度(★1〜5・★5が最も深刻)の降順で並べています。 星の判定に使った出典は、各生業のページに載せています。

  1. ★★★★★ 銭湯・湯守 世界|フィンランドサウナ/ハンマーム
    もし消えたら=地域のお年寄りの見守り拠点、世代を超えて街の人が挨拶を交わすコミュニティのハブ。
  2. ★★★★★ 街の畳屋(い草) 世界|ペルシャ絨毯・無垢床職人
    もし消えたら=日本人が実家に帰ったときに感じる「落ち着く匂い」と、床で直にごろ寝する文化。
  3. ★★★★★ 宮大工 世界|石工・メイスン(欧州)
    もし消えたら=世界最古の木造建築群を維持・修復する技術と、木を生命として敬う精神性。
  4. ★★★★★ 酒蔵杜氏(日本酒の醸造責任者) 世界|ワインメーカー/ヴィントナー(フランス・イタリアなど欧州)
    もし消えたら=蔵と杜氏集団が結んできた米作農家との地場のつながり、寒仕込みの時期に蔵人が集まって暮らす季節労働の文化。
  5. ★★★★★ 刀鍛冶(刀匠) 世界|欧州の刀剣鍛冶(ゾーリンゲン=ドイツ、トレド=スペイン)
    もし消えたら=日本刀という美術品・武具を新しく作る技術そのものの断絶、玉鋼を焼くたたら製鉄など上流技術の行き場。
  6. ★★★★★ 藍染職人(阿波藍による本藍染) 世界|欧州のウォード(大青)染色職人(ドイツ・チューリンゲン地方やフランス・トゥールーズ地方など)
    もし消えたら=タデアイ栽培・すくも作り・染めが一体になった地域内分業のものづくり、藍色という和の色彩文化の生きた継承者。
  7. ★★★★★ 桶・樽職人(結桶師/桶屋) 世界|欧州のクーパー(樽職人。フランス・コニャック/ボルドー地方、スコットランド・スペイサイド地方のウイスキー樽産地等)
    もし消えたら=木が呼吸することで味噌・醤油・酒を「生きたまま」熟成させる技術と、桶・樽が支えてきた発酵食文化の土台。
  8. ★★★★★ 蕎麦打ち職人(手打ち蕎麦) 世界|イタリアのパスタ職人(パスタイオ)
    もし消えたら=立ち食いそば屋の湯気とだしの匂い、年越しそばを家族で囲む年末の風景
  9. ★★★★★ 浜士(塩士)・揚げ浜式製塩職人 世界|フランス・ゲランドの塩田職人(パリュディエ)
    もし消えたら=海水を人力で汲み上げ撒き続ける「揚げ浜」という重労働の製塩技術と、江戸時代の加賀藩の専売制のもとで能登に根付いた塩づくりの文化。
  10. ★★★★★ 浮世絵摺師(木版摺師) 世界|ヨーロッパの銅版画職人(エングレーバー)
    もし消えたら=馬連一つで色の濃淡やグラデーションを手加減だけで摺り分ける技術と、絵師・彫師・摺師の分業で一枚の浮世絵を作り上げてきた江戸の版元文化。
  11. ★★★★★ 醤油職人(醤油蔵の蔵人・杜氏) 世界|イタリアのバルサミコ酢職人(アチェタイア、モデナ/レッジョ・エミリア)
    もし消えたら=木桶の中で棲みつく「蔵付き酵母」が生む複雑な香りと、蔵ごと・土地ごとに味が違うという醤油本来の個性、諸味を搾る匂いに満ちた蔵の風景。
  12. ★★★★★ 三味線職人(三味線製作者) 世界|ヴァイオリン職人(弦楽器製作者、イタリア・クレモナ)
    もし消えたら=義太夫・長唄・津軽三味線など、三味線という一本の楽器が支えてきた日本の語り物・唄い物の音色そのもの。
  13. ★★★★★ 檜皮葺職人(屋根葺師) 世界|イギリスの茅葺き職人(サッチャー)
    もし消えたら=檜皮という天然素材だけで曲線を描く、瓦にはない柔らかな屋根の表情と、1976年に文化庁の選定保存技術に指定されたほど希少な、原木からの一貫した技術継承。
  14. ★★★★★ 弓師(都城大弓) 世界|イングリッシュ・ロングボウ職人(英国の長弓職人)
    もし消えたら=1本の弓に200を超える手作業の工程を10年以上かけて体得する技術と、武を重んじる気風の中で育った「弓のまち」都城の記憶。
  15. ★★★★★ 足袋職人(行田足袋) 世界|ホージヤリー職人(欧州の靴下・ストッキング職人)
    もし消えたら=武家の内職として始まり分業で発達した足袋づくりの技術と、最盛期に全国の足袋の8割を生産した「日本一の足袋産地」行田の記憶。
  16. ★★★★★ 雄勝硯職人 世界|端渓硯職人(中国・広東省)
    もし消えたら=室町期(約600年前)から採掘され、江戸初期に伊達政宗に硯を献上し伊達家お抱えの硯師となった歴史。東日本大震災で産地が壊滅的な被害を受けた後も、数少ない職人が採掘から手仕上げまでを一貫して担ってきた技術。
  17. ★★★★★ 長崎鼈甲(べっ甲細工) 世界|欧州のべっ甲細工職人(フランス・英国のécailliste、櫛や眼鏡フレームを作った伝統職)
    もし消えたら=出島貿易から続く400年の技術と、接着剤なしで鼈甲同士を熱圧着する「はぎ合わせ」技法
  18. ★★★★★ 江戸硝子職人 世界|ヴェネチアの吹きガラス職人(ムラーノ島、1291年から続くギルドの伝統)
    もし消えたら=200年変わらぬ製法で作られる柔らかい風合いと、江戸切子の「素地」を支える技術基盤
  19. ★★★★★ 雲州そろばん職人 世界|中国の算盤(суанpan、上二玉・下五玉の伝統的な珠算具)
    もし消えたら=最盛期に年100万丁を製造した産地の記憶と、たたら製鉄の里ならではの精密な軸加工技術
  20. ★★★★★ 漆器職人(輪島塗) 世界|欧州のジャパニング職人(17〜18世紀フランス・英国、本物の漆が手に入らず代替塗料で漆器の艶を模倣した伝統)
    もし消えたら=100以上の工程を数ヶ月かけて仕上げる本物の漆器の耐久性と、輪島地の粉という珪藻土質の下地材による独自の堅牢さ
  21. ★★★★★ 久留米絣の織元 世界|インドネシア・インドの絣(イカット)織元
    もし消えたら=織る前の糸を括って防染し、織り上がって初めて模様が現れる『先染め・先括り』の技法と、13歳の少女の着想から始まったとされる産地の物語
  22. ★★★★★ 山鹿灯籠師 世界|中国の紙灯籠職人
    もし消えたら=金具も骨組みも使わず和紙と糊だけで自立する構造をつくる技術と、一人前になるまで約10年を要するとされる灯籠師の技
  23. ★★★★★ 小千谷縮の織元 世界|アイルランド・ベルギーのリネン(亜麻)織元
    もし消えたら=緯糸に強い撚りをかけて湯もみでシボを出し、雪原にさらして漂白する『雪晒し』という、雪国でしか成立しない仕上げ技術
  24. ★★★★★ 大島紬の織元 世界|フランス・ゴブラン織のタピスリー職人(何百もの工程を経て一枚の織物を仕上げる、世界最高峰とされる手織り技術の系譜)
    もし消えたら=世界三大織物の一つに数えられる泥染めの技術と、飛鳥時代(600年代)にまで遡るとされる1400年余りの絹織物の記憶。ピーク時から生産反数が60分の1以下に落ち込んでいる現実
  25. ★★★★★ 秩父銘仙の織元 世界|インドネシアのバティック(ろうけつ染め)職人。/インド・アジアのイカット染織職人(先染め・絣の技法で大胆な文様を織る、庶民の日常着文化の系譜)
    もし消えたら=屑繭を無駄にしない知恵から生まれた「ほぐし捺染」の技術と、大正〜昭和初期に働く女性たちの憧れだった「銘仙」というモダンな普段着文化の記憶。最盛期に320軒あった関連工場は現在数軒にまで減っているとされる
  26. ★★★★★ 結城紬の織元 世界|アイルランド・スコットランドのツイード職人(自国の羊毛を手紡ぎ・手織りし、地味な野良着から高級ファッション素材へ転じた織物の系譜)
    もし消えたら=2000年以上続くとされ2010年にユネスコ無形文化遺産に登録された、真綿から手で糸を紡ぐ技術。生産量(検査点数)は1980年の31,288点から2022年に565点へと、42年間でピーク比1.8%まで落ち込んでいる
  27. ★★★★★ 芭蕉布織り手(喜如嘉) 世界|フィリピンのピニャ(パイナップル繊維)織職人、またはアバカ(マニラ麻)織職人(熱帯の植物繊維を糸にして涼しい布を織る系譜)
    もし消えたら=12〜13世紀頃からと伝わる、糸芭蕉を育てて糸に績むところから始まる気の遠くなる手仕事と、戦後途絶えかけた技術を人間国宝・平良敏子が復興させた記憶
  28. ★★★★★ 鈴鹿墨職人(墨匠) 世界|ドイツ・ファーバーカステル等の欧州製図インク/ドローイングインクメーカー(顔料・煤を原料にした描画用インクの老舗)
    もし消えたら=奈良時代末期〜平安時代初期からとされる歴史と、全国シェアの一部を占めるとされる固形墨づくりの技術。三重県内で唯一の製墨業者が現在この技術を守っている
  29. ★★★★★ 傘職人(金沢和傘) 世界|西洋の洋傘職人(アンブレラメーカー)
    もし消えたら=明治・大正期に118軒あった金沢の傘屋が生んだ町の景観と、竹と和紙だけで作る雨具という選択肢が失われる
  30. ★★★★★ 人形筆職人(有馬人形筆) 世界|ヨーロッパの機械仕掛け玩具(オートマタ)職人
    もし消えたら=室町時代から続くとされるからくり筆記具の系譜と、湯治場土産という有馬の観光文化の一部が失われる
  31. ★★★★★ 絣織元(備後絣) 世界|インドネシア・インドの絣(イカット)織元
    もし消えたら=最盛期に年間300万反を織った産地の技術基盤と、竹の皮でくくって藍で染める「井桁絣」の技法が失われる
  32. ★★★★★ 凧職人(三条凧) 世界|西洋のスポーツカイト職人(リップストップナイロン製の曲芸凧製作者)
    もし消えたら=200年以上続く凧合戦の祭礼文化と、六角巻凧という独自の形状を作る技術が失われる
  33. ★★★★★ めのう細工職人(若狭めのう細工) 世界|ドイツ・イーダー=オーバーシュタインのアゲート(めのう)研磨職人
    もし消えたら=石を熱処理で発色させるという日本最古級とされる宝石加工技術と、享保年間から続く技術の系譜が失われる
  34. ★★★★★ 独楽職人(姫路独楽) 世界|ドイツ・エルツ山地の木製玩具職人(シュピールツォイクマッハー)
    もし消えたら=幕末〜明治初期に興り西日本一円に広まった郷土玩具と、姫路市書写の里美術工芸館に集約された鑑賞・継承の場が失われる
  35. ★★★★★ 白なめし革職人(姫革細工) 世界|欧州のシャモア(羚羊)革・鹿革のオイルタンナー(ヌバック系皮革職人)
    もし消えたら=戦国時代末期から「播磨の白なめし革」として全国に知られた技術と、室津(たつの市)で発達した繊細な革細工物という選択肢が失われる
  36. ★★★★★ 鍛冶職人(種子鋏) 世界|ドイツ・ゾーリンゲンの鋏鍛冶職人
    もし消えたら=鉄砲伝来と同時期に伝わったとされる日本初のハサミの製法と、日本刀の鍛接技術をそのまま応用した「切れば切るほど切れ味が増す」という独自の刃の系譜が失われる
  37. ★★★★★ 木樽蒸留器職人(焼酎の木樽蒸留器) 世界|スコットランド・スコッチウイスキーの銅製ポットスチール職人
    もし消えたら=現在、日本でただ一人とされる木樽蒸留器を製作する職人の技術と、木樽ならではの香りが焼酎に宿るという選択肢そのものが失われる
  38. ★★★★★ 薩摩琵琶製作職人 世界|欧州のリュート製作職人(ルシアー)
    もし消えたら=江戸中期に薩摩の武士が始め明治期に東京へ広まり全国的な人気を得た歴史と、船大工の技術を引き継いだ木工由来の楽器製作技術という選択肢が失われる
  39. ★★★★★ つまみ簪職人(江戸つまみ簪) 世界|フランスの造花師(フルーリスト・アルティフィシエル/絹花職人)
    もし消えたら=文政期(1818〜30年)の記録にも残る技法と、現在は関東・関西を合わせても数少ない職人に集約された、正方形の布をピンセットでつまんで花に変える手技という選択肢が失われる
  40. ★★★★★ 丹後ちりめん織元 世界|フランス・リヨンの絹織物(シルクジャカード)産地
    もし消えたら=享保5年(1720年)に完成したとされる独特のシボの技法と、最盛期の昭和38年に組合員4,976名・織機20,809台を数えた一大産地としての厚みが失われる
  41. ★★★★★ 藤布織り手(丹後藤布) 世界|太平洋諸島のタパ(樹皮布)職人、欧州のイラクサ布(ネトルクロス)職人
    もし消えたら=弥生時代の遺跡からも出土する日本最古級の織物技術の一つでありながら、昭和初期には一度完全に途絶えたと考えられていたものが1962年の民俗調査で山村に細々と伝わっているのが発見された、という「消えたと思われていたものが実は生きていた」という物語が失われる
  42. ★★★★★ 織元(小倉織) 世界|米国のヘリテージデニム産地(セルビッジデニムの織元)
    もし消えたら=江戸時代初期から続いた織物が金融恐慌の影響で明治34年に会社解散、昭和初めに一度完全に途絶えた後、1984年に一人の作り手(築城則子氏)が古着の切れ端から復元するまで約半世紀近く空白があったという「一度消えた織物」の物語が失われる
  43. ★★★★★ 鋳物師(芦屋釜) 世界|イタリア・ルネサンス期のブロンズ鋳造師(フォンディトーレ)
    もし消えたら=国指定重要文化財の茶の湯釜9点のうち8点を占めるとされるほどの最高峰の評価を持ちながら、大内氏の滅亡とともに16世紀に姿を消し、平成の世になって芦屋釜の里の復興事業でようやく蘇ったという「一度完全に廃絶した」歴史が失われる
  44. ★★★★★ 和紙職人(小国和紙) 世界|イタリア・ファブリアーノの手漉き紙職人
    もし消えたら=明治初頭に年間800万枚以上、昭和初期には2,200万枚もの紙を生産した一大産地が、現在は「小国和紙生産組合」という一組織のみに継承が集約されている、という規模の激減そのものの記録が失われる
  45. ★★★★★ 屏風職人(加茂屏風) 世界|欧州の折り畳み式パーティション(コロマンデル・スクリーンの西洋側の写し手・室内装飾用スクリーン職人)
    もし消えたら=昭和39年に製造業者15軒・従業員104人・行商人120人を数え、昭和50年代には全国市場の90%を占めるまでになった一大産業が、現在は市内2軒にまで収縮しているという規模の激変が失われる
  46. ★★★★★ 陶芸家・窯元(出石焼) 世界|英国・ウェッジウッド社のジャスパーウェア職人(彩色を排し白色の浮き彫り装飾を主とする炻器・磁器の系譜)
    もし消えたら=純白の磁肌に浮き彫り・透かし彫りだけで模様を表す「白すぎる焼き物」という、日本の陶磁器の中でも異色の美意識と、明治期には海外の万国博覧会で高く評価された歴史
  47. ★★★★★ 漆器職人(高岡漆器) 世界|シリア・ダマスカスの螺鈿象嵌木工職人(幾何学文様の木工にサダフ〈貝殻〉を象嵌するイスラーム木工の系譜)
    もし消えたら=貝殻を光の角度で七色に見せる「青貝塗」の螺鈿と、中国趣味の異国的な意匠を漆で立体的に描く「勇助塗」という、他の漆器産地には無い2つの個性的な技法
  48. ★★★★★ 奈良墨職人(墨匠) 世界|中国・安徽省徽州の徽墨(きぼく)職人(煤と膠を練り固める、中国伝統の墨づくりの本家筋にあたる職人)
    もし消えたら=全国シェア約9割を占め、日本国内の固形墨生産者が奈良8軒・三重1軒の計9軒にまで集約されているという極端な集中と、大同元年(806年)に空海が唐から製法を持ち帰ったという起源伝承
  49. ★★★★★ 大工道具鍛冶(越後与板打刃物) 世界|スウェーデンのグレンスフォシュ・ブルーク(Gränsfors Bruk)の斧職人(プロの木こり・林業家向けに、1本ずつ鍛造で仕上げる高級刃物工具の鍛冶場)
    もし消えたら=昭和2年(1927年)には117軒もの鍛冶屋が組合に登録されていたが、現在は組合員わずか5軒、伝統工芸士はたった4名にまで減ったという急激な縮小、宮大工から名指しで注文が入るほどの切れ味
  50. ★★★★★ 藍染織職人(播州山崎藍染織) 世界|ドイツ・チューリンゲン地方のウォード(大青)染め職人(合成藍の登場でほぼ絶滅し、近年小規模な復興が試みられている欧州の天然藍染めの系譜)
    もし消えたら=昭和53年(1978年)にほぼ途絶えかけていた藍染織を一人の職人が本建て発酵建てで復活させたという再生の物語と、合成染料に一度は駆逐された天然藍がヨーロッパにも同じ運命をたどった過去を持つという世界共通の背景
  51. ★★★★★ 陶芸家・窯元(会津本郷焼) 世界|ヨーロッパの磁器工房(マイセン、ドイツ)
    もし消えたら=東北最古とされる窯場が、陶器と磁器という2つの異なる技術系譜を同じ産地の中で並立させてきた稀な体制と、明治中期〜大正初期に欧米へ輸出された国際的な評価の記憶
  52. ★★★★★ 陶芸家・窯元(大堀相馬焼) 世界|ヨーロッパの磁器工房(マイセン、ドイツ)
    もし消えたら=焼成前に外側と内側を被せて一体化する「二重焼」という他産地にほぼ例のない技法と、2011年の震災・原発事故で古里を離れながらも技術を絶やさず窯を再建してきた記憶
  53. ★★★★★ 陶芸家・窯元(石見焼) 世界|ヨーロッパの磁器工房(マイセン、ドイツ)
    もし消えたら=都野津層の陶土を耐火限界近い高温で焼きガラス化させることで生まれる、耐酸・耐塩・耐水性に優れた大型甕を作る「しの作り」の技術
  54. ★★★★★ 織元(読谷山花織) 世界|グアテマラの先住民族織物(マヤ系民族衣装ウィピル。バックストラップ織機で幾何学模様を織り出す伝統が近い)
    もし消えたら=一度は絶滅寸前まで衰退しながら、1964年の有志の復興運動と与那嶺貞という一人の織り手の尽力で蘇った「約30種の模様」を織り出す緯浮花織等の技法
  55. ★★★★★ 仏壇職人(川辺仏壇) 世界|ベトナムの家庭用祖先祭壇「バントー・ザーティエン」(先祖の位牌・写真を祀る木製の祭壇家具、東南アジアの祖先崇拝文化)
    もし消えたら=平家の落人が仏教の伝道とともに伝えたとされる800年余りの歴史と、7工程の完全分業で作り上げる「京型仏壇」の技術。
  56. ★★★★★ 織元(与那国織) 世界|スコットランド・アウターヘブリディーズ諸島のハリスツイード職人(法律で産地・製法が保護された、絶海の孤島で織られる毛織物)
    もし消えたら=日本最西端の島で室役人だけが着用を許されたという格式を持ちながら、女性たちが使命感と誇りを持って継いできた4つの織り技法の体系。
  57. ★★★★★ 織元(久米島紬) 世界|インド・グジャラート州のパトラ(Patola)織元(経糸と緯糸の両方を先染めする「二重絣」で知られる、絣織物の源流とされる伝統)
    もし消えたら=「日本の絣の源流」と呼ばれる技術的な系譜と、養蚕から染色・製織まですべてを一人の織り手・島内産の材料で完結させるという、他に類を見ない自己完結性。
  58. ★★★★★ 織元(八重山上布) 世界|アイルランドのアイリッシュ・リネン職人(麻の一種フラックスを原料に、屋外の芝生や日光にさらして自然に漂白する伝統技法を持つ)
    もし消えたら=重い人頭税の貢納布として織られてきたという苦難の歴史と、海水で色止めする「海ざらし」という石垣島ならではの自然に委ねた仕上げ技術。
