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産地|熊本県(25件)
「代表的な産地・都市」欄に熊本県が含まれる生業、25件です。
- 街の畳屋(い草) 世界|ペルシャ絨毯・無垢床職人
もし消えたら=日本人が実家に帰ったときに感じる「落ち着く匂い」と、床で直にごろ寝する文化。 - 肥後象がん師 世界|スペイン・トレドの象嵌職人(ダマスキナード)
もし消えたら=布目切り・打ち込み・錆出し・磨き・仕上げの五工程からなる象がん技法と、細川家の庇護下で育った『地味を活かす』美意識 - 山鹿灯籠師 世界|中国の紙灯籠職人
もし消えたら=金具も骨組みも使わず和紙と糊だけで自立する構造をつくる技術と、一人前になるまで約10年を要するとされる灯籠師の技 - 太鼓職人(和太鼓) 世界|ヨーロッパのドラム・シェルビルダー(スネアドラム等の胴製作者)
もし消えたら=欅の丸太をくり抜くのに数年を要する胴作りの技術と、祭礼・郷土芸能を支える太鼓の音色が失われる - 陶芸家・窯元(小代焼) 世界|英国の伝統的スリップウェア(灰釉・化粧土を流し掛けする農村陶器)
もし消えたら=寛永9年(1632年)に細川忠利が招いた陶工から始まり、明治維新後に一度衰退しながら昭和の職人たちの努力で復興したという歴史と、柄杓で釉薬を流しかける一発勝負の技法が失われる - 凧職人(天草バラモン凧) 世界|アフガニスタン・インドの闘凧(カイトファイティング)職人
もし消えたら=江戸時代初期から五穀豊穣・無病息災を祈って揚げられてきた凧文化と、平成16年(2004年)に発足した「天草凧の会」に集約された継承の担い手が失われる - 刃物鍛冶(人吉球磨刃物) 世界|英国シェフィールドの刃物鍛冶(かつて数百の工房がひしめいた「カトラリーの都」が、機械化と海外製品との競争で工房数を大きく減らしながらも高級ブランドとして存続する構図)
もし消えたら=最盛期に人吉市の鍛冶屋町に軒を連ねたとされる数十軒の鍛冶屋の記憶と、農具から包丁まで一貫して手打ちできる「地域の道具を地域で直し続ける」技術基盤が失われる - 刃物鍛冶(川尻刃物) 世界|ドイツ・ゾーリンゲンの刃物鍛冶(ヴッパー川の水車動力を核に発展した「刃物の都市」が、河川舟運と結びついた鍛冶職人街として栄えた点が川尻と重なる)
もし消えたら=緑川水運で栄えた港町の記憶とともに、500年以上「刃物の町」として続いてきた川尻の鍛冶文化そのものが失われる - 鐔工(肥後鐔) 世界|欧州の甲冑・剣の装飾金工師(ミラノやトレドで刀身そのものではなく、鍔・柄・鞘金具の装飾を専門とした職人集団)
もし消えたら=鉄地の質感を活かした『渋み』を美とする肥後鐔独特の美意識と、林・平田・西垣・志水の四流派が400年かけて磨いた透かし・布目象嵌の技法が、担い手1名をもって途絶える危機にある - 家具職人(人吉家具) 世界|欧州のジョイナリー家具職人(釘を使わず木組みだけで仕上げる伝統的な家具職人。特にウィンザーチェアなど無垢材を組み手だけで仕上げる英国の家具職人と技法思想が近い)
もし消えたら=釘を使わず木組みだけで組み上げ、三世代にわたって修理しながら使い継ぐという人吉家具の思想そのものが失われる - 曲物師(永野曲げ) 世界|北米シェーカー教徒のシェーカーボックス職人(薄く挽いた木材を蒸して曲げ、木釘だけで留める箱作りの伝統技法。曲げわっぱと同系統の技法を、宗教共同体の実用美学として発展させた点が対照的)
もし消えたら=相良藩が飛騨から招いた職人に始まるとされる400年の技術系譜と、山間の森林資源を活かした軽く丈夫な曲物文化が、担い手1名をもって途