  59. ★★★★★ 織元(宮古上布) 世界|韓国・忠清南道のハンサン苧(モシ)織元(ユネスコ無形文化遺産に登録された、苧麻を原料とする韓国の最高級麻織物)
    もし消えたら=木槌で一万回も叩くという気の遠くなる「きぬた打ち」の工程と、国の重要無形文化財にも指定された最高級麻織物としての格式。
  60. ★★★★★ 織元(知花花織) 世界|スウェーデン・ダーラナ地方の民俗織物職人(村の女性たちが祭りの晴れ着のために自家用として織り継いできた、地域固有の紋様織物)
    もし消えたら=琉球王府への献上品ではなく、村の女性たちが自分たちの祭りのために自由な発想で織り続けてきたという、他の沖縄の織物とは異なる「庶民の物語」。
  61. ★★★★★ 織元(読谷山ミンサー) 世界|中央アジア(アフガニスタン・タジキスタン等)の細帯織り職人(幅の狭い織機で経糸を浮かせて幾何学文様を織り出す、シルクロード沿いの伝統的な帯・紐織り)
    もし消えたら=「いつの世までも末永く」の想いを込めた「五つと四つ」の絣模様と、中央アジアから伝わったとされる遠いルーツを持ちながら一度は戦後に完全に途絶えた技術を、有志が復元した記憶。
  62. ★★★★★ 鼈甲細工職人(江戸鼈甲) 世界|イタリア・トッレデルグレコの鼈甲・珊瑚彫刻職人(地中海の海産素材を用い、貼り合わせや透かし彫りの技術で発展した宝飾工芸の町)
    もし消えたら=長崎鼈甲とは異なる、貼り合わせ技術を極めた複雑な造形と、江戸の粋を体現した髪飾り(櫛・簪・笄)の意匠。
  63. ★★★★★ 手漉き和紙職人(名尾手漉和紙) 世界|イタリア・ファブリアーノの手漉き紙職人(中世から続く製紙町で、特定の製法・材料への強いこだわりを守り続ける)
    もし消えたら=半径3km圏内にしか残っていないとされる梶という原料そのものと、最盛期100軒超から現在は1社のみという極限まで縮小した産地の記憶。
  64. ★★★★★ 曲物師(寺泊山田の曲物) 世界|米国シェーカー教徒のベントウッドボックス職人(オーバル型曲げ木箱の伝統工芸家)
    もし消えたら=新潟県内で唯一残る篩(ふるい)・裏漉し職人の技術が失われ、昭和30〜40年代には10数軒あった曲物の産地としての姿が完全に途絶える
  65. ★★★★★ 紙漉き職人(大谷地和紙) 世界|ドイツのゴム紙漉き工房(ホンブルガー・ミューレ〈Homburger Mühle〉等、現存するドイツ最後期の手漉き製紙工房)
    もし消えたら=一度完全に途絶えた紙漉き技術を保存会が2008年に復活させたばかりであり、後継者が育たなければ再び失われる可能性がある300年余りの雨具用紙の技術
  66. ★★★★★ 蝋燭職人(新潟手掛け和蝋燭) 世界|欧州の手作りビーズワックスキャンドル職人(修道院等で受け継がれる、手掛けで蜜蝋を重ね掛けする製法の蝋燭職人)
    もし消えたら=雪国で花の代わりに仏前・神前を彩ってきた絵ろうそくの意匠と、江戸時代から続く手掛け製法という手作業の技術が失われる
  67. ★★★★★ 紙漉き職人(加茂紙) 世界|フランス・オーヴェルニュ地方の手漉き製紙職人(リシャール・ド・バ製紙所〈Moulin Richard de Bas〉等、中世からの水車製紙の伝統を残す地域)
    もし消えたら=明治期に新潟県和紙生産の4割を占めた最大産地としての歴史と、市が直営で技術継承する形でようやく復活させたばかりの紙漉き技術が、再び失われる
  68. ★★★★★ 紙風船職人(出雲崎手作り紙風船) 世界|英国のクリスマスクラッカー職人(引っ張ると音が鳴る紙筒の祝祭用玩具を作る伝統工芸)
    もし消えたら=国内で唯一残る手作り紙風船の産地が失われ、大正時代から続く漁村の冬の内職文化と、昭和初期に米国へ輸出された「日本発クリスマス玩具」という珍しい歴史の担い手がいなくなる
  69. ★★★★★ 竿師(加賀竿) 世界|英国・米国の手作り竹製フライロッド職人(スプリットケーン式フライロッド、ペイン・ロッド〈Payne Rod〉等の系譜)
    もし消えたら=現存する職人がただ1人とされる、約120工程を経て一本の竹から仕立てる加賀竿の技術と、武士の鍛錬として始まった鮎釣り文化の系譜が完全に途絶える
  70. ★★★★★ 織元(能登上布) 世界|フランス・ノルマンディー地方のリネン織元(欧州随一の亜麻産地だが、担い手の高齢化・減少が進む麻織物の系譜)
    もし消えたら=日本屈指とされた本麻手織り上布の技術が、たった一軒の工房もろとも完全に途絶える。昭和初期に全国一の生産量を誇った麻織物産地としての歴史も終わる
  71. ★★★★★ 野鍛冶(鶴来打刃物) 世界|英国の村の鍛冶屋(ヴィレッジ・スミス、農具から家庭用刃物まで一手に引き受ける地域密着の鍛冶職人)
    もし消えたら=松炭とふいごの時代からほぼ変わらない「火作り」の技法で、鉈から包丁まで何でも打ち分ける野鍛冶の技術が、現存する最後の1軒とともに失われる
  72. ★★★★★ 陶芸家・窯元(三田青磁) 世界|韓国の高麗青磁職人(高麗時代に大成した、翡翠色の澄んだ青磁釉を持つ朝鮮半島の青磁の系譜)
    もし消えたら=昭和初期に一度完全に消えた技術を令和になって再興したばかりであり、後継者が育たなければ二度目の断絶を迎える。江戸後期に『中国の青磁と同レベル』とまで評された発色技術が再び失われる
  73. ★★★★★ 陶芸家・窯元(赤穂雲火焼) 世界|米国先住民プエブロの黒陶職人(マリア・マルティネスに代表される、釉薬を使わず燻煙による還元でつやのある黒色を出すサンイルデフォンソ族の陶芸)
    もし消えたら=一度完全に途絶え、桃井香子という一人の陶芸家が20年かけて復元した『幻の焼き物』の技術が、再び後継者を失えば今度こそ永遠に失われる
  74. ★★★★★ 紙漉き職人(黒谷和紙) 世界|イタリア・ファブリアーノの手漉き紙職人(13世紀から続く欧州最古の手漉き製紙の産地。透かし技法〈ウォーターマーク〉発祥の地としても知られる)
    もし消えたら=平家の落武者の子孫が生計の手段として伝えたとされる約800年の歴史と、丹波・丹後の良質な楮と黒谷川の清流という土地の条件が生む、全国でも数少ない純粋手漉き和紙産地としての系譜が失われる
  75. ★★★★★ 土人形師(とやま土人形) 世界|ロシアのディムコヴォ玩具職人(粘土を型に入れ極彩色に彩色する、ヴャトカ地方の伝統的なロシア民芸玩具)
    もし消えたら=藩主前田利保が招いた陶工・広瀬秀信の技術を、渡辺家という一つの家業だけが守り続けてきた系譜と、素朴で温かみのある色使いで縁起物・玩具として親しまれてきた富山土人形の伝統が失われる
  76. ★★★★★ 和ろうそく職人(七尾和ろうそく) 世界|欧州のチャンドラー(蝋燭職人ギルドの伝統)
    もし消えたら=石川県内で唯一の製造元となった高澤ろうそく店が守り続ける、和紙とイ草の灯芯に蝋を手で塗り重ねる技法と、寺院の多い能登の風土が育んできた大きく消えにくい炎の和ろうそく文化が完全に途絶える
  77. ★★★★★ 緞通織り手(赤穂緞通) 世界|イラン(ペルシャ)の手織り絨毯職人(何百万もの結び目を手作業で織り込む、世界最古級の絨毯産地)
    もし消えたら=鍋島緞通(佐賀)・堺緞通(大阪)と並び『日本三緞通』と称された、児島なか考案の際立った紋様を織り出す技術と、昭和期に一度途絶えながらも平成11年の伝承会発足で守られてきた継承の系譜が失われる
  78. ★★★★★ 張子師(姫路張子玩具) 世界|ドイツ・チューリンゲン地方の張り子人形職人(ゾンネベルク等、紙を張り重ねて作る玩具・人形の伝統産地)
    もし消えたら=創始者・直七から5代にわたり継承されてきた、和紙を張り重ねて成形する張子技法と、姫路の城下町文化が育んだ素朴な郷土玩具としての系譜が、現在の継承者1名をもって途絶える危機にある
  79. ★★★★★ 土人形師(尾崎人形) 世界|メキシコの土製ホイッスル玩具(シルバート)職人(素焼きの粘土で作る、中南米の伝統的な音の出る玩具)
    もし消えたら=700年以上前の元寇にまで遡る伝承を持ち、佐賀藩から幕府への献上品にもなった歴史を持つ、赤・青・黄の三色で彩色するシンプルな意匠の土人形が、現在の継承者1名をもって途絶える危機にある
  80. ★★★★★ 刃物鍛冶(川尻刃物) 世界|ドイツ・ゾーリンゲンの刃物鍛冶(ヴッパー川の水車動力を核に発展した「刃物の都市」が、河川舟運と結びついた鍛冶職人街として栄えた点が川尻と重なる)
    もし消えたら=緑川水運で栄えた港町の記憶とともに、500年以上「刃物の町」として続いてきた川尻の鍛冶文化そのものが失われる
  81. ★★★★★ 鐔工(肥後鐔) 世界|欧州の甲冑・剣の装飾金工師(ミラノやトレドで刀身そのものではなく、鍔・柄・鞘金具の装飾を専門とした職人集団)
    もし消えたら=鉄地の質感を活かした『渋み』を美とする肥後鐔独特の美意識と、林・平田・西垣・志水の四流派が400年かけて磨いた透かし・布目象嵌の技法が、担い手1名をもって途絶える危機にある
  82. ★★★★★ 曲物師(永野曲げ) 世界|北米シェーカー教徒のシェーカーボックス職人(薄く挽いた木材を蒸して曲げ、木釘だけで留める箱作りの伝統技法。曲げわっぱと同系統の技法を、宗教共同体の実用美学として発展させた点が対照的)
    もし消えたら=相良藩が飛騨から招いた職人に始まるとされる400年の技術系譜と、山間の森林資源を活かした軽く丈夫な曲物文化が、担い手1名をもって途絶える危機にある
  83. ★★★★★ 陶芸家・窯元(高浜焼) 世界|英国コーンウォールの磁器産地(良質なカオリン鉱床の発見をきっかけに磁器生産が始まった、原料立地型の英国磁器産地)
    もし消えたら=天草陶石という世界的な原料の産地でありながら磁器の産地としては小規模にとどまってきた高浜焼独自の窯元の系譜が失われる
  84. ★★★★★ 陶芸家・窯元(内田皿山焼) 世界|磁器と陶器を一貫して手掛ける英国スタッフォードシャーの小規模窯元(同一の原料産地で磁器・陶器の両方を焼き分ける産地の在り方が共通)
    もし消えたら=1650年頃の発掘調査で存在が確認されている内田皿山焼の窯の系譜と、柞の木を自家栽培してまで再現する天然柞灰釉の技法が失われる
  85. ★★★★★ 紙漉き職人(宮地手漉和紙) 世界|欧州の手漉きラグペーパー職人(イタリア・ファブリアーノ等、繊維原料を漉き桁で一枚ずつ手作業で漉く伝統製紙職人)
    もし消えたら=1600年、関ヶ原合戦の直後に始まったとされる420年余りの紙漉きの歴史と、明治期には約100戸が従事したとされる宮地の紙郷の記憶が失われる
  86. ★★★★★ うちわ職人(来民うちわ) 世界|スペイン・バレンシア地方の絵付け扇子職人(丸亀から製法が伝わったように、他地域から伝来した技術を土地の産物と結びつけて根付かせた扇・団扇文化)
    もし消えたら=1600年頃に丸亀の旅僧が伝えたとされる420年余りの歴史と、柿渋で耐久性を高めた『渋うちわ』という来民独自の技法が、2〜3軒という担い手数をもって途絶える危機にある
  87. ★★★★★ 土人形師(木葉猿) 世界|メキシコのオアハカ州アレブリヘス職人(素朴な手びねりの土製動物人形を、伝説・信仰と結びつけて作り続けるメキシコの民芸玩具職人)
    もし消えたら=約1300年前の伝説に由来し、大正5年の全国土俗玩具番付で東の横綱に選ばれるほどの評価を得てきた木葉猿の手びねり技法と、担い手1名という現状が示す継承の危うさが失われる
  88. ★★★★★ 土人形師(天草土人形) 世界|ポーランドのボレスワヴィエツ陶器や中南米の素朴派土人形工房(元の生業(瓦・陶器)の副業として始まった土製の縁起物・民芸玩具が、地域振興によって復興する構図)
    もし消えたら=瓦職人の副業として始まった300年以上の歴史と、隠れキリシタンが聖母マリアに見立てて拝んだとされる『山姥』という宗教史を秘めた意匠が失われる
  89. ★★★★★ 張子人形師(おばけの金太) 世界|ドイツ・ニュルンベルクのからくり玩具職人(紐やぜんまい仕掛けで表情や動きが変化する、ユーモラスな機構玩具を作る欧州の伝統玩具職人)
    もし消えたら=加藤清正の熊本城築城にまつわる実在の足軽の逸話に由来し、江戸時代から仕掛けを変えず作り続けられてきた『あかんべえ』のからくりと、10代続く厚賀家の系譜が失われる
  90. ★★★★★ 鎌鍛冶(加世田鎌) 世界|スウェーデンのモーラナイフ鍛冶に代表される北欧の農具・刃物鍛冶の町(豊富な鉄資源と職人集積を背景に発展した農具・刃物の産地という成り立ちが共通)
    もし消えたら=島津忠良の奨励に始まり、江戸末期には郷士の3割が従事したとされる470年におよぶ加世田鍛冶の歴史と、吹上浜の砂鉄を活かした鎌作りの技術が失われる
  91. ★★★★★ 紙漉き職人(蒲生和紙) 世界|フランス・オーヴェルニュ地方の伝統製紙職人(貴族・領主の御用紙として保護され、後年家業として一子相伝で継承されてきた欧州の手漉き製紙の系譜)
    もし消えたら=約300年前に島津家の御用紙として始まり、最盛期には約300戸が従事したとされる蒲生和紙の技術系譜が、担い手1名をもって途絶える危機にある
  92. ★★★★★ 刃物鍛冶(種子包丁) 世界|スペイン・トレドの刀剣鍛冶(火縄銃・剣の伝来と結びついた金属加工の伝統を、後年に刃物・工芸品として転換させた欧州の産地)
    もし消えたら=1543年の鉄砲伝来を機に刀鍛冶が一斉に鉄砲鍛冶へ転じたという急激な産業転換の記憶と、明のギルド職人由来とされる鍛造技術が失われる
  93. ★★★★★ 人形師(薩摩糸びな) 世界|欧州のコーンドリー(麦わら人形)職人(身近にある繊維質の素材を骨組みに、簡素な構造で人形を仕立てる欧州の民芸人形文化)
    もし消えたら=竹の芯一本に麻糸と和紙だけで仕立てるという江戸時代からの簡素かつ絢爛な意匠の薩摩糸びなの技法が失われる
  94. ★★★★★ 紙漉き職人(鶴田和紙) 世界|中国雲南省の茶葉包装用手漉き紙職人(プーアル茶の圧餅を包む竹紙のように、茶の加工・保存に特化した機能紙を手漉きで作るアジアの製紙伝統)
    もし消えたら=手揉み茶の仕上げに欠かせない『火に強い和紙』という機能紙としての鶴田和紙の存在と、11月から3月の寒い時期だけ漉くという季節限定の製法が失われる
  95. ★★★★★ 土人形師(帖佐人形) 世界|ポーランドの民芸陶器工房(異国での経験や職人の来歴が地域の民芸品の様式に影響を与え、後年地域固有のブランドとして確立した例)
    もし消えたら=朝鮮出兵から連れ帰られた陶工の望郷に由来するという伝承と、県内で最も生産量が多かったとされる土人形文化、昭和40年の保存会設立による復元の記憶が失われる
  96. ★★★★★ 土人形師(垂水人形) 世界|スペインの素朴派陶器人形工房(宗教的・民俗的な意匠を持つ土製人形を、冬場の農閑期の副業として家内制手工業で作る欧州の伝統)
    もし消えたら=元禄年間に始まり大正初期には20軒で作られていたとされる垂水人形の歴史と、昭和40年に一度完全に途絶えた後、平成元年に研究会が復元した『廃絶と再生』の物語が失われる
  97. ★★★★★ 籠師(有馬籠) 世界|フランス・ヴィレーヌ=レ=ロシェのオジエ(柳)バスケット職人(中世から続く柳細工の村で、宮廷・家庭向けの実用籠を編む伝統)
    もし消えたら=1585年に豊臣秀吉の正室・北政所へ贈られたと伝わり、1873年のウィーン万博で優秀賞を受賞した歴史を持つ、六甲山系の晒竹を極細に加工する編み技術と、現在1社のみが継承する技法
  98. ★★★★★ 紙漉き職人(名塩紙) 世界|アメリカ・クレイン社の紙幣用コットン紙職人(紙幣・公文書向けに耐久性の高い特殊な紙を漉く専門職人)
    もし消えたら=越前から伝わったとされる抄紙技術に地元産の泥土を漉き込むという独自の工夫を加え、藩札の地紙や国宝級文化財の修復用紙として重宝されてきた「名塩千軒」と呼ばれた紙漉きの里の技術と、現在2軒のみが継承する技
  99. ★★★★★ 竹細工職人(三田鈴鹿竹器) 世界|イギリス・サマセット地方のウィロー(柳)バスケット職人(湿地帯の柳を素材に、農具・輸出用の実用籠を編む伝統産地)
    もし消えたら=四国讃岐から伝わった竹細工の技術を大正期にアメリカ市場向けの輸出品にまで発展させた歴史と、最盛期に15〜16軒が担っていた地場産業としての竹器づくりの記憶
  100. ★★★★★ 紙漉き職人(二俣和紙) 世界|イギリス・王立造幣局御用の透かし紙職人(公文書・紙幣用に透かしを入れた特別な紙を漉く伝統)
    もし消えたら=養老年間に僧・泰澄が紙漉きを始めたと伝わる1300年の歴史と、加賀藩の献上紙漉き場として高級な公用紙「加賀奉書」を漉いてきた記憶、原料の楮の栽培から一貫して手がける製法
  101. ★★★★★ 檜細工職人(白山檜細工) 世界|スイスのストロー編み帽子職人(アルプス山間部で麦わらを編んで作る、農作業用の実用帽子の伝統)
    もし消えたら=約400年前に旅の僧が伝えたと伝わる檜笠の製法と、昭和50年のダム建設による産地水没という苦難を乗り越えて鶴来町等に移住してまで続けられてきた、ヒノキを薄い経木に加工する手作業の技術
  102. ★★★★★ 提灯職人(加賀提灯) 世界|イタリア・ヴェネツィアのランタン職人(ガラスと金属を組み合わせ、祭礼・儀式用の灯具を仕立てる伝統)
    もし消えたら=竹ヒゴを1本ずつ切断して骨に仕立てるという、螺旋巻きが主流の他産地の提灯とは異なる頑丈な独自製法と、最盛期に60軒あった金沢の提灯屋の記憶
  103. ★★★★★ 洋傘職人(東京洋傘) 世界|イギリス・フォックス・アンブレラズの洋傘職人(19世紀から続く、伝統的な骨組みと生地張りの手仕事で高級洋傘を仕立てる工房)
    もし消えたら=幕末にペリーの洋傘が世間を驚かせたことに始まり、明治5年の坂本商店による国産化を経て100年以上ほぼ同じ手法を守り続けてきた、東京の洋傘づくりの手仕事
  104. ★★★★★ 象牙彫刻師(江戸象牙) 世界|フランス・ディエップの象牙彫刻職人(17世紀から続く、精緻な彫刻を施した象牙工芸品を作る伝統的な港町の工芸)
    もし消えたら=8世紀の中国伝来から江戸時代に根付・三味線撥という独自の実用美術へと発展させ、明治・大正期には海外輸出品として名工を輩出した象牙彫刻の技術。ワシントン条約による国際取引規制で、2009年以降新規の象牙が輸入されておらず、登録済みの在庫のみで支えられている現状
  105. ★★★★★ 漆芸家(一国斎高盛絵) 世界|イタリア・ヴェネツィアの装飾漆器職人(漆に似た樹脂塗料〈ラッカ〉を盛り上げて絵柄を描く、ヨーロッパの伝統的な立体装飾技法)
    もし消えたら=尾張藩士を祖とする金城一国斎の家系が江戸時代末期から170年以上かけて完成させた「堆彩漆」という極めて類例の少ない独自の漆芸技法と、アシナガバチを草木花に配するという一国斎特有の意匠
  106. ★★★★★ 陶芸家・窯元(白石焼) 世界|ハンガリー・ヘレンドの磁器職人(王侯貴族向けに発達した、絵付けを施す伝統的な磁器製作の産地)
    もし消えたら=「西目の有田、東目の白石」と称されるほど有田焼と肩を並べた肥前磁器の一大産地としての歴史と、天草の陶石を用いて焼き上げる技術
  107. ★★★★★ 和ろうそく職人(西宮和ろうそく) 世界|フランスのミツロウキャンドル職人(養蜂と結びついた、蜜蝋を使う伝統的な手作りキャンドル製作)
    もし消えたら=姫路藩の藩業として発達し、明治10年頃に姫路城下から分家して大阪・西宮へと受け継がれてきた製法と、武家や裕福な商人の高級な照明具であった和ろうそくづくりの技術。兵庫県内で唯一の担い手とされる現状
  108. ★★★★★ 竹細工職人(西川登竹細工) 世界|ベトナムのフーヴィン村の竹細工職人(フランス統治期以来、竹を編んで日用品から輸出用工芸品まで手がける伝統産地)
    もし消えたら=明治初期に武雄市で始まり、佐賀・長崎県境をまたぐ流通体制のもとで発達した、ヘギ・こざあみ等10種近い編み方を使い分ける竹細工の技術
  109. ★★★★★ 面師(浮立面) 世界|インドネシア・バリ島のバロン面彫刻職人(祭礼の獅子舞・仮面劇に用いる、彫刻と彩色を施した木製の面を作る伝統)
    もし消えたら=1700年代から鹿島市に伝わる「浮立」という地域固有の民俗芸能と結びついた、荒彫りから仕上げ彫りまでを手がける面師の技術と、面をつけて舞う「面浮立」という様式
  110. ★★★★★ 土人形師(弓野人形) 世界|メキシコのタラベラ焼の人形職人(型に粘土を詰めて成形し、彩色を施す中南米の伝統的な陶製人形細工)
    もし消えたら=明治中期に武雄市橘町弓野で興り、江口人形店・古瀬人形店という家業として受け継がれてきた、武者人形からひな人形、達磨像、大黒恵比寿まで幅広く手がける土人形づくりの技術
  111. ★★★★★ しな布織り手(羽越しな布) 世界|北欧・ロシア北部の菩提樹(リンデン)樹皮繊維(バスト)職人
    もし消えたら=縄文時代にまで遡るとされる日本最古級の布づくりの技術と、シナノキ一本から一本の帯を織るまでに一年がかりという「植物を布に変える」原初的な知恵そのもの
  112. ★★★★★ 織元(牛首紬) 世界|イタリアの「ドッピオーネ」(玉繭を使う節のある絹織物)職人
    もし消えたら=「釘に引っ掛けても破れない」と称されるほどの強靭さを持つ、玉繭を活かす座繰り技術と、白山山麓の養蚕文化そのもの
  113. ★★★★★ 信州打刃物の刃物鍛冶 世界|英国・シェフィールドの鍛造刃物職人
    もし消えたら=ピーク時に約60人いたとされる職人が現在は10人に満たないとされるまで減った信州鎌の鍛造技術と、地域の農家一人ひとりの使い方に合わせて刃を微調整してきた受注生産の関係性
  114. ★★★★★ 傘職人(岐阜和傘) 世界|英国ロンドンの伝統的アンブレラメーカー(ジェームス・スミス&サンズ等の老舗洋傘職人)
    もし消えたら=最盛期1950年頃に600軒以上あった問屋が現在は3〜5軒程度まで減ったとされる中で、なお国内生産量トップを保つ産地としての技術の蓄積と、5種類の傘を用途別に作り分ける多様性
  115. ★★★★★ 和紙職人(美濃和紙) 世界|イタリア・ファブリアーノの手漉き紙職人(欧州最古の製紙町とされる)
    もし消えたら=1300年途切れず続くとされる紙漉きの歴史と、ユネスコ無形文化遺産に登録された本美濃紙の技術。最盛期(1918年)4,768戸あった生産者が2020年時点で18戸まで減っている
  116. ★★★★★ 和紙職人(石州和紙) 世界|ネパールのロクタ紙(ジンチョウゲ科の樹皮を使う手漉き紙)職人
    もし消えたら=明治27年(1894年)に6,377戸を数えたとされる紙漉きの一大産地が、現在は数軒規模まで縮小した中でなお守られているユネスコ無形文化遺産の技術
  117. ★★★★★ 琴職人(福山琴) 世界|ドイツ・欧州の弦楽器製作者(ヴァイオリン・ハープシコード等のルシアー〈弦楽器職人〉)
    もし消えたら=ピーク時に全国生産の約7割を占めたとされる規模で培われた桐材選定・綾杉彫りの技術と、木材選びから調律まで一人の職人が数ヶ月かけて仕上げる一貫生産体制
  118. ★★★★☆ 町の豆腐屋 世界|チーズ専門店(欧州)
    もし消えたら=朝の商店街の活気、手鍋を持って買いに行く温かいご近所付き合いの文化。
  119. ★★★★☆ 包丁研ぎ・刃物鍛冶 世界|西洋ナイフ・刃物職人(独)
    もし消えたら=食材本来の味・鮮度・美しさを極限まで引き出す、世界無形文化遺産「和食」の土台。
  120. ★★★★☆ 鰹節職人 世界|生ハム職人(伊・西)
    もし消えたら=昆布(海藻)と鰹節(魚)を掛け合わせることで生まれる「うま味(UMAMI)」の原点。
  121. ★★★★☆ 和菓子職人 世界|パティシエ(仏)
    もし消えたら=四季の微妙な移ろいを愛でる感性と、抹茶の苦味を引き立てる「控えめな美学」。
  122. ★★★★☆ 和紙職人(手漉き和紙) 世界|欧州の手漉き製紙職人(イタリア・ファブリアーノ、フランスの伝統的製紙所等)
    もし消えたら=書画・障子や文化財修復に使われる「光を通す紙」と、1300年にわたり文書・記録を伝えてきた保存性の高い紙の技術。
  123. ★★★★☆ 下駄職人 世界|オランダのクロンペン(木靴)職人
    もし消えたら=夏祭りで下駄を鳴らして歩く音、雨の日に庭先で下駄を履いて出かける生活の所作
  124. ★★★★☆ 陶芸家・窯元(有田焼) 世界|ヨーロッパの磁器工房(マイセン、ドイツ)
    もし消えたら=1616年から続く日本初の磁器生産の技術系譜と、窯元同士が原料・技法を分業しながら支えてきた産地としての一体感。
  125. ★★★★☆ 庭師・造園職人 世界|フランス式庭園の造園家(ル・ノートル流)/イギリス式風景庭園の庭師
    もし消えたら=借景・枯山水など「見立て」によって狭い敷地に自然を凝縮する庭園技術と、庭を通じて四季を愛でる住文化。
  126. ★★★★☆ 花火師(煙火職人) 世界|西洋の花火師(ピロテクニシャン)
    もし消えたら=両国の川開きから続く花火大会の文化と、球形に開く「割物」を手作業で仕込む火薬職人の技術。
  127. ★★★★☆ 左官職人 世界|イタリアの化粧漆喰職人(イントナコ/スタッコ職人)
    もし消えたら=土壁と漆喰が生み出す調湿性・防火性という、木造建築を火災や湿気から守ってきた実用の知恵と、鏝一本で仕上げる左官の技術。
  128. ★★★★☆ 和裁士 世界|サヴィル・ロウのビスポークテーラー(英国)
    もし消えたら=反物を無駄にせず仕立て直しながら世代を超えて着物を受け継ぐという直線裁ちの技術と、体型の変化に着物を合わせる和裁士の技。
  129. ★★★★☆ 江戸切子職人 世界|ボヘミアン・クリスタルのカットグラス職人(チェコ)
    もし消えたら=色被せガラスに和柄を彫り込むという江戸から続くガラス工芸の技術と、隅田川沿いに集積してきたガラス職人の産地としてのつながり。
  130. ★★★★☆ 西陣織職人(帯匠・織師) 世界|リヨンの絹織物職人(カニュ、フランス)
    もし消えたら=金銀糸を織り込んだ帯という「歩く美術品」の技術と、応仁の乱後に職人が土地に戻って再興したという西陣の物語そのもの。
  131. ★★★★☆ 印章職人(はんこ彫刻師) 世界|紋章・印璽の彫刻職人(シグネットリング彫刻師、ヨーロッパの蝋封印文化)
    もし消えたら=一本の印材に名前を彫り込み、朱肉の色で押した瞬間に「本人であることが確定する」という日本独自の証明文化と、篆刻という書と彫りが一体になった工芸技術。
  132. ★★★★☆ 桐箪笥職人(桐たんす職人) 世界|欧州のシダー材ホープチェスト職人(嫁入り箪笥、欧米の「シダーチェスト」文化)
    もし消えたら=湿度で自ら膨張し気密性を保つという桐の特性を熟知し、貴重な着物を虫にも湿気にも負けずに何十年も守り継ぐ収納技術そのもの。
  133. ★★★★☆ 組紐職人(伊賀くみひも職人) 世界|欧州のパスマントリー職人(組紐・房飾り職人、フランス)
    もし消えたら=帯締め一本の色と組み方だけで着物全体の印象を変える、指先だけで幾何学模様を生み出す組み技術と、忍者の里・伊賀に根付いた武具文化の記憶。
  134. ★★★★☆ 人形師(雛人形・五月人形) 世界|洋人形職人(欧州の磁器人形職人。ドイツ・フランス等)
    もし消えたら=頭師・髪付師・小道具師等の工程ごとに分かれた分業体制と、宮中装束を寸分たがわず再現する着せ付けの技術、節句に子の成長を祈る通過儀礼の文化的な記憶。
  135. ★★★★☆ 建具職人 世界|ジョイナー(欧州の指物・建具大工。英国等)
    もし消えたら=部屋ごとに数ミリ単位で異なる歪みを現場で読み取り、木を組んで隙間なく引き戸を仕立てる技術と、障子越しの光を室内に取り込む日本家屋特有の明るさの記憶。
  136. ★★★★☆ 熊野筆職人(書道筆・化粧筆) 世界|高級毛筆ブラシ職人(英国ケント・ブラシズ社等)
    もし消えたら=江戸後期に近隣へ出稼ぎに出た農家が持ち帰った技術から始まり、一つの町がまるごと筆作りの技術系譜として発展してきた歴史と、複数の動物毛を配合して理想の穂先を作る「毛組み」という、書筆から化粧筆まで応用されてきた匠の勘。
  137. ★★★★☆ 甲州水晶貴石細工職人 世界|アイダー・オーバーシュタインの宝石研磨職人(ドイツ)
    もし消えたら=地元で採れた水晶が涸れた後も、京都伝来の研磨技術と職人の目利きだけで世界中から輸入した原石を「甲州水晶貴石細工」として仕立て続けてきた技術の系譜。仏像彫刻から現代のジュエリーまで、一つの技術で形を変え続けてきた産地としての適応力。
  138. ★★★★☆ 面打師(能面) 世界|ヴェネツィアのカーニバル仮面職人(イタリア)
    もし消えたら=表情を持たない面で複雑な感情を伝えるという、600年続く能楽の様式美そのものを支える技術
  139. ★★★★☆ 和ろうそく職人 世界|欧州のチャンドラー(蝋燭職人、蝋燭職人ギルドの伝統)
    もし消えたら=仏壇や神事で灯される「消えない炎」の伝統と、灯芯まで手作業で巻き上げる技法
  140. ★★★★☆ 和竿職人(江戸和竿) 世界|欧州のバンブーロッド職人(英国・米国のスプリットケーン式フライロッド工房)
    もし消えたら=江戸時代から続く「魚に合わせて竿を誂える」オーダーメイド文化と、継ぎ手の漆塗り装飾技術
  141. ★★★★☆ 東京金銀器(東京彫金・東京銀器) 世界|欧州の銀器職人(英国シェフィールド・ロンドンのシルバースミス、北欧の銀細工の系譜)
    もし消えたら=刀装具の装飾から転じた「打ち出しで模様を浮かせる」彫金技法と、鍛金師・彫金師・仕上師の分業体制
  142. ★★★★☆ 仏壇職人 世界|ドイツの家庭用祭壇(Hausaltar、私的な礼拝のための扉付き木製祭壇家具)
    もし消えたら=指物師・宮殿師・塗師・蒔絵師・金具師という分業体制で一つの仏壇を仕上げる伝統工芸の総合力
  143. ★★★★☆ 尺八製管職人 世界|中東のネイ笛職人(スーフィー神秘主義音楽で使われる葦の端吹き笛)
    もし消えたら=「吹禅」という音楽と瞑想が一体化した文化と、一本一本の竹の個性に合わせて内径を調整する製管技術
  144. ★★★★☆ 播州そろばん職人 世界|中国の算盤(суанpan、上二玉・下五玉の伝統的な珠算具)
    もし消えたら=電卓以前の日本の計算文化を支えた道具と、播州(小野市)に集積した木地師・珠師・仕上師の分業体制
  145. ★★★★☆ 房州うちわ職人 世界|中国の団扇(纨扇/团扇、絹を張った円形の柄付き扇)
    もし消えたら=21の全工程すべてが手作業という、丸亀・京とならぶ日本三大うちわ産地の一つの技術
  146. ★★★★☆ 静岡雛具(駿河雛具)職人 世界|ドイツ・ニュルンベルクのドールハウス職人(16世紀から続く欧州最古級のミニチュア家具伝統)
    もし消えたら=関東大震災を機に東京の職人が移住して集積した「本物と同じ工程で作るミニチュア」という技術と、娘の幸せを願う雛祭りの祈りの文化
  147. ★★★★☆ 陶芸家・窯元(信楽焼) 世界|イタリア・インプルネータのテラコッタ職人(トスカーナ地方、エトルリア・ローマ時代から続く素焼き大型陶器の産地)
    もし消えたら=日本六古窯の一つとして1200年以上続く窯業地の生産基盤と、狸の置物に代表される「焼き締め」独特の風合い
  148. ★★★★☆ 和紙職人(越前和紙) 世界|イタリア・ファブリアーノの製紙職人(マルケ州、13世紀創業とされる欧州最古級の紙産地)
    もし消えたら=紙幣の原型ともいわれる「五箇(ごか)」の紙郷に伝わる1500年余りの歴史と、越前奉書という最高級木版画用紙を支える技術
  149. ★★★★☆ 和紙職人(土佐和紙) 世界|欧州の聖書用紙(インディア・ペーパー)職人(薄くても裏写りせず不透明な紙を工業的に実現した抄紙技術の系譜)
    もし消えたら=世界の美術館・博物館の修復現場を支える「世界最薄の紙」という技術と、平安時代から続くとされる産地の歴史
  150. ★★★★☆ 曲げわっぱ職人(大館) 世界|アメリカ・シェーカー教徒のシェーカーボックス職人(曲げ木の楕円箱づくり)
    もし消えたら=秋田杉の柾目を薄く挽いて曲げ、山桜の樹皮で綴じるという製法と、木製の弁当箱がご飯の水分を調整するという暮らしの知恵
  151. ★★★★☆ 将棋駒彫り師(天童) 世界|欧米のチェス駒職人(スタウントン型駒の木工旋盤・彫刻職人)
    もし消えたら=「書き師・彫り師・盛上げ師」の分業による将棋駒づくりと、1831年に織田藩が家臣の内職として奨励したことに始まる将棋駒産地の歴史
  152. ★★★★☆ 尾張七宝焼職人 世界|フランス・リモージュの七宝(シャンルヴェ/ペンダント)職人
    もし消えたら=銀線で模様の輪郭を立ててから釉薬を差す『有線七宝』という、天保年間に一職人が独学で確立した技法の系譜
  153. ★★★★☆ 常滑焼の陶芸家・窯元 世界|中国・宜興(ぎこう/イーシン)の紫砂壺職人
    もし消えたら=鉄分を活かして無釉のまま焼き締める技術と、全盛期(1991年)に435事業所・9,291人を擁した産地の分業体制
  154. ★★★★☆ 燕鎚起銅器職人 世界|フランス・ノルマンディー地方の手作り銅鍋職人(ヴィルディユ=レ=ポワル等の銅器工房)
    もし消えたら=1枚の銅板を叩いて継ぎ目なく立体にする鎚起技法と、約210年にわたり技術を継承してきた燕の金属加工の系譜
  155. ★★★★☆ 肥後象がん師 世界|スペイン・トレドの象嵌職人(ダマスキナード)
    もし消えたら=布目切り・打ち込み・錆出し・磨き・仕上げの五工程からなる象がん技法と、細川家の庇護下で育った『地味を活かす』美意識
  156. ★★★★☆ 秋田杉桶樽職人 世界|ヨーロッパのクーパー(ワイン・ウイスキー樽職人)
    もし消えたら=秋田杉を柾目に挽いてタガで締める桶樽づくりの技術と、佐竹藩時代の『樽屋仲間の掟』以来続く産地の分業体制
  157. ★★★★☆ 有松・鳴海絞職人 世界|インドのバンダニ絞り染め職人
    もし消えたら=約100種類あったとされる絞り技法の多様性と、1608年に東海道の間の宿として作られた有松の町並みごとの産地の記憶
  158. ★★★★☆ 若狭塗の塗師 世界|中東(シリア・レバノン等)の螺鈿象嵌家具職人
    もし消えたら=貝殻・卵殻を漆の中に沈めて研ぎ出す技法と、国内塗箸市場の約8割を占めるとされる産地の存在感
  159. ★★★★☆ 二風谷アットゥシの織り手 世界|北米太平洋岸北西部の先住民による樹皮布・シーダーバーク織物職人
    もし消えたら=オヒョウの樹皮を発酵させ繊維に裂いて糸に績む技術と、2013年に北海道で初めて国の伝統的工芸品に指定されたアイヌの染織文化
  160. ★★★★☆ 二風谷イタの彫り師 世界|北米太平洋岸北西部の先住民による木彫トレイ・木彫芸術職人
    もし消えたら=モレウノカ・アイウシノカ・シクノカ等のアイヌ独自の文様を木地に彫り込む技術と、幕末に将軍家へ献上された記録が残る二風谷イタの系譜
  161. ★★★★☆ 豊岡杞柳細工職人 世界|イギリス・フランスの柳細工職人(バスケットメーカー)
    もし消えたら=コリヤナギを編んで柳行李を作る技術と、行李づくりから発展して豊岡を鞄の産地に押し上げた産業の連続性
  162. ★★★★☆ 石燈籠職人(出雲) 世界|韓国の石塔・石灯籠(ソクドゥン)職人
    もし消えたら=来待石という特定の石材だけが持つ加工のしやすさと経年変化の風合いを活かした石燈籠づくりの技術
  163. ★★★★☆ 江戸からかみ職人 世界|イギリス・ウィリアム・モリス系の壁紙職人
    もし消えたら=関東大震災・東京大空襲で多くを焼失しながらも職人衆と版元・東京松屋が復興させた版木と、木版摺りを基調に型紙捺染・刷毛引きを併用する多様な技法
  164. ★★★★☆ 京指物師 世界|フランスのエベニスト(家具職人)
    もし消えたら=釘を使わず板を組み合わせる指物の技術と、指物・彫物・挽物・曲物・箍物・刳物を総合して調度品を作る京都の木工芸の体系
  165. ★★★★☆ 東京染小紋の染師 世界|フランス・リヨンの捺染絹職人(微細な一色染めの型染め伝統)
    もし消えたら=1枚の型紙で単色染めながら遠目には無地に見えるほどの精緻さを競う『粋』の美意識と、大名の裃の格式から生まれた模様の体系
  166. ★★★★☆ 本場黄八丈の染織職人 世界|スコットランド・ハリス島のハリスツイード職人
    もし消えたら=コブナグサ・タブノキ・シイという島に自生する植物だけで黄・樺・黒の三色を染め出す技術と、貢租として納められた歴史を持つ絹織物の系譜
  167. ★★★★☆ 漆器職人(紀州漆器) 世界|ヨーロッパの「ジャパニング」職人(17〜18世紀、東洋の漆器を模してニスや樹脂で家具・調度品を塗り上げた技法の系譜)
    もし消えたら=室町初期から続く「庶民に愛された実用の漆器」という紀州漆器の性格と、根来寺の僧が使い込むほど朱がすり減り黒が浮き出た「根来塗」の美意識
  168. ★★★★☆ 漆器職人(香川漆器) 世界|中国・福州の脱胎漆器職人(彫漆・存清など、漆を彫り込み文様を出す技法の系譜)
    もし消えたら=玉楮象谷が確立した蒟醤・存清・彫漆・後藤塗・象谷塗という5つの国指定技法と、中国・東南アジアの漆文化を独自に消化した香川漆芸の技術体系
  169. ★★★★☆ 漆器職人(琉球漆器) 世界|タイ・ミャンマーの漆器職人(東南アジアの気候・中国交易ルートの影響を受けた南方系漆文化の系譜)
    もし消えたら=15世紀の琉球王国時代から貝摺奉行所が管理してきた、堆錦という琉球独自の技法と、中国・朝鮮・東南アジアへの献上品として育まれた南方系漆文化の記憶
  170. ★★★★☆ 漆器職人(木曽漆器) 世界|スウェーデン・ダーラナ地方の木工職人(木製食器・調度品に天然オイル仕上げを施す北欧の木工伝統)
    もし消えたら=慶長年間(17世紀初頭)に中山道の宿場町として栄えて以来400年、木曽の山々の良材を漆で補強してきた木工と漆工が一体となった町並みと技術
  171. ★★★★☆ 漆器職人(川連漆器) 世界|イギリスの木工旋盤職人(プレーナー〈木工ろくろ〉で椀・鉢を挽き、オイル仕上げする伝統工房)
    もし消えたら=鎌倉時代の武具塗りに始まるとされる800年近い歴史と、刷毛目を生かす「花塗り」・漆を燻して用いる独自技法という、手頃な価格で漆器を暮らしに届けてきた工夫
  172. ★★★★☆ 和紙職人(因州和紙) 世界|イタリア・ファブリアーノの製紙職人(中世から続く高級手漉き紙の産地。画家・書家向けの高品質紙で知られる)
    もし消えたら=江戸時代初期〜中期から続く、書家・画家に選ばれ続けてきた「因州画仙紙」としての繊維の強さと発色の良さという品質
  173. ★★★★☆ 和紙職人(阿波和紙) 世界|フランスの伝統製紙職人(アルシュ〈Arches〉等、水彩画・版画用の高級手漉き紙産地)
    もし消えたら=1300年前の忌部族による製紙伝承から続く、藍染めなど加工に耐える丈夫さと、戦後唯一残った藤森家が守り続けてきた技術
  174. ★★★★☆ 博多織職人 世界|フランス・リヨンの絹織物職人(ジャカード織機を用いた格式高い絹織物・ブロケードの産地)
    もし消えたら=鎌倉時代(1241年)に南宋から伝わった織物技術に始まり、江戸期に幕府への献上品となった「締めやすくほどけにくい」帯地の技術と、独鈷・華皿という仏具文様の記憶
  175. ★★★★☆ 京鹿の子絞職人 世界|インドのバンディニ(絞り染め)職人(グジャラート州・ラジャスタン州の伝統的な点絞り技法の系譜)
    もし消えたら=室町〜江戸期を通じて磨かれてきた、一点一点を手でくくる気の遠くなる作業と、絞ったときだけ生まれる立体的な鹿の子文様の美しさ
  176. ★★★★☆ 名古屋友禅職人 世界|フランス・ジュイ地方の更紗職人(トワル・ド・ジュイ、木版・銅版で布に模様を刷る伝統プリント更紗の系譜)
    もし消えたら=徳川宗春の治世に伝わって以来290年、京友禅の華やかさとは一線を画す「渋み」という独自の美意識と、黒紋付染・小紋型友禅・手描友禅という3つの技法が一つに束ねられてきた歴史
  177. ★★★★☆ 奈良筆職人(筆司) 世界|ドイツ・ニュルンベルクの画筆職人(Da Vinci等、動物毛を厳選し手作業で穂先を作る西洋絵画・化粧用ブラシの老舗産地)
    もし消えたら=空海が唐から持ち帰ったとされる製筆技術に始まる、日本の毛筆製造発祥の地としての誇りと、複数の動物毛を混ぜて一本に仕立てる「練り混ぜ法」の技術
  178. ★★★★☆ 別府竹細工職人 世界|イギリス・ウィロー(柳)バスケット職人(サマセット地方等、柳の枝を編んで籠・家具を作る欧州の伝統的バスケットリー)
    もし消えたら=景行天皇の九州巡幸伝説にまで遡るとされる長い歴史と、江戸期の温泉地文化と結びついて発達した8種の基本編みの技術。1979年に経済産業大臣指定の伝統的工芸品となった竹工芸品としては全国唯一の指定
  179. ★★★★☆ 岩谷堂箪笥職人 世界|イギリスのアンティーク家具職人(真鍮金具で装飾されたオーク材のチェスト・キャビネットを作る英国式指物の伝統)
    もし消えたら=天明3年(1783年)の領主の産業振興策に始まる、拭き漆の木目と手打ち金具の彫金という組み合わせの技術。最盛期に150人ほどいた職人は現在約65人程度とされる
  180. ★★★★☆ いずみガラス職人(ガラス職人) 世界|イタリア・ヴェネツィア(ムラーノ島)のガラス職人(バーナーワーク・吹きガラスで色ガラス細工を作る世界的なガラス産地)
    もし消えたら=明治10年(1877年)頃に堺から伝わったガラス玉製造技術に始まる、炎の前で一玉ずつ手作業する「ランプワーク」の技術と、簪や帯留め等の和装小物を彩ってきた歴史
  181. ★★★★☆ 博多人形師 世界|ドイツ・マイセン、デンマーク・ロイヤルコペンハーゲンの磁器人形彫刻師(欧州の名窯が作る彩色磁器フィギュリンの伝統)
    もし消えたら=慶長5年(1600年)の黒田長政入国以来420年余り、無釉のまま彩色するという博多人形独自の「博多素焼き」技法と、明治期にパリ万博で高い評価を受け「日本を代表する人形」として輸出された記憶
  182. ★★★★☆ 毛鉤職人(播州毛鉤) 世界|スコットランド・イングランドのフライタイヤー(毛針結い職人)
    もし消えたら=渓流釣りの疑似餌としての実用と、金箔・漆で仕上げる装飾美の両立という播州の技術が失われる
  183. ★★★★☆ 火箸職人(明珍火箸) 世界|西洋のウィンドチャイム職人(風鈴・チャイム製作者)
    もし消えたら=平安末期から続く甲冑鍛冶の技術系譜と、鍛造ならではの澄んだ余韻を持つ音色が失われる
  184. ★★★★☆ 茶筌師(高山茶筌) 世界|西洋のワイヤーウィスク(泡立て器)職人
    もし消えたら=500年続く茶道具の心臓部と、1本の竹から120種以上を作り分ける規格化された技術体系が失われる
  185. ★★★★☆ こけし工人(宮城伝統こけし) 世界|ロシアのマトリョーシカ職人
    もし消えたら=東北の湯治文化が生んだ5系統それぞれの独自の顔立ちと、一本挽きろくろの技術が失われる
  186. ★★★★☆ 硯職人(赤間硯) 世界|ウェールズ・イギリスのスレート職人(粘板岩の石材加工職人)
    もし消えたら=鎌倉時代から続くとされる硯石の産地としての歴史と、石眼という石の個性を活かす彫刻の技術が失われる
  187. ★★★★☆ 木象嵌職人(富山木象嵌) 世界|イタリアの木象嵌(インタルシオ)職人
    もし消えたら=彫り込んでから木片をはめ込むという緻密な技法と、高岡の金工・漆器技術と結びついた木工文化が失われる
  188. ★★★★☆ ろくろ職人(南木曽ろくろ細工) 世界|ヨーロッパのウッドターナー(旋盤挽物職人、ウィンザーチェアの脚職人等)
    もし消えたら=国内で唯一「ろくろ挽物」として伝統的工芸品指定を受けた技術と、千年続くとされる木地師の系譜が失われる
  189. ★★★★☆ 型紙彫師(伊勢形紙) 世界|ヨーロッパの型染めステンシル職人(更紗・捺染用の型紙製作者)
    もし消えたら=全国の染め物の型紙を支える上流産業としての地位と、錐彫り等の複数技法を使い分ける彫刻技術が失われる
  190. ★★★★☆ 桐生織職人 世界|フランス・リヨンの絹織物職人(カニュ)
    もし消えたら=奈良時代から続くとされる産地の歴史と、白瀧姫伝説に象徴される機織り文化、多品種を分業で織り分ける技術体系が失われる
  191. ★★★★☆ 竹細工職人(駿河竹千筋細工) 世界|イギリス・フランスのウィロー(柳)バスケット職人
    もし消えたら=丸ひごを均一に挽く専用の道具と技術、虫籠・行灯という線の集合が生む独特の透け感を持つ工芸が失われる
  192. ★★★★☆ 佐賀錦職人 世界|ヨーロッパの金襴・ブロケード(金銀糸織物)職人
    もし消えたら=鹿島藩主夫人の考案という物語性を持つ由来と、和紙を経糸に使うという世界的にも珍しい発想の技術が失われる
  193. ★★★★☆ 簾職人(大阪金剛簾) 世界|西洋のブラインド・シェード職人(ウィンドウブラインド製作者)
    もし消えたら=金剛山麓の竹という地域資源に根ざした産地の技術と、天然素材の質感をそのまま活かす夏の建具文化が失われる
  194. ★★★★☆ 水引職人(加賀水引細工) 世界|フランスのパスマントリー職人(房・組紐等の装飾トリム職人)
    もし消えたら=約100年前に金沢の津田左右吉が創始したとされる技術と、結び方に意味を込めるという贈答文化の精神性が失われる
  195. ★★★★☆ 麦わら細工職人(城崎麦わら細工) 世界|フランスのストローマーケトリー職人(藁の寄木細工師)
    もし消えたら=江戸享保年間(約300年前)に因州の半七が城崎温泉で始めたとされる技術と、現在「麦わら細工技術者の会」5人に集約された技の継承先が失われる
  196. ★★★★☆ 鬼師(淡路鬼瓦) 世界|欧州のガーゴイル・グロテスク彫刻職人(石造建築の魔除け彫刻師)
    もし消えたら=約1300年前の藤原京時代にさかのぼるとされる歴史と、日本三大瓦産地の一つとして培われた「鬼師」の一点一点手作りの造形技術が失われる
  197. ★★★★☆ 丹波布織り手 世界|英国のハリス・ツイード織り手(アウター・ヘブリディーズ諸島の手織り羊毛織物)
    もし消えたら=明治末期に一度途絶えかけた「縞貫」という名の野良着が、民藝運動の柳宗悦により発見・命名され「丹波布」として復興した歴史と、その復興自体が象徴する「一度失われかけたものを取り戻す」物語が失われる
  198. ★★★★☆ 鍋島緞通織り手 世界|ペルシャ絨毯職人(イラン・トルコの手織り絨毯職人)
    もし消えたら=江戸元禄年間に佐賀藩御用として保護され、将軍家への献上品にも指定された歴史と、手織りで1か月かけて1枚を仕上げる技術という選択肢が失われる
  199. ★★★★☆ 押絵羽子板職人(江戸押絵羽子板) 世界|欧州のバトルドア・アンド・シャトルコック(バドミントン起源の板と羽根の遊具)製作職人
    もし消えたら=室町期永享4年(1433年)の宮中の記録にまでさかのぼる羽根つきの歴史と、文化文政期に爆発的に流行した「役者羽子板」という浮世絵文化と一体化した押絵の技術が失われる
  200. ★★★★☆ 指物師(江戸指物) 世界|欧州のキャビネットメーカー(フランスのエベニスト/英国のジョイナー)
    もし消えたら=17〜19世紀に武家・商人・歌舞伎役者(梨園指物)という異なる階層の需要に応えながら発達した多様な様式と、釘を一切使わない木組みだけで箪笥を組み上げる技術が失われる
  201. ★★★★☆ 簾職人(江戸簾) 世界|地中海・中東地域のリード(葦)製ブラインド職人
    もし消えたら=7〜8世紀の万葉集にまで記述が残る歴史と、竹の採取時期(秋の彼岸から春の彼岸まで)を見極め質の良い竹を選ぶ竹割りの経験・技術という選択肢が失われる
  202. ★★★★☆ 菅笠職人(越中福岡の菅笠) 世界|エクアドル・パナマ帽(トキヤ椰子製の草帽子)職人
    もし消えたら=元治元年(1864年)に210万蓋(枚)もの出荷記録を持ち「加賀笠」の名で全国に知られた一大産業が、現在は年間約3万枚まで縮小しながらも全国シェア9割以上を守り続けている、という規模の激変そのものの記録が失われる
  203. ★★★★☆ 木地師(庄川挽物木地) 世界|英国のボジャー(森の中でポールレイズを使い椅子の脚を挽く伝統木工職人)
    もし消えたら=1866年(慶応2年)に魚津の木地師・越後屋清次が始めたとされる技術と、一人前になるまで10年を要するため小学校卒業後すぐに弟子入りしていたという徒弟制度の重みが失われる
  204. ★★★★☆ 注染職人(越後本染注染手拭) 世界|インドネシアのバティック(ろうけつ染め)職人
    もし消えたら=江戸時代初期に堺で確立され伊勢の型紙屋を通じて全国に広まった技法が新潟の地に根付き、260年以上続く染工場(越後亀紺屋・藤岡染工場)が2022年になってようやく県の伝統工芸品に認定されたという、評価の遅れそのものが物語る希少性が失われる
  205. ★★★★☆ 陶芸家・窯元(大谷焼) 世界|スペイン・アンダルシア地方のティナハ(Tinaja)職人(オリーブ油・ワイン貯蔵用の大甕を作る窯元)
    もし消えたら=230年以上続く伝統と、「寝ろくろ」という世界的にも珍しい二人挽き技法、最盛期に数十軒あった藍甕の窯元が現在は数軒にまで減った歴史
  206. ★★★★☆ 阿波正藍しじら織の織元 世界|アメリカ南部のシアサッカー(seersucker)織元(軽くしわ加工された通気性の良い夏用綿織物の職人)
    もし消えたら=大正7年(1918年)頃の最盛期には徳島県内で年間生産反数150万反に達したが、洋装化・きもの離れで激減したという盛衰の記録
  207. ★★★★☆ 仏壇職人(彦根仏壇) 世界|ドイツの家庭用祭壇(Hausaltar、私的な礼拝のための扉付き木製祭壇家具)
    もし消えたら=木地・彫り・宮殿・塗り・金箔・蒔絵・飾り金具という「工部七職」の分業体制と、ホゾ穴を用い釘・ネジを使わず組み立てる構造技術、武具師の技を仏具へ転じた城下町ならではの技術系譜が失われる
  208. ★★★★☆ 仏壇職人(京仏壇) 世界|ドイツの家庭用祭壇(Hausaltar、私的な礼拝のための扉付き木製祭壇家具)
    もし消えたら=40以上の職種が10工程に分業しながら各宗派の寺院建築を再現する総合工芸としての完成度と、8世紀の仏具製作にまで遡るとされる仏都・京都としての技術の厚み
  209. ★★★★☆ 仏壇職人(名古屋仏壇) 世界|ドイツの家庭用祭壇(Hausaltar、私的な礼拝のための扉付き木製祭壇家具)
    もし消えたら=木曽三川の水害という土地の記憶を仏壇の「高い台」という構造そのものに刻んできた、環境適応としての様式美と、宮殿御坊造という豪華な屋根建築を作る技術
  210. ★★★★☆ 仏壇職人(三河仏壇) 世界|ドイツの家庭用祭壇(Hausaltar、私的な礼拝のための扉付き木製祭壇家具)
    もし消えたら=押入れという住空間の制約から生まれた「低い台」「うねり長押」という三河仏壇独自の意匠と、八職に分かれた分業体制
  211. ★★★★☆ 仏壇職人(山形仏壇) 世界|ドイツの家庭用祭壇(Hausaltar、私的な礼拝のための扉付き木製祭壇家具)
    もし消えたら=日本最北の仏壇産地として、最上川舟運が運んだ関西の技術と東北の欅・漆を融合させた、欅のほぞ組みによる頑丈な構造の技術系譜
  212. ★★★★☆ 仏壇職人(新潟・白根仏壇) 世界|ドイツの家庭用祭壇(Hausaltar、私的な礼拝のための扉付き木製祭壇家具)
    もし消えたら=ホゾ組みで解体・組立が容易なため100年後も塗り直して再生できるという、仏壇を「代々修復しながら使い継ぐ」ものにしてきた構造技術
  213. ★★★★☆ 仏壇職人(長岡仏壇) 世界|ドイツの家庭用祭壇(Hausaltar、私的な礼拝のための扉付き木製祭壇家具)
    もし消えたら=台座と主体を分離できる組立方式によって「100年経っても塗り替えれば新しくなる」という、仏壇を使い捨てず修復して継ぐ発想と、三ツ屋根式宮殿を組む彫刻技術
  214. ★★★★☆ 仏壇職人(三条仏壇) 世界|ドイツの家庭用祭壇(Hausaltar、私的な礼拝のための扉付き木製祭壇家具)
    もし消えたら=「仏都三条」という信仰の厚さと、金物の町ならではの高度な手打ち金具の技術が組み合わさった、他産地には無い金工と仏壇製造の結びつき
  215. ★★★★☆ 仏壇職人(飯山仏壇) 世界|ドイツの家庭用祭壇(Hausaltar、私的な礼拝のための扉付き木製祭壇家具)
    もし消えたら=300年以上前から地域内で部品製作から組立までを一貫させてきた産地としての完結性と、弓長押によって宮殿をよく見せる意匠
  216. ★★★★☆ 仏壇職人(大阪仏壇) 世界|ドイツの家庭用祭壇(Hausaltar、私的な礼拝のための扉付き木製祭壇家具)
    もし消えたら=支え柱を持たず吊束方式で三方向に開くという、日本で唯一とされる「三方開」構造の高度な設計・組立技術と、金属を排して錆を防ぐという高蒔絵の意匠
  217. ★★★★☆ 仏壇職人(高岡仏壇) 世界|ドイツの家庭用祭壇(Hausaltar、私的な礼拝のための扉付き木製祭壇家具)
    もし消えたら=高岡銅器の彫金技術を仏壇の錺金具に転用してきた、鋳物の町ならではの金工と仏壇製造の結びつき
  218. ★★★★☆ 人形師(京人形) 世界|洋人形職人(欧州の磁器人形職人。ドイツ・フランス等)
    もし消えたら=頭師・手足師・髪付師・小道具師・胴着付師という工程ごとの分業体制と、御所人形に代表される宮廷文化を人形に写しとる技術の系譜
  219. ★★★★☆ 人形師(岩槻人形) 世界|洋人形職人(欧州の磁器人形職人。ドイツ・フランス等)
    もし消えたら=日光東照宮造営の工匠が持ち込んだ桐工芸の技術と、元禄期に確立した桐塑技法が結びついて生まれた、生産量・生産額で日本一とされる産地としての厚み
  220. ★★★★☆ 人形師(江戸節句人形) 世界|洋人形職人(欧州の磁器人形職人。ドイツ・フランス等)
    もし消えたら=わらと桐塑を組み合わせて胴体を作る「衣裳着人形」の技術と、精巧な甲冑を模した「江戸甲冑」という、京都とは異なる江戸独自の写実的な人形文化
  221. ★★★★☆ 人形師(駿河雛人形) 世界|洋人形職人(欧州の磁器人形職人。ドイツ・フランス等)
    もし消えたら=衣装の上下を分けて仕立てることで分業・量産化を実現した合理性と、人形の印象を決める「振り付け」という腕曲げの技、胴体生産で全国の約7割を占めるとされる産地としての厚み
  222. ★★★★☆ 漆器職人(京漆器) 世界|欧州のジャパニング職人(17〜18世紀フランス・英国、本物の漆が手に入らず代替塗料で漆器の艶を模倣した伝統)
    もし消えたら=1200年続くとされる蒔絵の技法と、山科産の地之粉・砥之粉を使う下地技法によって生まれる、薄手でありながら堅牢な京漆器の完成度
  223. ★★★★☆ 指物師(大阪唐木指物) 世界|西洋の高級キャビネットメイキング(フランスのエベニスト=象嵌家具職人。輸入銘木を使い釘を使わず組み木で仕上げる伝統)
    もし消えたら=紫檀・黒檀等の非常に堅い輸入銘木を釘無しで組む指物技法と、精製生漆で仕上げる「摺り拭き漆仕上げ」という、素材の硬さに向き合ってきた技術
  224. ★★★★☆ うちわ職人(京うちわ) 世界|スペイン等の欧州の扇(レース張りの折り畳み式ハンドファン)
    もし消えたら=骨と柄を別々に作り最後に差し込む「差し柄式」という構造上の工夫と、土佐派・狩野派の絵師による御所うちわに由来する意匠の系譜
  225. ★★★★☆ 表具師(江戸表具) 世界|西洋の額装(フレーミング。絵画・写真をガラスと額縁で密閉して保存・展示する伝統)
    もし消えたら=巻いて仕舞い、季節や用途に応じて掛け替えるという掛軸文化と、丈を短く淡彩に仕立てる江戸独自の「粋」の美意識、水と刷毛だけで仕上げる修練の技
  226. ★★★★☆ 東京友禅職人(東京手描友禅) 世界|ジャワ更紗(インドネシアのバティック。蝋を防染剤に使う点で技法上の共通点がある手描き染色の伝統)
    もし消えたら=一人の職人が下絵から染め付けまで全工程を担うという、分業制の他産地には無い一貫制作の技術と、奢侈禁止令という制約から生まれた「粋」の美意識
  227. ★★★★☆ 漆器職人(大内塗) 世界|欧州のジャパニング職人(17〜18世紀フランス・英国、本物の漆が手に入らず代替塗料で漆器の艶を模倣した伝統)
    もし消えたら=大内氏の交易品として海を渡った大内朱・大内菱の意匠と、一度は途絶えかけた技法を明治期の一発見から復興させたという産地の物語
  228. ★★★★☆ へら竿職人(紀州へら竿) 世界|西洋のフライロッド職人(英国・米国の高級竹製フライフィッシングロッド、割り竹を接着剤で貼り合わせる伝統)
    もし消えたら=真竹・高野竹・矢竹という3種の竹を部位ごとに使い分け、130以上の工程を1人で1年かけて仕上げる、量産では再現できない手業の系譜
  229. ★★★★☆ 織元(首里織) 世界|フランスのゴブラン織職人(王室の庇護のもと発達した紋織物の伝統)
    もし消えたら=王族・貴族専用として身分ごとに使い分けられた花倉織・道屯織等7つの技法の体系と、士族女性だけが織ることを許されたという琉球王朝の格式の記憶
  230. ★★★★☆ 織元(村山大島紬) 世界|スコットランドのツイード職人(地域固有の織りと染めで一点物の風合いを作る毛織物の伝統。技法は異なるが「土地固有の染織技法で量産の絹織物に対抗する」という構造が近い)
    もし消えたら=樹齢100年以上の水目桜の彫刻板を使う「板締め注入染色法」という、本場大島紬(鹿児島・奄美の泥染め)とは異なる独自の絣染色技術
  231. ★★★★☆ 染師(東京無地染) 世界|西洋のソリッドダイ(無地染め)職人(染料をロール・浸染で均一に染色する量産型の無地染色)
    もし消えたら=170色もの微妙な色の違いを職人の色彩感覚だけで再現する技術と、一度染めた生地を染め直して長く使うという、量産を前提としない染色文化
  232. ★★★★☆ 桐箪笥職人(春日部桐箪笥) 世界|欧州のシダー材ホープチェスト職人(嫁入り道具を収める「シダーチェスト」文化、北米・欧州)
    もし消えたら=日光東照宮の造営職人にまで遡るとされる約350年の産地の記憶と、金釘を使わず木组みだけで気密性を保つ指物技術。
  233. ★★★★☆ 桐箪笥職人(名古屋桐箪笥) 世界|オランダの「リネンカスト(linnenkast)」職人(黄金時代の商都で富の象徴とされた大型リネン収納棚)
    もし消えたら=130余工程を一人の職人が担う技術の総合力と、他産地より幅広い意匠に発達した「婚礼調度としての桐箪笥」という城下町文化の記憶。
  234. ★★★★☆ 桐箪笥職人(加茂桐箪笥) 世界|アメリカ・ヴァージニア州のシーダーチェスト産業(Lane社等が代表格。20世紀半ばに高校卒業祝いの定番贈答品として広まった単一地域集中型の「ホープチェスト」産地)
    もし消えたら=全国生産量の約7割を担う「日本一の桐たんす産地」が、わずか12事業所という小規模さで支えられているという現実と、天明年間からの指物技術の系譜。
  235. ★★★★☆ 桐箪笥職人(大阪泉州桐箪笥) 世界|ドイツのビーダーマイヤー様式衣装棚職人(19世紀中欧の市民階級で発達した、精緻な木工技術を誇る高級収納家具の系譜)
    もし消えたら=釘を一切使わず、組手の数と精度だけで「桐箪笥の最高峰」と称される堅牢さを実現してきた大阪発祥の指物技術。
  236. ★★★★☆ 桐箪笥職人(紀州箪笥) 世界|北欧スウェーデンの婚礼用木製長持(ブルードキスタ、花嫁道具を収める伝統的な彩色木箱)職人
    もし消えたら=一部のみ桐を使う他産地とは異なる「総桐」へのこだわりと、伝統工芸士10人が受け継ぐ正確な組手の技術。
  237. ★★★★☆ 箪笥職人(越前箪笥) 世界|オーストリア・チロル地方の婚礼用長持(Hochzeitstruhe、彩色と鍛鉄金具で飾られた花嫁道具箱)職人
    もし消えたら=越前打刃物の金具・越前漆器の塗りという、同じ産地の他の伝統工芸を横断的に取り込んだ複合技術の結晶。
  238. ★★★★☆ 三味線職人(東京三味線) 世界|ヴァイオリン職人(弦楽器製作者、イタリア・クレモナ)
    もし消えたら=奏者一人ひとりに向き合い、力量を見極めて素材を選び分ける一貫制作という、分業制の関西とは異なる東京三味線独自の職人技。
  239. ★★★★☆ 三味線職人(奄美三味線) 世界|アメリカ・アパラチア地方のバンジョー職人(西アフリカ起源の弦楽器が新大陸で独自に変化した、動物皮の共鳴胴を持つ撥弦楽器の系譜)
    もし消えたら=沖縄とも本土三味線とも異なる、蛇皮の薄さ・黄色い弦・返し撥奏法・独自記譜法という4つの識別点で語られる奄美の島唄伴奏文化。
  240. ★★★★☆ 印章職人(京印章) 世界|ヨーロッパの紋章彫刻・シグネットリング職人(貴族や個人の紋章を金属に彫り込み、封蝋に押して手紙や公文書を封印する)
    もし消えたら=漢代の銅印の作風(漢印篆)を直接受け継ぐ、重厚で雅味豊かな書の伝統。天皇御璽や官印を彫った都・京都ならではの格式。
  241. ★★★★☆ 印章職人(甲州手彫印章) 世界|ドイツ・イダー=オーバーシュタインの宝石彫刻職人(地元産の水晶・瑪瑙を素材に、彫刻技術で世界的な宝石加工の町として発展した産地)
    もし消えたら=伝統的工芸品に指定された唯一の印章という称号と、御嶽山系の水晶採掘に始まり木彫り技術と融合して発達した山梨独自の彫刻文化。
  242. ★★★★☆ 印章職人(東京手彫印章) 世界|ヨーロッパの公証人による蝋封印(ノータリー・シール)彫刻職人(法的文書の真正性を証明するための紋章印を彫る専門職)
    もし消えたら=将軍家の印を彫った「御印判師」に始まる約400年の系譜と、印稿から仕上げまで全工程を手作業で仕上げる技術。
  243. ★★★★☆ 仏壇職人(金沢仏壇) 世界|ロシア正教の家庭用聖像画(イコン)コーナー「赤い隅(クラスヌイ・ウーゴル)」(金箔・装飾を施した聖像画を家庭の一角に飾り日々祈りを捧げる文化)
    もし消えたら=加賀藩細工所に集められた名工たちが築いた、木地師・塗師・蒔絵師・彫刻師・金具師という完全分業体制と、変色しないとされる加賀蒔絵の技術。
  244. ★★★★☆ 仏壇職人(七尾仏壇) 世界|ロシア正教の家庭用聖像画(イコン)コーナー「赤い隅(クラスヌイ・ウーゴル)」(金箔・装飾を施した聖像画を家庭の一角に飾り日々祈りを捧げる文化)
    もし消えたら=室町時代の能登守護・畠山満則による技術保護に始まり、江戸初期にはすでに職人町を形成していたという600年以上の産地の記憶。
  245. ★★★★☆ 仏壇職人(広島仏壇) 世界|イタリア・バロック期の教会付属工房による金箔祭壇職人(複数の職人が分業で手掛ける、金箔と彫刻を多用した荘厳な祭壇の伝統)
    もし消えたら=大正末期に生産量全国一位を誇った「金仏壇の都」としての記憶と、浅野藩の紀州からの転封に由来する位牌細工・錺金具の技術系譜。
  246. ★★★★☆ 仏壇職人(八女福島仏壇) 世界|バリ島の家庭用祠堂(サンガー、屋敷内に建てる塔状・楼閣状のヒンドゥー教家族寺院)
    もし消えたら=指物大工が見た「仏閣の夢」に始まるという逸話と、九州の仏壇製造の源流となった約80工程の完全分業体制。
  247. ★★★★☆ 織元(南風原花織) 世界|イタリア・コモ地方のブロケード織職人(浮き織り〈供給緯糸〉技法で立体的な紋様を織り出す、ヨーロッパ屈指の絹織物産地)
    もし消えたら=女子補習学校を通じて村の女性たちが確立した喜屋武花織・照屋花織等、大別4種・細分9種にも及ぶ浮織の技法体系。
  248. ★★★★☆ 絹織物職人(多摩織) 世界|フランス・リヨンの絹織物職人(王室・教会向けの多様な絹織技法が一つの都市に集積した、ヨーロッパ屈指の絹織物の都)
    もし消えたら=5つの異なる織り技法を一つの産地に集積させた「絹織物の多品種産地」としての多摩の個性と、千二百本の生糸をずらして織る「ずらし絣」の高度な技術。
  249. ★★★★☆ 組紐職人(東京くみひも) 世界|フランス・イタリアのパスマントリー職人(軍服の飾緒・室内装飾の房飾り等、実用と装飾を兼ねた組み紐・組み紐飾りの専門職)
    もし消えたら=武士の鎧兜の威糸・刀の下緒という「戦闘にも耐え得る堅牢さ」を今に伝える組み方と、京都の華美さとは一線を画す江戸の渋好みの色使い。
  250. ★★★★☆ 手織物職人(鹿島錦) 世界|フランス・リュネヴィルの金属糸刺繍職人(金銀糸を用いた豪奢な刺繍・織りで、宮廷・儀礼用の高級小物を仕立てる伝統)
    もし消えたら=紙を経糸として使うという、国内外を通じて佐賀錦の分野以外に類例が見当たらないとされる稀少な技法と、一日でわずか1〜2センチしか織れない手間の結晶。
  251. ★★★★☆ 手漉き和紙職人(杉原紙) 世界|イギリスの手漉き紙職人(政府公文書・銀行券用紙として重用された、格式の高い手漉き紙の伝統)
    もし消えたら=鎌倉幕府の公用紙にまで採用された1000年以上の格式と、大正期に一度途絶えながら昭和45年に有志の手で半世紀ぶりに復興したという再生の物語。
  252. ★★★★☆ 陶芸家・窯元(宮島焼) 世界|フランス・カンペール焼職人(巡礼地・観光地に結びついた、地域の風土を映す絵付け陶器の伝統)
    もし消えたら=厳島神社本殿の下の砂を練り込むことで生まれる、二つとない自然な窯変模様と、「お砂焼」という名に込められた参拝・信仰との結びつき。
  253. ★★★★☆ 仏具職人(京仏具) 世界|欧州の聖具職人(カトリック教会向けの燭台・十字架・聖爵などを作るリタージカル・アート工房)
    もし消えたら=打敷・過去帳・仏飯器・脇掛など、仏壇に安置する仏具一式を京都で総合的に仕立てられる産地の分業体制が失われ、「仏壇も仏具も京都で一式そろう」という完結性が崩れる
  254. ★★★★☆ 染師(京小紋) 世界|フランス・プロヴァンス地方の更紗(インディエンヌ)職人
    もし消えたら=型紙彫りから染めまでを支える職人の分業網が失われ、遠目無地・近目精緻という京小紋独特の意匠表現自体が途絶える
  255. ★★★★☆ 石工(京石工芸品) 世界|欧州の庭園装飾石工(英国・イタリアの庭園彫刻職人)
    もし消えたら=石仏・石塔・石燈籠など、庭園や寺社を彩ってきた京都独自の石工芸の意匠と、一人の石工が全工程を担う一貫生産の技術が失われる
  256. ★★★★☆ 繍師(京繍) 世界|フランス・パリのルサージュ(Lesage)刺繍工房(オートクチュール向け刺繍アトリエ)
    もし消えたら=約2000色ともいわれる糸の配色と、駒使い繍など十数種の技法を使い分ける刺繍職人が失われ、着物・能装束・祭礼品を彩ってきた京都の刺繍文化の担い手がいなくなる
  257. ★★★★☆ 染師(京黒紋付染) 世界|欧州の紋章付き礼装仕立て職人(貴族・ギルドの紋章を礼服に施すヘラルディック・テーラー)
    もし消えたら=深みのある本物の黒と紋の精度を両立させる染めの技術が失われ、婚礼・葬儀という人生儀礼を彩ってきた黒紋付という装いの選択肢がなくなる
  258. ★★★★☆ 欄間彫刻師(大阪欄間) 世界|英国のウッドカーバー(グリンリング・ギボンズの系譜を引く建築装飾木彫の職人)
    もし消えたら=日本家屋特有の「風を通しながら飾る」彫刻建具の技術が失われ、和室の意匠選択肢の一つが消える
  259. ★★★★☆ 注染職人(浪華本染め) 世界|インドネシアのバティック(ろうけつ染め)職人
    もし消えたら=表裏が同じ色柄に染まり、使い込むほど風合いが増す浴衣・手ぬぐいの染め技術が失われ、堺・大阪に根付いた注染産業の技術基盤が途絶える
  260. ★★★★☆ 塗師(鳴子漆器) 世界|北米アパラチア山地の木工旋盤職人(ボウルターナー、天然木の椀・盆を挽く伝統工芸家)
    もし消えたら=盆・茶托・重箱・汁椀など日用の漆器を支えてきた挽物木地の塗り技術と、水面に漆を流して文様を作る竜文塗という独特の加飾技法が失われる
  261. ★★★★☆ 駒師(天童将棋駒) 世界|英国のスタウントン式チェス駒職人(黄楊・黒檀を旋盤で挽き手彫りで仕上げるチェスセット職人)
    もし消えたら=書き師・彫り師・盛上げ師という分業体制と、山形県特産の御蔵島黄楊やイスノキ等を使い分ける木地の目利きが失われ、天童が9割を占める将棋駒の国内生産基盤が崩れる
  262. ★★★★☆ 織元(置賜紬) 世界|インド・アッサム州のムガ絹職人(野蚕が作る黄金色の絹糸を手織りする、地理的表示保護を受けた伝統織物)
    もし消えたら=米琉板締小絣・緯総絣・紅花染紬など、置賜地方の3地区がそれぞれ異なる製法で受け継いできた先染め手織りの技術と、地域ごとの意匠の違いが失われる
  263. ★★★★☆ レース職人(上越バテンレース) 世界|ドイツ・バッテンベルクのレース職人(本来の発祥地。19世紀欧州で流行したのち、日本ほどには産地として残っていない)
    もし消えたら=ドイツ発祥でありながら本国よりも産地として色濃く残ってきた、雪国上越の女性たちが1世紀にわたり支えてきた地域産業としてのレース編みの技術が失われる
  264. ★★★★☆ 鬼瓦職人(安田瓦鬼瓦) 世界|欧州のガーゴイル彫刻職人(ゴシック建築の魔除け・雨樋を兼ねた屋根装飾石彫職人)
    もし消えたら=雪国の凍害・塩害に耐える安田瓦と同じ製法で焼かれた鬼瓦の技術が失われ、阿賀野市安田地区の屋根瓦産業を支えてきた魔除けの意匠がなくなる
  265. ★★★★☆ 象がん師(加賀象嵌) 世界|スペイン・トレドの象嵌職人(ダマスキナード、鋼に金銀の線を打ち込む刀剣装飾の伝統技法)
    もし消えたら=『天下の名品』とまで評された加賀藩御用の金工象嵌技術が失われ、現存する象嵌産地が加賀・肥後(熊本)・京都の3か所からさらに減ることになる
  266. ★★★★☆ 紙漉き職人(八女手すき和紙) 世界|ネパールのロクタ紙職人(ヒマラヤ山地に自生する低木の樹皮を漉く手漉き紙。仏教寺院の経典用紙としての起源を持つ点が八女と重なる)
    もし消えたら=九州最古とされる430年余りの手漉き和紙の歴史と、矢部川の水と九州産楮という土地の恵みを生かした紙漉きの技術が失われる
  267. ★★★★☆ 紙漉き職人(大洲和紙) 世界|英国の版画用紙工房(トゥー・リバーズ・ペーパーミル等、美術・版画用に手漉きの高級紙を今も生産する英国の製紙工房)
    もし消えたら=最盛期に430名を超える業者を抱えた四国有数の和紙産地としての歴史と、日本一とされる薄さと強度を両立する書道用紙の技術が失われる
  268. ★★★★☆ 塗師(小田原漆器) 世界|ロシアのホホロマ塗り職人(木製食器に油性ニスを焼き付け、金属的な輝きを出す民芸塗装の伝統。ただし小田原は木目を透かし、ホホロマは木目を覆い隠す点で対照的)
    もし消えたら=箱根山系の木を生かした木地挽きと、木目を消さずに漆で仕上げる摺り漆塗の技術が失われ、室町時代から続く日用漆器の産地としての小田原の姿が消える
  269. ★★★★☆ 塗師(浄法寺塗) 世界|ドイツ・黒い森(シュヴァルツヴァルト)の木工旋盤職人(無地・単色のオイル仕上げで木の質感を生かす日用食器の伝統)
    もし消えたら=国産漆の7割を担う漆掻き職人の技術と、無地の単色仕上げで『使うほどに艶が増す』という浄法寺塗の美意識が失われ、国内最大の漆産地としての地位そのものが揺らぐ
  270. ★★★★☆ 漆器職人(江戸漆器) 世界|フランスのヴェルニ・マルタン工房(18世紀、東洋の漆を模して調合ワニスを幾層にも塗り重ね家具・調度品を仕立てた欧州の塗装工房)
    もし消えたら=複数の職人が分業しながら「塗っては研ぐ」を繰り返す下地から上塗りまでの総合的な漆工技術と、第二次大戦前は国内でも採取されていた良質な漆を見極める目利きの系譜が失われる
  271. ★★★★☆ 刷毛職人(江戸刷毛) 世界|欧州の画材・装飾用ブラシ職人(豚毛・貂毛等の獣毛を厳選し、手作業で穂首を仕立てる画家用・装飾用ブラシ工房)
    もし消えたら=「ムラ塗りが出ない」「腰がある」毛先を職人が一本一本の見極めで選別する技術と、経師・染色・漆・木版など他の伝統工芸を裏で支える道具作りの分業体制が失われる
  272. ★★★★☆ 仏壇職人(東京仏壇) 世界|北米・欧州のホームチャペル/プレイヤーデスク職人(キリスト教家庭の中に祈りの場を作り付ける、教会調度を手がける木工職人の系譜)
    もし消えたら=寺院の意匠の影響を受けた緻密な彫刻と、唐木や桑の木目を生かした重厚で簡素な質感という『江戸仏壇ならではの美意識』が失われ、家具調仏壇に置き換わっていく流れに歯止めがかからなくなる
  273. ★★★★☆ 更紗染職人(江戸更紗) 世界|インドの更紗(チンツ)職人(木版と手描きを組み合わせた多色染めで、ムガル期から続く更紗文様染めの系譜)
    もし消えたら=90枚にも及ぶ型を一色ずつ重ねて淡いグラデーションを生む型摺り染めの技術と、東京の水質が生む渋い発色という、日本で唯一この産地だけが継承する更紗染めの系譜が完全に途絶える
  274. ★★★★☆ 刺繍職人(江戸刺繍) 世界|フランスのオートクチュール刺繍工房(メゾン・ルサージュ等、リュネヴィル技法でスパンコールやビーズを刺繍する高級服飾アトリエ)
    もし消えたら=糸の撚りから自分で調整し『精密画を描くように』文様を仕上げる技術と、余白を生かす日本独自の意匠感覚、天寿国曼荼羅繍帳に遡る1400年近い刺繍文化の系譜が失われる
  275. ★★★★☆ 木彫刻師(江戸木彫刻) 世界|ドイツ・オーバーアマガウの木彫り職人(教会の祭壇彫刻や宗教彫像を鑿で手掘りする、バイエルン地方の木彫り工房の系譜)
    もし消えたら=数百本のノミを使い分けてノミの切り口だけで木の輝きを引き出す技術と、龍の鼻筋や人物の眼差しといった細部にまで宿る気品、百年二百年先まで残る耐久性を持つ建築装飾彫刻の系譜が失われる
  276. ★★★★☆ 刃物鍛冶(東京打刃物) 世界|ドイツ・ゾーリンゲンの刃物鍛冶(中世から続く欧州随一の刃物産地で、鋼の鍛造・研磨を分業する工房群)
    もし消えたら=日本刀と同じ和鋼・安来鋼を用いた鍛接・焼入れ・焼戻しの技術と、『百年続く一生もの』とされる耐久性を持つ、廃刀令後の刀鍛冶の技術転用という歴史的系譜が失われる
  277. ★★★★☆ 筆司(江戸筆) 世界|中国湖州の湖筆職人(東アジアの毛筆づくりの本場、羊毛・狼毫等を厳選して穂を仕立てる製筆工房)
    もし消えたら=金櫛で毛先を梳きながら穂の形を作る『先出し造り』の技術と、異なる毛丈を均一に混合して穂の良否を左右する『練りまぜ』という、関東大震災や戦災を経ても高級筆づくりに活路を見出してきた江戸の筆づくりの系譜が失われる
  278. ★★★★☆ 提灯文字師(江戸手描提灯) 世界|欧州の紋章画家(ヘラルド・ペインター。貴族や教会の紋章を手作業で描き込む、中世から続く欧州の専門職人)
    もし消えたら=複雑な家紋も定規を使わずフリーハンドで、遠距離からの視認性を保ちながら描き切る技術と、明治期に提灯製造と分業化した『文字描き専門職』という江戸特有の職人体系が失われる
  279. ★★★★☆ 象嵌師(京象嵌) 世界|スペイン・トレドのダマスキナード職人(黒色の鉄地に金銀の線を打ち込む、中東起源の金属装飾技法を継承する欧州の産地)
    もし消えたら=タガネで溝を彫り金銀の線を打ち込む象嵌技術と、廃刀令後に四方安之助・並河靖之らが欧米での評価を得て輸出工芸として再生させた、京都の金工の系譜が失われる
  280. ★★★★☆ 刃物鍛冶(京刃物) 世界|フランス・ティエール刃物鍛冶(中世から続くフランス随一の刃物産地、庖丁・鋏を分業生産する工房群)
    もし消えたら=『全国の刃物産地の技術は大半が京都から伝わった』とされる技術的源流としての地位と、西陣織など他の京都の伝統産業を裏で支えてきた刃物づくりの分業体制が失われる
  281. ★★★★☆ 神祇装束調度師(京の神祇装束調度品) 世界|バチカンの典礼祭服工房(法衣・祭壇布等をラメ糸や刺繍で仕立てる、カトリック教会の伝統工房)
    もし消えたら=伊勢神宮の式年遷宮で神宝・装束の多くを今なお京都の業界が製作しているという、20年周期で技術を次世代へ継承する独自の仕組みと、少量生産・手作りを貫く神祇工芸の系譜が失われる
  282. ★★★★☆ 北山丸太師(北山丸太) 世界|北米の化粧丸太(ハンドピール材)職人(皮を剥ぎ乾燥・研磨して仕上げる、高級ログホームや別荘建築向けの丸太仕上げ工房)
    もし消えたら=皮剥ぎから天日干し、水磨きまで手間をかけて木肌を白く滑らかに仕上げる約600年の技術と、桂離宮・修学院離宮・島原角屋といった数寄屋建築の名品を支えてきた丸太産地としての歴史が失われる
  283. ★★★★☆ 陶芸家・窯元(越中瀬戸焼) 世界|英国スタッフォードシャーの陶工(移住・伝承によって技術が根付いた、欧州随一の陶磁器産地)
    もし消えたら=430年以上前に尾張瀬戸から移植された技術を、北陸有数の古窯地として守り続けてきた歴史と、現在7名の作家が『今を継ぐ新たな越中瀬戸焼』を目指して作陶を続ける小さな産地の火が消える
  284. ★★★★☆ 獅子頭彫刻師(加賀獅子頭) 世界|イタリア・ヴェネツィアの仮面職人(カーニバルで使う祭礼用マスクを手作業で仕立てる、欧州随一の仮面工芸の産地)
    もし消えたら=武田友月・沢阜忠平・杉井乗運という加賀三名工の系譜が伝えた、八方睨みという独特の風貌を持つ獅子頭彫刻の技術と、各町が守護として獅子頭を所有し男子誕生を祝う床の間飾りとした金沢の生活文化が失われる
  285. ★★★★☆ 花火師(能登花火) 世界|欧米のフェスティバル花火師(村ぐるみで製造免許を持ち、地域の祭礼専属で花火を打ち上げる欧州の伝統的な花火職人)
    もし消えたら=約80人の集落のほとんどが花火師免許を持つという『花火師の里』の濃密な継承構造と、能登煙火株式会社(1933年創業)に代表される、祭礼に根ざした地域専属の花火製造の系譜が失われる
  286. ★★★★☆ 刃物鍛冶(人吉球磨刃物) 世界|英国シェフィールドの刃物鍛冶(かつて数百の工房がひしめいた「カトラリーの都」が、機械化と海外製品との競争で工房数を大きく減らしながらも高級ブランドとして存続する構図)
    もし消えたら=最盛期に人吉市の鍛冶屋町に軒を連ねたとされる数十軒の鍛冶屋の記憶と、農具から包丁まで一貫して手打ちできる「地域の道具を地域で直し続ける」技術基盤が失われる
  287. ★★★★☆ 家具職人(人吉家具) 世界|欧州のジョイナリー家具職人(釘を使わず木組みだけで仕上げる伝統的な家具職人。特にウィンザーチェアなど無垢材を組み手だけで仕上げる英国の家具職人と技法思想が近い)
    もし消えたら=釘を使わず木組みだけで組み上げ、三世代にわたって修理しながら使い継ぐという人吉家具の思想そのものが失われる
  288. ★★★★☆ 陶芸家・窯元(高田焼) 世界|韓国・粉青沙器(プンチョン)の象嵌陶工(白土を素地に象嵌して文様を表す高麗〜朝鮮時代の陶芸技法を今に継ぐ韓国の窯元)
    もし消えたら=1632年に朝鮮から渡った陶工に始まる約390年の窯の系譜と、青井戸釉に白土象嵌を組み合わせた高田焼独自の意匠が失われる
  289. ★★★★☆ 陶芸家・窯元(水の平焼) 世界|タイのセラドン焼窯元(不透明な青緑釉を特徴とし、代々の窯元が独自の釉薬レシピを一子相伝で継承するアジアの陶芸伝統)
    もし消えたら=1765年創業から続く岡部家8代の系譜と、初代の青い海鼠釉、3代目の象嵌焼、5代目の赤い海鼠釉と代々研究を重ねてきた独自の釉薬技法が失われる
  290. ★★★★☆ 陶芸家・窯元(丸尾焼) 世界|英国スタジオポタリー運動の家族窯(大量生産の工業陶磁器に対抗し、素材の質感を活かした手仕事の器を家族経営で焼き継ぐ英国の窯元文化)
    もし消えたら=1845年創業から5代170年以上続く金澤家の窯の系譜と、丸尾ヶ丘の赤土ならではの素朴な風合いが失われる
  291. ★★★★☆ 弓師(肥後三郎弓) 世界|英国のロングボウ(イングリッシュ・ロングボウ)製作の伝統(複合材を積層して張力と復元力を両立させる木製弓の製作思想が共通するが、竹と木を貼り合わせる日本の複合弓とは構造が異なる)
    もし消えたら=1924年、竹と木を求めて東京から移住した松永重児に始まる約100年の歴史と、薩摩弓の強さと京弓のしなやかさを併せ持つ肥後三郎弓独自の製法が失われる
  292. ★★★★☆ てまり職人(南蛮てまり) 世界|欧州のレース編み・刺繍サークル(喪失や別離の記憶を手仕事に込め、女性たちの集まりを通じて技術を継承してきた欧州の手芸伝統)
    もし消えたら=天草四郎の悲劇を想う恋人が作ったという伝承に由来する南蛮てまりの物語性と、昭和38年から婦人会が守ってきた継承の仕組みが失われる
  293. ★★★★☆ 木地玩具職人(きじ馬・人吉球磨) 世界|スイスの木彫り玩具職人(ブリエンツ地方等、山間部の木工技術を活かし素朴な動物形の木製玩具を彫る欧州アルプスの木工文化)
    もし消えたら=800年以上前、壇ノ浦で敗れた平家の落人の望郷の念に由来するという伝承と、『大』の字に込められた京都への郷愁、明治期に一度途絶えかけた技術を住岡庄太郎が復興させた歴史が失われる
  294. ★★★★☆ てまり職人(肥後てまり) 世界|欧州宮廷の刺しゅう手芸サークル(貴族や上流階級の女性たちが手慰みとして刺しゅうを行い、独自の文様の体系を作り上げてきた欧州の宮廷手芸文化)
    もし消えたら=江戸時代の奥女中の手慰みに由来し、童謡『あんたがたどこさ』で全国に知られるようになった肥後てまりの歴史と、1968年結成の同好会が守ってきた継承の仕組みが失われる
  295. ★★★★☆ 弓師(薩摩弓) 世界|モンゴルの伝統弓職人(遊牧・武家社会における実戦用の弓として発達し、現在は工芸品・スポーツ用具として継承される複合弓の伝統)
    もし消えたら=鎌倉時代から続くとされる技法と、『薩摩ニベ』という独自の接着剤を使う三枚打ちの技法、桑幡家に代々伝わる弓師の系譜が失われる
  296. ★★★★☆ 刃物鍛冶(薩摩深水刃物) 世界|米国アパラチア地方の家族経営ブレードスミス(農具鍛冶から出発し、後年に台所刃物・ナイフ専門へ転じた家族経営の小規模鍛冶工房)
    もし消えたら=1919年に南さつま市津貫から枕崎へ移り住んだ深水廣二に始まる家業の系譜と、南薩摩地域にかつて20件以上あったとされる鍛冶屋の中で農具から台所刃物へ転身し生き残った稀少な事例が失われる
  297. ★★★★☆ 仏壇職人(兵庫仏壇) 世界|イタリアの聖具職人(教会向けの祭壇・聖具箱を彫刻と金箔で仕立てる工房の伝統)
    もし消えたら=江戸時代に京都から持ち帰られた技術を起点に、天然の原材料を使い数多くの工程を手作業で仕上げる仏壇づくりの技術と、加古川市・丹波市・宍粟市・尼崎市という複数産地に分散して受け継がれてきた分業の形
  298. ★★★★☆ 仏壇職人(姫路仏壇) 世界|スペインのレタブロ(祭壇衝立)職人(教会の主祭壇に置く、金箔と彫刻で埋め尽くされた大型の祭壇衝立を仕立てる伝統)
    もし消えたら=姫路城の城下町で育まれた「仏壇を立派に、大切にする」という気風とともに発達した、豪華絢爛・重厚な大型金仏壇の様式と、姫路仏壇組合が受け継ぐ職人の手仕事
  299. ★★★★☆ 籠師(美吉籠) 世界|韓国の柳器(バドゥニ)職人(柳やコリヤナギの枝を編んで作る朝鮮半島の伝統的な実用籠細工)
    もし消えたら=正倉院宝物の「華籠」の技法を伝えるとされる網代編みの技術と、農閑期の副業として吉川町の地に根付いてきた竹製の実用道具づくりの記憶
  300. ★★★★☆ 染師(しらさぎ染) 世界|ナイジェリアのアディレ(藍染)職人(ヨルバ族に伝わる、絞りや糊防染を用いた木綿の藍染め伝統)
    もし消えたら=奈良時代より「飾磨の褐染」として知られた播磨の藍染めの歴史と、昭和44年に姫路城の図柄と組み合わせて復活させた「しらさぎ染」という土地の物語を伝える染物
  301. ★★★★☆ 陶芸家・窯元(王地山焼) 世界|フランス・セーヴル王立磁器製作所の陶工(王侯貴族の庇護のもとで発達した、藩窯・官窯としての磁器づくりの伝統)
    もし消えたら=篠山藩主が京焼の名工を招いて始めた藩窯としての由緒と、青磁を中心とする鎬・面取りの技法、昭和63年に発祥の地で再興された「幻の磁器」と呼ばれる焼き物の系譜
  302. ★★★★☆ 織元(丹波木綿) 世界|アメリカ南部のホームスパン(手紡ぎ木綿)職人(開拓時代から続く、綿花を手で紡ぎ織り上げる家庭工芸の伝統)
    もし消えたら=宝永年間から続く丹波の綿づくりの記憶と、昭和49年に篠山市栗柄の有志が糸紡ぎ・草木染め・手織りの全工程を惜しんで復活させた、藍染の縞や絣を特徴とする手織り木綿の技術
  303. ★★★★☆ 土人形師(稲畑人形) 世界|ロシアのディムコヴォ土人形職人(素朴な彩色を施した粘土の玩具人形を作る、ロシア中部ヴャトカ地方の民芸伝統)
    もし消えたら=経済的事情でひな人形を買えない農民のために1846年に赤井若太郎忠常が作り始めたという由来と、菅原道真をモデルにした「練天神」を飾るという他の雛人形にはない独自の様式、地元産の「赤井粘土」を使う技術
  304. ★★★★☆ 紙漉き職人(皆田和紙) 世界|ドイツ・カプファーの手漉き紙職人(中世から続く工房で、耐久性の高い厚手の手漉き紙を漉く伝統)
    もし消えたら=室町時代の文献にまで記述が遡る歴史を持ち、昭和43年に一度生産が途絶えながらも昭和45年に地域の人々の手で復活させた、厚手で破れにくい和紙づくりの技術
  305. ★★★★☆ 撚ひも師(京房ひも・撚ひも) 世界|フランスの房飾り・トリム職人(バッサマントリー、宮廷家具や礼服の房飾り・組紐を仕立てる伝統工芸)
    もし消えたら=平安時代の貴族文化に起源を持ち、鎌倉時代の武具から現代の神具・仏具・和装小物まで幅広く受け継がれてきた、糸を撚り合わせ房を付ける京都の飾り紐づくりの技術
  306. ★★★★☆ 人形師(京陶人形) 世界|イタリア・カポディモンテの磁器人形職人(低温焼成の陶磁器で作る、彩色を施した繊細な人形細工の伝統)
    もし消えたら=かつて京人形という総称に含まれていたが昭和32年に独自の道を歩み始めた、低火度で焼き上げる素焼きならではの土の温もりを残す京都の人形づくりの技術
  307. ★★★★☆ 竹材師(京銘竹) 世界|イギリスの生垣用ヘーゼル(榛の木)林業家(コピシング〈台伐り〉という伝統的な森林管理法で、垣根・家具用の材木を計画的に育てて出荷する職人)
    もし消えたら=平安時代に中国から伝わった竹が京都盆地の風土に適応して以来、江戸時代の将軍家御用の竹細工師の技を受け継ぐ、白竹・胡麻竹・図面角竹・亀甲竹という4種の竹材を育て上げる素材づくりの技術
  308. ★★★★☆ 竹工芸職人(京竹工芸) 世界|イギリス・サマセット地方のウィロー(柳)バスケット職人(伝統的な柳細工の産地で、実用品から美術工芸品まで幅広く手がける職人集団)
    もし消えたら=京銘竹という高品質な素材と、茶道・華道の美意識に磨かれた、竹の質感をそのまま生かす京都の竹工芸の技術
  309. ★★★★☆ 摺師(京版画) 世界|ドイツ・マインツの活版印刷職人(グーテンベルクに始まる、宗教文書の複製印刷から発達した木版・活版印刷の伝統)
    もし消えたら=飛鳥時代の経文印刷用木版に起源を持ち、後世の浮世絵木版画へと発展する源流となった、京都の版画文化の記憶
  310. ★★★★☆ 仏壇職人(美川仏壇) 世界|ロシア正教のイコン工房(金地に聖人像を描き、教会・家庭の礼拝空間を彩る宗教美術の伝統)
    もし消えたら=15世紀中頃に始まり、19世紀に湊屋村次郎が確立した「堆黒」という他産地に見られない独自技法と、秋田ヒバ・イチョウを使った堅牢な木割の技術
  311. ★★★★☆ 桐工芸職人(金沢桐工芸) 世界|ヨーロッパの宮廷家具職人(木地に彫刻や象嵌を施したうえで金属装飾を組み合わせる、木工と金工を融合した調度品づくりの伝統)
    もし消えたら=明治期に蒔絵師・大垣昌訓が考案した、焼き桐の木目の美しさに加賀蒔絵の華やかさを重ねるという独自の組み合わせの技術と、金沢の城下町文化が育んだ工芸の記憶
  312. ★★★★☆ 表具師(金沢表具) 世界|イギリスの製本職人(革装丁・金箔押しで書物を仕立てる、貴族の蔵書文化と結びついた製本工芸の伝統)
    もし消えたら=藩政時代から続く御用表具師の技と、京表具の流れを汲みながらも加賀百万石の武家文化を反映したどっしりとした仕上がり、金沢の町家に合わせて寸法を短くするという独自の調整技術
  313. ★★★★☆ 釜師(加賀茶の湯釜) 世界|イギリスの銀器職人(シルバースミス、茶器・食器を鋳造・鍛造で仕立てる伝統工芸)
    もし消えたら=加賀藩の茶の湯文化と結びつき、3代藩主前田利常の招きから始まった釜師の系譜、炉用・風炉用に30〜50種以上ある意匠を作り分ける鋳造の技術
  314. ★★★★☆ 型彫師(加賀友禅型彫刻) 世界|インドネシアのバティック用銅版(チャップ)職人(ろうけつ染めの型となる銅製スタンプを彫る、ジャワ島の伝統工芸)
    もし消えたら=18世紀末に金沢で興った板場友禅(型友禅)の技術と、一枚の着物に400枚以上の型を要することもある、加賀五彩の写実的な草花模様を支える型紙彫刻の精緻な技
  315. ★★★★☆ 銅鑼師(金沢銅鑼) 世界|インドネシア・バリ島のガムラン鍛冶職人(青銅を打ち鍛えて音階を調律する、ガムラン楽器の伝統的な鋳造・鍛造技術)
    もし消えたら=石川県指定重要無形文化財に指定される、銅と錫の合金「砂張」を加工して深い余韻を生み出す金沢の銅鑼づくりの技術
  316. ★★★★☆ 琴職人(金沢琴) 世界|中国の古琴製作職人(漆と木を用いて七弦の伝統楽器を仕立てる、文人文化と結びついた中国の伝統工芸)
    もし消えたら=江戸時代に武家の女性の教養として重んじられ、明治以降も城下町金沢の生活に根付いてきた琴文化と、蒔絵・螺鈿をふんだんに使い楽器の域を超えた芸術品に仕立てる金沢独自の装飾技術
  317. ★★★★☆ 三味線職人(金沢三味線) 世界|アメリカ・アパラチアのバンジョー製作職人(皮を張った胴に棹を差す、民俗音楽と結びついた弦楽器製作の伝統)
    もし消えたら=藩政時代に東・西・主計町の花柳界を中心に発展してきた金沢の三味線文化と、芸妓の芸を支えてきた楽器製作の技術
  318. ★★★★☆ 太鼓職人(金沢太鼓) 世界|韓国の長鼓(チャンゴ)製作職人(皮を張った両面太鼓を作る、朝鮮半島の伝統的な太鼓製作の技術)
    もし消えたら=慶長14年に播磨から招かれた革細工の名人に始まる伝統と、手取川の良質な水を生かして革を丈夫で音の良いものに仕上げる、全国に知られた金沢の太鼓づくりの技術
  319. ★★★★☆ 注染職人(東京本染ゆかた・てぬぐい) 世界|インドネシアのバティック(ろうけつ染め)職人(蝋で防染し、両面に模様を染め上げるジャワ島の伝統的な木綿染色)
    もし消えたら=平安時代の湯帷子に始まり、明治時代に開発された注染という日本独自の技法により裏表なく美しく染め上がる、東京の浴衣・手ぬぐいづくりの技術
  320. ★★★★☆ 甲冑師(江戸甲冑) 世界|ドイツ・ニュルンベルクの甲冑鍛冶職人(中世から続く、精密な時代考証に基づき甲冑を再現する伝統工芸)
    もし消えたら=端午の節句に息子の健やかな成長を願って大鎧を飾るという江戸期に庶民へ浸透した文化と、和紙小札・漆塗り・皮革工芸・組紐・染織という複数の伝統技法を組み合わせて入念な時代考証のもとに再現する技術
  321. ★★★★☆ 銅蟲職人 世界|モロッコの銅細工職人(手打ちの銅板を燻して独特の古色を出す、北アフリカの伝統的な銅工芸)
    もし消えたら=江戸時代初めの銅細工師・佐々木伝兵衛に由来する歴史と、稲藁で燻すことで生まれる全国唯一とされる黒茶色の玉虫古色という秘法
  322. ★★★★☆ 土人形師(三次人形) 世界|メキシコのタラベラ焼の人形職人(型に粘土を詰めて成形し、彩色を施す中南米の伝統的な陶製人形細工)
    もし消えたら=江戸時代から広島県北一帯で子供の健やかな成長を願う初節句の風習と結びついて受け継がれてきた、彩色に膠を用いることで生まれる独特の光沢を持つ約140種の意匠を持つ土人形の技術
  323. ★★★★☆ 刳物師(戸河内刳物) 世界|スウェーデンのスロイド(木工民芸)職人(斧やナイフのみで木を彫り出す、北欧の伝統的な手仕事の木工技術)
    もし消えたら=江戸時代後期から約200年続く、やすりやサンドペーパーを一切使わず刃物のみで仕上げるという厳格な流儀と、「浮上お玉」として愛用されてきた手作りのお玉杓子の技術
  324. ★★★★☆ 挽物師(戸河内挽物) 世界|イギリスのウッドターナー(木工ろくろ職人、伝統的なろくろを用いてボウルや家具部材を挽き出す職人)
    もし消えたら=明治中頃に島根県から移住してきた石田富次が伝えたろくろ挽きと漆塗りの技術と、同じ戸河内の刳物とは異なる系譜の木工技術
  325. ★★★★☆ 土人形師(のごみ人形) 世界|メキシコのアレブリヘス(空想の生き物の張り子人形)職人(オアハカ州で発達した、彩色を施した素朴な民芸人形の伝統)
    もし消えたら=終戦直後の混乱の中で染色家・鈴田照次が人々の心を明るくしたいという思いから生み出した創作の物語と、昭和38年・平成3年の年賀切手図案に採用されるなど全国的にも親しまれてきた土鈴の郷土玩具
  326. ★★★★☆ からむし織り手(奥会津昭和からむし織) 世界|アイルランド・ベルギーの手績みリネン(亜麻)織元
    もし消えたら=1500年以上続くとされる日本最古級の織物文化と、刈り取りから機織りまでを一つの村が一貫して担う「からむしの里」という生業の生態系そのもの
  327. ★★★★☆ アンチモニー工芸職人(東京アンチモニー工芸品) 世界|欧州のピューター(白目・スペルター合金)鋳造職人
    もし消えたら=低温鋳造ならではの精密な細部表現技術と、東京の下町(台東区・墨田区等)に集積してきた金属工芸の一角を占める製造網
  328. ★★★★☆ 織元(本塩沢) 世界|フランス・リヨンのクレープ・ド・シン(縮緬状絹織物)職人
    もし消えたら=寛文年間(1661〜72年)に遡るとされる350年の歴史を持つ強撚糸織りの技術と、御召の最高峰とされる本塩沢特有のシャリ感のある着心地
  329. ★★★★☆ 織元(十日町明石ちぢみ) 世界|インド発祥・欧米へ伝わったシアサッカー(波状の凹凸を持つ夏物木綿地)織元
    もし消えたら=化学処理を使わず撚糸の物理的な力だけでシボを生む江戸期以来の絹織り技術と、十日町が「日本三大着物産地」の一つとして担ってきた夏物絹織物の多様性
  330. ★★★★☆ 漆器職人(新潟漆器) 世界|17〜18世紀欧州の「ジャパニング」(漆器模倣塗装)職人
    もし消えたら=一つの産地に複数の塗り技法が併存する「新潟七彩」という全国的にも珍しい産地構造と、水運で栄えた港町ならではの技術融合の歴史
  331. ★★★★☆ 刺繍職人(加賀繍) 世界|英国の「オア・ヌエ」金糸刺繍職人(教会儀礼衣装のゴールドワーク刺繍)
    もし消えたら=前田家の庇護のもとで磨かれた30種以上の技法を使い分ける高度な立体表現と、能装束・打掛という格式高い衣装文化そのもの
  332. ★★★★☆ 漆器職人(金沢漆器) 世界|フランスのブール様式家具職人(象嵌・金具装飾を施す宮廷御用達の家具工芸)
    もし消えたら=加賀藩御細工所に起源を持つ蒔絵・螺鈿を組み合わせた加飾技術と、前田家の文化的庇護が育てた金沢の工芸集積そのもの
  333. ★★★★☆ 染師(名古屋黒紋付染) 世界|英国ヴィクトリア朝の「喪服専門染色業者」(モーニング・ダイヤー)
    もし消えたら=家紋を白く残しながら寸分の色ムラもなく黒く染め上げる、名古屋友禅黒紋付協同組合連合会が守ってきた染色技術と、慶弔両方を一枚の紋付が担うという日本の礼装文化
  334. ★★★★☆ 石工(岡崎石工品) 世界|イタリア・カラーラの大理石彫刻職人
    もし消えたら=戦前には350軒を数えたとされる石工の町としての規模と、岡崎御影石という良質な花崗岩を生かした庭園石造物づくりの技術の蓄積
  335. ★★★★☆ 人形師(名古屋節句飾) 世界|ドイツ・エルツ山地のクリスマス木工人形職人(クルミ割り人形・煙出し人形等の季節儀礼人形)
    もし消えたら=人形・幟旗類・雪洞という三分野を一体的に手掛ける全国でも珍しい産地構造と、尾張の商人文化が育てた嫁入り道具としての節句人形の格式
  336. ★★★★☆ 塗師(飛騨春慶) 世界|北欧デンマークの木目を生かしたオイル仕上げ家具職人
    もし消えたら=木地を隠さず生かす「見せる漆」という日本の漆器の中でも特異な美意識と、高山の商人文化・茶の湯文化が育てた透明な琥珀色の塗り技術
  337. ★★★★☆ 織元(近江上布) 世界|アイルランド・ベルギーの手織りリネン(亜麻)職元
    もし消えたら=室町時代から続くとされ将軍家への献上品にもなった麻織物の格式と、叩き加工という近江上布独自の艶出し技術
  338. ★★★★☆ 竹細工職人(勝山竹細工) 世界|英国サマセット地方の柳細工(ウィロー・バスケット)職人
    もし消えたら=マダケの表皮と身を使い分ける編み分け技術と、「そうけ」「めしぞうけ」という米作り・台所仕事に根ざした岡山県内唯一の国指定竹工芸
  339. ★★★☆☆ 旅館の女将・仲居 世界|ホテルのコンシェルジュ
    もし消えたら=マニュアル化できない、人と人の間の余白や空気を読み合う日本古来のコミュニケーション。
  340. ★★★☆☆ 南部鉄器職人(鋳物師) 世界|ヨーロッパの鋳鉄鍋工房(フランスの琺瑯鋳物等)
    もし消えたら=川砂を使った「惣型」鋳造という手仕事による鋳物技術と、鉄瓶で沸かした白湯が水をまろやかにするという茶の湯釜以来の暮らしの知恵。
  341. ★★★☆☆ 漬物職人 世界|ドイツのザワークラウト職人
    もし消えたら=毎日かき混ぜて育てる「糠床」という生きた発酵文化と、京漬物・野沢菜など地域ごとに育まれた多様な漬け方の技術。
  342. ★★★☆☆ 数珠職人(京念珠) 世界|ロザリオ職人(カトリック教会のロザリオ製作者、欧州)
    もし消えたら=宗派ごとに珠の数・房の結び方まで異なる数珠を一珠ずつ手で結ぶ技術と、京都が珠数生産の9割を担ってきた分業の産地構造。
  343. ★★★☆☆ 線香職人(淡路島) 世界|アガルバッティ職人(インドの線香職人)
    もし消えたら=椨の樹皮粉末を練り、型から押し出して天日で乾かす工程を熟練の勘だけで管理する技術と、淡路島が線香生産で日本一を占めてきた産地の記憶。
  344. ★★★☆☆ 一位一刀彫職人 世界|木彫り職人(ドイツ・オーバーアマガウ、スイス・ブリエンツ等、欧州の木彫刻職人)
    もし消えたら=一本の刀だけで丸みや陰影を彫り出す一刀彫の技術と、300〜400年かけてしか育たないイチイの木目を無駄なく生かす目利きの記憶。
  345. ★★★☆☆ 宝石珊瑚細工職人(土佐珊瑚) 世界|トッレ・デル・グレコの珊瑚職人(イタリア)
    もし消えたら=江戸末期に土佐藩の禁制品だった珊瑚が、明治以降に高知の原木オークションを通じて世界に流通する宝飾品へと育っていった歴史と、深海性ゆえに地中海の珊瑚には無い桃色・白色の色幅を活かす彫刻・染色の技術。
  346. ★★★☆☆ 丸亀うちわ職人 世界|中国の団扇(纨扇/团扇、絹を張った円形の柄付き扇)
    もし消えたら=江戸期から続く「一本の竹から骨と柄を同時に割り出す」効率的な手技と、金比羅参りの土産文化
  347. ★★★☆☆ 高岡銅器職人 世界|欧州の鐘鋳造職人(英国ホワイトチャペル鋳造所、イタリアの教会鐘鋳造工房の系譜)
    もし消えたら=全国シェアの多くを占める鋳物産業の生産基盤と、13種の鋳造技法を使い分ける多品種生産体制
  348. ★★★☆☆ 神輿師 世界|スペインのパソ彫刻職人(セマナ・サンタ〈聖週間〉の行列で担がれる宗教彫刻の伝統)
    もし消えたら=神は姿を持たないという神道の信仰観を建築として体現する技術と、祭礼で街全体が一体となる担ぎ手の文化
  349. ★★★☆☆ 大阪浪華錫器職人 世界|欧州のピューター職人(英国・ドイツのピューター〈錫合金〉細工ギルドの伝統)
    もし消えたら=「錫は水を浄化し酒をまろやかにする」という日本独自の嗜好文化と、機械加工が難しい柔らかい金属を手作業で仕上げる技術
  350. ★★★☆☆ 陶芸家・窯元(美濃焼) 世界|英国ストーク=オン=トレントの陶磁器産業(ウェッジウッド等、日常食器を大量生産する工場町の伝統)
    もし消えたら=日本の食器出荷額の多くを担うとされる産地の生産基盤と、志野・織部という桃山文化を今に伝える複数の様式
  351. ★★★☆☆ 陶芸家・窯元(備前焼) 世界|メキシコ・オアハカの黒陶職人(バロネグロ、酸化鉄を含む土壌の性質だけで漆黒に仕上げる無釉陶器の伝統)
    もし消えたら=日本六古窯の一つとして続く「炎まかせ」の偶然の美を尊ぶ美意識と、酒がまろやかになるとされる備前焼の器で晩酌を楽しむ文化
  352. ★★★☆☆ 陶芸家・窯元(九谷焼) 世界|フランス・リモージュの磁器職人(純白の硬質磁器に金彩で花模様を描く伝統)
    もし消えたら=一度廃絶(古九谷)しながら再興を遂げた稀有な産地の歴史と、九谷五彩という独特の濃密な上絵付け技法
  353. ★★★☆☆ 陶芸家・窯元(萩焼) 世界|朝鮮半島・李朝の粉引・井戸茶碗(元は日常雑器として作られた素朴な白い器の系譜)
    もし消えたら=使うほどに景色が変わる「萩の七化け」という経年変化を愛でる美意識と、文禄・慶長の役に由来する朝鮮陶工の技術系譜
  354. ★★★☆☆ 漆器職人(会津漆器) 世界|北欧(スウェーデン等)の木工旋盤職人(丸太から椀までロクロ挽きを一貫して担う日常食器の伝統)
    もし消えたら=会津盆地特有の寒暖差の激しい気候に耐える漆器の堅牢さと、専業分業制によって手頃な価格を実現してきた生産体制
  355. ★★★☆☆ 津軽塗の塗師 世界|フランスの家具塗装職人(ヴェルニ/フレンチポリッシュ職人)
    もし消えたら=塗っては研ぐを40数回・2ヶ月以上繰り返す「研ぎ出し変わり塗り」という、模様を絵付けせず研ぎ出して偶然性の中から出現させる技法と、非常に堅牢な津軽塗の器
  356. ★★★☆☆ 石燈籠職人(真壁) 世界|イギリスのストーンメイソン(教会・墓地の石工職人)
    もし消えたら=笠・火袋・竿を別々に彫って組み上げる石燈籠づくりの18の技法と、雪見型・春日型といった伝統意匠を今の感覚で作り続ける技術
  357. ★★★☆☆ 堺打刃物の刃物鍛冶 世界|ドイツ・ゾーリンゲンの刃物鍛冶
    もし消えたら=鍛冶・研ぎ・柄付けを別の職人が担う完全分業制と、明治期に鉄砲鍛治17軒・農道具鍛冶23軒・上打物鍛治30軒を擁した産地の技術基盤
  358. ★★★☆☆ 箱根寄木細工職人 世界|イタリア・ソレントの寄木細工(インタルシオ)職人
    もし消えたら=染料を使わず木そのものの色だけで幾何学模様を作る『種板』の技法と、開けるのに手順を要する『秘密箱(からくり箱)』の仕掛け
  359. ★★★☆☆ びんがた職人(琉球) 世界|インドネシアのバティック(ろうけつ染め)職人
    もし消えたら=1枚の型紙に多色を差し分ける『色差し』の技法と、中国・日本・南方の意匠が交わった琉球独自の染めの美意識
  360. ★★★☆☆ 京友禅職人 世界|フランス・プロヴァンスの更紗(インディエンヌ)職人
    もし消えたら=糸目糊で輪郭を防染してから多色を挿す一点物の絵画的染めの技法と、300年以上受け継がれてきた分業体制
  361. ★★★☆☆ 村上木彫堆朱の彫師 世界|中国の剔紅(てきこう)職人(彫漆)
    もし消えたら=木地を彫ってから漆を重ねるという『彫り先行』の技法と、京都の宮大工・仏師の技術が村上の町人文化に溶け込んだ歴史
  362. ★★★☆☆ 秋田樺細工職人 世界|北欧サーミの樺皮細工職人(ドゥオッジ)
    もし消えたら=山桜の樹皮を焼きごてで圧着する技術と、下級武士の内職として始まり角館の地場産業に育った樺細工の歴史
  363. ★★★☆☆ 京扇子職人 世界|スペイン・バレンシアの扇子(アバニコ)職人
    もし消えたら=約88の工程を分業して作る京扇子の製法と、日本の扇子生産の約9割を占めるとされる産地の集積
  364. ★★★☆☆ 陶芸家・窯元(唐津焼) 世界|韓国の陶工(分院里・利川など、粉青沙器〈プンチョン〉や白磁を焼く工房群)
    もし消えたら=1580年代の岸岳窯以来、朝鮮半島の陶工技術と日本の茶の湯文化が融合して育った「一井戸二楽三唐津」の茶陶伝統
  365. ★★★☆☆ 陶芸家・窯元(益子焼) 世界|イギリスのスタジオポタリー職人(セント・アイヴス、バーナード・リーチ工房の系譜)
    もし消えたら=嘉永6年(1853年)の開窯以来、日用雑器から出発し濱田庄司の民藝運動で「用の美」の産地として世界に知られるようになった歴史
  366. ★★★☆☆ 陶芸家・窯元(瀬戸染付焼) 世界|オランダのデルフト焼職人(藍色の絵付けで知られる白地陶器の産地)
    もし消えたら=加藤民吉以来200年余り、瀬戸を「せともの」という言葉の語源にまで押し上げた染付磁器の技術と、身近な文様を写実的に描く絵付けの伝統
  367. ★★★☆☆ 陶芸家・窯元(薩摩焼) 世界|ドイツ・マイセンの陶工(欧州初の硬質磁器産地。金彩・多色絵付けで欧州王侯貴族向けに発達した輸出磁器)
    もし消えたら=朝鮮人陶工の技術に始まり、1867年パリ万博で「SATSUMA」として世界に知られた、金彩と多色絵付けを極めた輸出磁器の様式
  368. ★★★☆☆ 陶芸家・窯元(波佐見焼) 世界|北欧(スカンジナビア)の食器デザイナー・工房(機能美を重視したミニマルな量産食器の系譜)
    もし消えたら=慶長4年(1599年)の開窯以来400年余り「産地名を出さないOEM」に徹してきた歴史と、2000年代に「HASAMI」として自ら名乗り出た転換の物語
  369. ★★★☆☆ 陶芸家・窯元(越前焼) 世界|ドイツ・ヴェストヴァルト地方の塩釉陶工(ザルツグラズィーア。高温で焼き締めた実用の壺・甕を作る伝統)
    もし消えたら=平安末期から850年続く日本六古窯の一つとして、装飾に頼らず焼き締めだけで生まれる「自然釉」の景色と、水がめ・種もみ壺として北陸の暮らしを支えてきた実用の記憶
  370. ★★★☆☆ 山形鋳物職人 世界|イギリスの鐘鋳造職人(ホワイトチャペル・ベルファウンドリー等、教会の鐘・大型鋳物を専門に鋳造する欧州の鋳造所の伝統)
    もし消えたら=平安後期(約1000年前)から続くとされる鋳物の歴史と、茶の湯釜から梵鐘まで手がける鋳肌の美しさという技術の幅
  371. ★★★☆☆ 提灯職人(八女提灯) 世界|中国の紙灯籠職人
    もし消えたら=盆提灯・祭り提灯が灯す先祖供養や地域の祭りの情景、一条螺旋という折り畳み構造の技術が失われる
  372. ★★★☆☆ 薩摩切子職人 世界|ボヘミアン・クリスタルのカットグラス職人(チェコ)
    もし消えたら=一度完全に途絶えた技術を1985年前後に一から復元したという歴史そのものと、色から透明へ境目なくぼかす「ぼかし」の技法が失われる
  373. ★★★☆☆ 鬼瓦職人(三州鬼瓦) 世界|ヨーロッパのガーゴイル彫刻職人(教会建築の魔除け彫像)
    もし消えたら=いぶし焼きが生む銀色の光沢と、粘土を手とヘラだけで鬼の表情に仕上げる「鬼師」という専門職が失われる
  374. ★★★☆☆ 太鼓職人(和太鼓) 世界|ヨーロッパのドラム・シェルビルダー(スネアドラム等の胴製作者)
    もし消えたら=欅の丸太をくり抜くのに数年を要する胴作りの技術と、祭礼・郷土芸能を支える太鼓の音色が失われる
  375. ★★★☆☆ 琴職人(東京琴) 世界|ヨーロッパのハープ職人(コンサートハープ製作者)
    もし消えたら=桐一枚板から甲を挽き出す木工技術と、柱を動かして自在に調弦する箏曲文化が失われる
  376. ★★★☆☆ 木彫刻師(井波彫刻) 世界|ヨーロッパの教会彫刻職人(ゴシック聖堂の木彫祭壇職人)
    もし消えたら=日本一の木彫刻の町として集積した約90名の彫刻師の技術基盤と、寺院彫刻から一般工芸まで手がける技術の幅が失われる
  377. ★★★☆☆ 漆器彫師(鎌倉彫) 世界|ヨーロッパのウッドカーバー(家具・パネルの浮き彫り職人)
    もし消えたら=鎌倉時代の仏師の技術を源流とする「彫ってから塗る」という技法と、実用品(盆・箱等)にまで応用された彫漆の文化が失われる
  378. ★★★☆☆ 大工道具鍛冶(播州三木打刃物) 世界|ドイツ・ゾーリンゲンの刃物鍛冶(工具・刃物の産業集積地)
    もし消えたら=大工が使う「道具を作る道具」という川上の技術基盤と、割込み鍛接による切れ味と粘りの両立という技法が失われる
  379. ★★★☆☆ 畳職人(京たたみ) 世界|ヨーロッパの絨毯(カーペット)職人
    もし消えたら=1300年続くとされる畳文化と、茶室・社寺仏閣向けの特別な規格を作り分ける技術が失われる
  380. ★★★☆☆ 表具師(京表具) 世界|ヨーロッパの額装・美術品修復職人(ピクチャーフレーマー・コンサバター)
    もし消えたら=千年続くとされる表具の技術と、季節ごとに掛軸を替えて楽しむ床の間文化が失われる
  381. ★★★☆☆ 木目込人形師(江戸木目込人形) 世界|ドイツの木彫り人形職人(エルツ地方のくるみ割り人形・天使人形等)
    もし消えたら=縫わずに衣装を表現する木目込みという独自技法と、埼玉・岩槻に集積した人形の町の産業基盤が失われる
  382. ★★★☆☆ 琉球絣織元 世界|インドネシアのイカット(絣)織元
    もし消えたら=経緯絣という高度な位置合わせの技法と、約600種にのぼるとされる身の回りの動植物文様の体系が失われる
  383. ★★★☆☆ つげ櫛職人(薩摩つげ櫛) 世界|フランス・イギリスのツゲ材コーム職人(ホーン・コーム職人を含む)
    もし消えたら=江戸中期の武士の内職に起源を持つ技術と、指宿で娘の誕生時に木を植え嫁入り道具に仕立てるという一生をかけた贈り物の風習が失われる
  384. ★★★☆☆ 屋久杉工芸職人(屋久杉挽物・屋久杉小工芸品) 世界|北米・カリフォルニアのレッドウッド(セコイア)古材の家具職人
    もし消えたら=樹脂を多く含み腐りにくいため数百年〜千年単位で土中に埋もれても加工できる「土埋木」という特殊な原料資源と、それを活かす木工技術が失われる
  385. ★★★☆☆ 陶芸家・窯元(京焼・清水焼) 世界|ドイツ・マイセン、フランス・セーブルの磁器窯
    もし消えたら=慶長十年(1605年)の文献に初めて「京焼」の語が現れて以来400年続く、一つの都市に多様な窯が併存し互いに技を競い合う「京都という産地そのもの」の生態系が失われる
  386. ★★★☆☆ 毛針職人(加賀毛針) 世界|欧米のフライタイヤー(西洋式フライフィッシングの毛鉤製作者)
    もし消えたら=1575年創業とされる目細八郎兵衛商店が明治23年(1890年)の第3回内国勧業博覧会に出品して全国にその名を広めた歴史と、武士のたしなみから発達した鮎釣り文化という選択肢が失われる
  387. ★★★☆☆ 鎌鍛冶(播州鎌) 世界|オーストリア・ドイツのゼンゼ(大鎌)鍛冶職人
    もし消えたら=明治維新後に元一宮藩お抱えの刀鍛冶・藤原伊助が剃刀の製法を鎌づくりに応用して生まれた「カミソリ鎌」という発想の転換と、国内生産の約7〜8割を占めるとされる産地の集積が失われる
  388. ★★★☆☆ 凧職人(天草バラモン凧) 世界|アフガニスタン・インドの闘凧(カイトファイティング)職人
    もし消えたら=江戸時代初期から五穀豊穣・無病息災を祈って揚げられてきた凧文化と、平成16年(2004年)に発足した「天草凧の会」に集約された継承の担い手が失われる
  389. ★★★☆☆ 陶芸家・窯元(壺屋焼) 世界|ヨーロッパの磁器工房(マイセン、ドイツ)
    もし消えたら=東アジアの交易と王府の政策が交差して生まれた、上焼(実用の日用品)と荒焼(魔除けのシーサー等)という2系統が同じ産地に共存する技術体系
  390. ★★★☆☆ 友禅職人(十日町友禅) 世界|英国マンチェスターのキャリコ・プリント工場(産業革命期に発達した、工程を一つの工場内で完結させる更紗捺染工場)
    もし消えたら=下絵から仕上げまでを一つの工場で完結させる「工場制一貫生産」という、京友禅・加賀友禅とは異なる十日町独自の生産方式と、9社が支える現代的な友禅の担い手が失われる
  391. ★★★☆☆ 陶芸家・窯元(大樋焼) 世界|米国のアメリカンラクー陶芸家(ポール・ソルドナーが確立した、焼成後に還元焼成を加えるアメリカ式楽焼の系譜)
    もし消えたら=前田家の御用窯として350年余り続いた、ろくろを使わず手とへらだけで成形する一貫手作業の技術と、雪国の暖かみを表す飴釉の色合いが失われる
  392. ★★★☆☆ 織元(八重山ミンサー) 世界|ハンガリー・トランシルヴァニア地方の民俗刺繍織元(求婚・婚礼の際に恋人へ贈る、象徴文様を織り込んだ手仕事の布の伝統)
    もし消えたら=「いつの世までも末長く」という想いを五つ四つの升目に込めて贈る文化と、石垣市・竹富町という八重山諸島固有の木綿平織りの技術が失われる
  393. ★★★☆☆ 額縁職人(東京額縁) 世界|欧州(フランス・イタリア)の額縁職人(木彫りの上に石膏地を盛り金箔を押す「ドレ」技法で額を仕立てる工房)
    もし消えたら=画家や画商と対話しながら定番のないデザインを一点ずつ導き出す注文対応力と、和額(漆・木地仕上げ)と洋額(彫刻・金箔)を一貫して手がける明治以来の技術集約が失われる
  394. ★★★☆☆ 人形師(江戸衣裳着人形) 世界|欧州の衣装人形職人(フランス・ドイツのビスクドール等、本仕立ての衣装を縫って着せ付ける人形師の系譜)
    もし消えたら=胡粉を5回以上塗り重ねる肌の質感と、瞼の開き具合や目の距離で表情を作り分ける面相描きの技術、100以上の工程を経て本仕立ての衣裳を着せ付ける総合技術が失われる
  395. ★★★☆☆ 籐工芸職人(東京籐工芸) 世界|欧米のウィッカー(籐・柳)家具職人(ヴィクトリア朝英国で発達した、籐や柳を編んで椅子やベビーカーを仕立てる工房の系譜)
    もし消えたら=インドネシア・マレーシア産の素材を厳選し、釘を見せない仕口や耐久性を追求する職人の目利きと、ホテルのロビーから家庭まで幅広い場に浸透した籐家具の修理文化が失われる
  396. ★★★☆☆ 七宝職人(東京七宝) 世界|フランス・リモージュのエマイユ(七宝)職人(中世から続く欧州の金属七宝装飾の一大産地、教会の聖具や勲章製作を担った工房群)
    もし消えたら=平田家が門外不出とした技術が明治の勲章制度を機に開花させた、透明色と不透明色を焼き重ねて奥行きを出す独自の七宝技法と、旭日章の源流としての歴史的系譜が失われる
  397. ★★★☆☆ ブラシ職人(東京手植ブラシ) 世界|フランスの高級ブラシ職人(豚毛・馬毛を手植えする、洗顔用・化粧用・洋服ブラシの老舗工房)
    もし消えたら=引き線で連続的に植毛することで機械植えより耐久性を高める技術と、明治期にフランスの技術を輸入し独自に発展させた『洋式ブラシの国産化』という近代化の歴史的系譜が失われる
  398. ★★★☆☆ 七宝職人(京七宝) 世界|ロシアの宝飾七宝職人(帝政ロシア宮廷向けに七宝装飾を手がけた、ファベルジェに連なる欧州宮廷工房の系譜)
    もし消えたら=安土桃山時代の宮殿装飾に始まり明治期に世界的評価を得た有線七宝の技法と、花瓶・額・アクセサリーへと用途を広げながら建築装飾から工芸品へ発展してきた京都七宝の系譜が失われる
  399. ★★★☆☆ 鋳物師(高岡鉄器) 世界|英国コールブルックデールの美術鋳物職人(産業革命期に発達した、装飾用鋳鉄工芸〈アイアンブリッジで知られる〉の産地)
    もし消えたら=400年以上の歴史を持つ高岡鋳物の技術基盤を鉄という素材に応用し、銅器とは異なる質感・重量感を持つ美術鉄器を生み出してきた戦後からの新しい系譜が失われる
  400. ★★★☆☆ 陶芸家・窯元(武雄焼) 世界|オランダ・デルフト焼職人(東洋の磁器を模倣しつつ独自の様式を確立した、欧州の陶磁器産地)
    もし消えたら=深海宗伝・百婆仙夫妻が伝えた技術を起点に、陶器と磁器の両方を手がけながら鉄絵緑彩・象嵌・刷毛目という幅広い技法を今に伝える、市内約90窯という産地としての層の厚みが失われる
  401. ★★★☆☆ 錫器職人(薩摩錫器) 世界|英国コーンウォールのピューター(錫合金)職人(地元産出の錫鉱石を背景に発展した、鋳造・研磨による金属工芸の伝統)
    もし消えたら=1655年の錫鉱脈発見に始まり、幕末の集成館事業という日本の近代化事業とも結びついた薩摩錫器の300年以上の歴史と、酸で腐食させる『梨地』という独自の仕上げ技法が失われる
  402. ★★★☆☆ 太鼓職人(奄美チヂン) 世界|西アフリカのジャンベ職人(片手または素手で叩く軽量な太鼓を作り、村落共同体の輪踊り・祭礼で使う打楽器文化)
    もし消えたら=旧暦8月の八月踊りという奄美の農耕儀礼と一体になった太鼓文化と、くさび締めという独自の張力調整構造、女性でも片手で持てるほどの軽さを追求した製作技術が失われる
  403. ★★★☆☆ 経師(京の色紙短冊和本帖) 世界|イギリスの製本職人(ブックバインダー、宮廷・貴族の蔵書向けに金箔装飾と革装丁を施す伝統工芸)
    もし消えたら=宮廷や寺院を得意先とした経師の技を起点に、現在でも色紙・短冊の9割以上を京都で生産するという実質的な独占状態を支えてきた、金泥・金銀箔の加工技術と和本仕立ての技
  404. ★★★☆☆ 家具・建具職人(諸富家具・建具) 世界|デンマークの家具職人(木工の継手技術を重視する、北欧デザインを支える伝統的な家具製作の技術)
    もし消えたら=昭和31年に筑後川の水運を生かした木材集積地として形成された産地の歴史と、家具と建具という異なる製品分野を継手技術・面取り技術で一貫して手がける諸富振興協同組合の技術
  405. ★★★☆☆ 編み組細工職人(奥会津編み組細工) 世界|アパラチア山地(米国)の樹皮・つる細工バスケット職人
    もし消えたら=ヒロロ・山ぶどう・マタタビという3種の異なる植物素材を、用途に応じて使い分ける奥会津独自の編み分け技術と、雪深い山村の暮らしを支えてきた「生活工芸」という思想
  406. ★★★☆☆ 陶芸家・窯元(佐渡無名異焼) 世界|中国・宜興(ぎこう/イーシン)の紫砂(しさ)茶器職人
    もし消えたら=佐渡金山の採掘と表裏一体で発達した「鉱物を焼き物に変える」独自の地質由来の技術と、人間国宝・五代伊藤赤水を輩出した無施釉焼き締めの美意識
  407. ★★★☆☆ 越後三条打刃物の刃物鍛冶 世界|ドイツ・ゾーリンゲンの鍛造刃物職人
    もし消えたら=ノーベル賞晩餐会の食器にも採用されたとされる高い技術力と、庖丁から農具・大工道具まで一つの産地であらゆる刃物を打ち分けられる稀有な多品目生産体制
  408. ★★★☆☆ 箔職人(金沢箔) 世界|イタリア・フィレンツェの金箔打ち職人(バッティローロ組合の伝統技術)
    もし消えたら=国内金箔生産のおよそ99%という圧倒的シェアが失われ、漆器の蒔絵・仏壇仏具・陶磁器の絵付け等、他の日本の工芸文化全体が素材面で立ち行かなくなる
  409. ★★★☆☆ 陶芸家・窯元(赤津焼) 世界|英国ストーク・オン・トレントの陶芸職人(ウェッジウッド等、複数の釉薬技法を持つ産地)
    もし消えたら=7種の釉薬・12種の装飾技法を一つの産地で使い分けるという、日本の六古窯の中でも際立って多彩な赤津焼の技術体系
  410. ★★★☆☆ 仏具職人(尾張仏具) 世界|欧州の教会金工職人(聖杯・聖遺物箱等のキリスト教会用具を作る金工・木工職人)
    もし消えたら=全国で尾張地方でしか作られていないとされる木魚をはじめ、鋳物・鍛金・木彫・漆・蒔絵という細分化された分業体制でしか成立しない仏具づくりの技術網
  411. ★★★☆☆ 筆司(豊橋筆) 世界|ロシア・欧州のコリンスキー(イタチ科動物の毛)画筆職人
    もし消えたら=375人とされる職人が支える国内有数の筆生産地としての規模と、書道筆から面相筆・日本画筆まで一つの産地で作り分ける幅広い技術の蓄積
  412. ★★★☆☆ 提灯職人(岐阜提灯) 世界|彫刻家イサム・ノグチが手掛けた「AKARI」照明彫刻シリーズの版元(岐阜提灯の技術を現代照明に転用した例)
    もし消えたら=400年の歴史を持つ竹ひご一本を螺旋状に巻く提灯骨組みの技術と、イサム・ノグチのAKARIシリーズを通じて世界のデザイン史に組み込まれた岐阜提灯の文化的地位
  413. ★★☆☆☆ 金継ぎ職人 世界|欧州の陶磁器リベット修理職人(china riveter、金属の鋲で割れた陶磁器を接着剤なしに固定する伝統技術)
    もし消えたら=「壊れたものを直して長く使う」という日本の美意識と、漆という天然接着剤を使う技術
  414. ★★☆☆☆ 甲州印伝職人 世界|スペインのコルドバ革職人(グアダメシ、金箔を使う型押し・彩色革の伝統)
    もし消えたら=鹿革に漆で模様を置くという世界でも類を見ない技法と、400年続く老舗が支える産地
  415. ★★☆☆☆ 竹刀職人(剣道具) 世界|欧州のフェンシング用剣製作者(フランス・ドイツ・イタリアのフォイル/エペ製作の伝統)
    もし消えたら=剣道人口を支える竹刀という道具そのものと、真竹の選定から矯正・仕上げまで含む手仕事
  416. ★★☆☆☆ 甲冑師 世界|欧州の甲冑鍛冶(ミラノ・ニュルンベルクのプレートアーマー工房)
    もし消えたら=小さな札を何百枚も紐で編み上げる「威し」という手仕事と、身分や家によって異なる意匠を読み解く文化
  417. ★★☆☆☆ 漆器職人(山中漆器) 世界|英国のトリーンウェア職人(陶磁器が普及する以前の木工旋盤による日用木製食器の伝統)
    もし消えたら=木地挽き日本一とされる技術と、250事業所という国内漆器産地では有数の規模を持つ生産基盤
  418. ★★☆☆☆ 三線職人 世界|アメリカのバンジョー職人
    もし消えたら=ニシキヘビの皮を胴に張り棹の型で流派を表す製作技術と、廃藩置県後に士族から庶民へ広がった沖縄の生活音楽の担い手
  419. ★★☆☆☆ 陶芸家・窯元(笠間焼) 世界|アメリカのクラフトフェア出身の作家陶芸家(統一様式を持たず、個人名で作品を売る工房群)
    もし消えたら=安永年間(1772〜1781年)の開窯以来250年、関東最古の焼き物産地として多様な作家を受け入れてきた「様式を持たない自由な産地」という個性
  420. ★★☆☆☆ 陶芸家・窯元(丹波立杭焼) 世界|フランス・ラボルヌ村の炻器職人(中世から続く薪窯焼き締め陶器の職人集落)
    もし消えたら=平安末期から続く日本六古窯の一つとして、釉薬を使わず薪の灰だけで生まれる「灰被り」の偶然の景色と、丹波篠山の農村に根付いたすり鉢・水がめの実用の記憶
  421. ★★☆☆☆ 漆器職人(越前漆器) 世界|イタリアの業務用食器メーカー(ホテル・レストラン向け強化磁器〈strengthened porcelain〉の生産地)
    もし消えたら=ホテル・旅館・飲食店で使われる漆器(業務用)の全国シェア80%超という、目立たないが日本の「おもてなし」を裏で支える産業基盤
  422. ★★☆☆☆ 陶芸家・窯元(珠洲焼) 世界|北米プエブロ族のブラックウェア(サン・イルデフォンソの黒陶)職人
    もし消えたら=14世紀には日本列島の4分の1に流通するほど隆盛しながら15世紀末に忽然と姿を消し、約400年の空白を経て1976年に復興したという「一度完全に消えた産地」という珍しい歴史そのものが失われる
  423. ★★☆☆☆ 陶芸家・窯元(小代焼) 世界|英国の伝統的スリップウェア(灰釉・化粧土を流し掛けする農村陶器)
    もし消えたら=寛永9年(1632年)に細川忠利が招いた陶工から始まり、明治維新後に一度衰退しながら昭和の職人たちの努力で復興したという歴史と、柄杓で釉薬を流しかける一発勝負の技法が失われる
  424. ☆☆☆☆☆ 陶芸家・窯元(伊賀焼) 世界|韓国・京畿道の粉青沙器(プンチョン)窯元(高麗〜朝鮮時代由来の、素朴な化粧土装飾の陶工集落)
    もし消えたら=「伊賀に耳(取っ手)あり、信楽に耳なし」と言われた耳付き水指、自然釉が生む「ビードロ」の景色、桃山時代の茶人が愛でた意図的な歪みの美意識
  425. ☆☆☆☆☆ 陶芸家・窯元(四日市萬古焼) 世界|中国・宜興(ぎこう/イーシン)の紫砂壺職人(無釉の紫泥急須を作る茶道具窯元)
    もし消えたら=江戸中期の茶人・沼波弄山が始めた「万古不易」の精神と、明治以降に量産技術で全国の土鍋・急須市場の大半を占めるに至った産業史
  426. ☆☆☆☆☆ 陶芸家・窯元(砥部焼) 世界|オランダ・デルフト焼職人(白地に藍一色の呉須(コバルト)で文様を描く陶器の系譜)
    もし消えたら=「割れにくい」という機能美を追求した結果生まれた厚手の白磁と藍の文様、民藝運動を通じて評価された日用の美の思想
  427. ☆☆☆☆☆ 陶芸家・窯元(三川内焼) 世界|ドイツ・マイセン窯の職人(ヨーロッパ初の硬質磁器を、宮廷向けの極薄・繊細な絵付けで焼く窯元)
    もし消えたら=「卵殻手」と呼ばれる透けるほど薄い白磁と、唐子の人数で吉祥の意味が変わる伝統文様、江戸時代に将軍への献上品として選ばれた格式
  428. ☆☆☆☆☆ 陶芸家・窯元(小石原焼) 世界|英国・セント アイヴスのリーチ・ポタリー(バーナード・リーチが日本の登り窯技法を持ち帰り開いた工房)
    もし消えたら=1954年に柳宗悦・バーナード・リーチが「用の美の極致」と絶賛した「飛び鉋」文様と、民藝運動を通じて世界の陶芸家に影響を与えた歴史
  429. ☆☆☆☆☆ 陶芸家・窯元(上野焼) 世界|韓国・京畿道利川(イチョン)の陶芸村(李朝の陶工技術を今も伝える、政府認定の伝統陶芸家集落)
    もし消えたら=朝鮮出兵の際に連れ帰られた陶工・尊楷が開いたという由来と、江戸期に茶人・小堀遠州が選んだ「遠州七窯」の一つという格式、軽やかな薄づくりと多彩な釉薬の掛け分け
  430. ☆☆☆☆☆ 十日町絣の織元 世界|インド・グジャラート州のパトラ(Patola)絹絣職人(経緯絣という最高難度の技法で絹を織る織元)
    もし消えたら=19世紀半ばに越後縮の技法を絹織物に応用して生まれたという成り立ちと、先染めの糸のわずかなズレが生む「にじみ」の美しさ
  431. ☆☆☆☆☆ 塩沢紬の織元 世界|スコットランド・ハリス諸島のハリス・ツイード職人(島の自宅で手織りされ、原産地呼称で保護される毛織物の職人)
    もし消えたら=越後上布の麻織り技術を絹に応用して生まれた「蚊絣」という、肉眼では判別しづらいほど細かい絣文様と、真綿から手で紡いだ糸ならではの柔らかな着心地
  432. ☆☆☆☆☆ 小千谷紬の織元 世界|アイルランド・ドニゴール州のドニゴール・ツイード職人(手紡ぎの節のある糸を使い、色の斑点を織り込む毛織物の職人)
    もし消えたら=屑繭を無駄にせず紡ぎ直すという倹約の知恵から生まれた「つむぎ」という技術と、隣接する小千谷縮(麻)との技術的な兄弟関係
  433. ☆☆☆☆☆ 伊勢崎絣の織元 世界|英国・スピタルフィールズの絹織物職人(ロンドン東部でユグノー教徒の職人が興隆させ、産業化で衰退した絹織物地区の系譜)
    もし消えたら=昭和5年(1930年)に幅狭反物で456万反、昭和31年(1956年)にも292万反・50億円分を生産したという記録が残る「銘仙ブーム」の規模と、そこからの急激な縮小
  434. ☆☆☆☆☆ 信州紬の織元 世界|ペルー・アンデス高地のクスコ地方の手織り職人(地域ごとに異なる文様・染色技法を持つ、天然染料の手織り毛織物の系譜)
    もし消えたら=県内5産地(上田・松本・飯田・伊那・山繭)を束ねた「信州紬」という指定の枠組みそのものと、化学染料に頼らない草木染めへのこだわり
  435. ☆☆☆☆☆ 弓浜絣の織元 世界|ナイジェリア・ヨルバ族のアディレ(Adire)藍染職人(藍で防染し具象的な文様を布に描く、西アフリカの伝統染織の系譜)
    もし消えたら=寛政年間(1789〜1801年)に遡るとされる歴史と、幾何学文様にとどまらず鶴や船まで描き出す「絵絣」という高度な技術
  436. ☆☆☆☆☆ 漆器職人(秀衡塗) 世界|イタリア・フィレンツェの金箔装飾職人(ドラトゥーラと呼ばれる、木工・額縁に金箔を貼る伝統技法の職人)
    もし消えたら=奥州藤原氏の黄金文化に由来するとされる菱形の金箔文様と、昭和30年の衣川ダム建設によって産地が分裂したという全国でも異例の歴史
  437. ☆☆☆☆☆ 和紙職人(内山紙) 世界|ネパール・ヒマラヤ地方のロクタ紙職人(虫が食わない樹皮を原料とし、公文書の保存に使われる手漉き紙の職人)
    もし消えたら=雪の照り返しで紙を漂白する「雪ざらし」という豪雪地帯ならではの工程と、蒟蒻糊のコーティングで虫害を防ぎ障子紙として100年単位で使われてきた実績
  438. ☆☆☆☆☆ 和紙職人(越中和紙) 世界|韓国の韓紙(ハンジ)職人(楮を原料とし、伝統医薬品の包装や公文書に使われる手漉き紙の職人)
    もし消えたら=「越中富山の置き薬」を包んできた実用の紙という成り立ちと、蛭谷和紙では集落にただ一軒残っていた漉元から2003年に外部の紙漉き作家が技術を口伝で受け継ぎ存続させたという再生の物語
  439. ☆☆☆☆☆ 仙台箪笥職人 世界|ドイツ・ニュルンベルクの鉄製宝物箱職人(錠前師が手がける、精緻な鍛鉄金具で装飾された箪笥・箱の系譜)
    もし消えたら=武具づくりの技術を持つ職人たちが明治維新後に箪笥金具へと転じたという成り立ちと、木目が縦横に光る「玉虫塗」の艶、龍や唐草を透かし彫りにした重厚な手打ち金具
  440. ☆☆☆☆☆ 組紐職人(京くみひも) 世界|フランスのパスマントリー(passementerie)職人(軍服の飾緒や家具の房飾りを手がける、組紐・房飾りの専門職人)
    もし消えたら=平安時代より神具・仏具・武具の紐として使われてきた歴史と、丸台・角台・高台など組み方によって数百通りの文様を生み出せる技術の幅
  441. ☆☆☆☆☆ 宮島細工職人 世界|スウェーデンのダーラナ地方の木彫り職人(スロイド〈slöjd〉と呼ばれる、日用の木工道具を手作業で仕上げる民芸の系譜)
    もし消えたら=弁財天の琵琶の形から着想を得たと伝わるしゃもじ発祥の逸話と、厳島神社の門前町として蓄積された宮大工・指物師の木工技術
  442. ☆☆☆☆☆ 川尻筆職人(筆司) 世界|フランスのラファエル社(Raphaël)に代表される高級画筆職人(コリンスキー等の獣毛を選別・整形する、美術用毛筆の専門職人)
    もし消えたら=江戸へ出稼ぎに行った村人が筆作りの技術を持ち帰ったという成り立ちと、同じ広島県の熊野筆と合わせ国内生産の約9割を占めるという集中度
  443. ☆☆☆☆☆ 越前打刃物の刃物鍛冶 世界|ドイツ・ゾーリンゲン(Solingen)の刃物職人(「刃物の街」として法的に地名が保護される、欧州最大級の刃物産地の職人)
    もし消えたら=約700年、日本刀の鍛造技術に通じる「三枚打ち」という産地の技術的な芯と、海外の一流シェフから直接注文が入るまでになった国際的な評価
  444. ☆☆☆☆☆ 土佐打刃物の刃物鍛冶 世界|イギリス・シェフィールドの刃物職人(「ステンレス鋼発祥の地」として知られる、欧州有数の刃物・工具産地の職人)
    もし消えたら=天正18年(1590年)の長宗我部地検帳に399軒もの鍛冶屋が記録されていたという史実と、客の要望に応じて一本ずつ形を変える「オーダーメイド」の鍛冶文化
  445. ☆☆☆☆☆ 松本家具職人 世界|アメリカ・シェーカー教徒の家具職人(装飾を排し、機能美だけで完成させる、簡素で頑丈な木工家具の系譜)
    もし消えたら=昭和51年(1976年)に家具業界で初めて国の伝統的工芸品に指定されたという先駆性と、漆・ウレタンを8〜13回以上重ね塗りするという妥協のない仕上げ工程
  446. ☆☆☆☆☆ 刃物鍛冶(千葉工匠具) 世界|オーストリア・シュタイアーマルク地方の鎌鍛冶職人(農具・林業道具を専門とする、欧州の伝統的な鍛冶場が集まる地域の職人)
    もし消えたら=平成28年(2016年)に県内の鍛冶職人有志が連絡会を結成し、翌年に国の伝統的工芸品指定を受けたという、指定から日が浅い「現在進行形」の伝統工芸であるという珍しさ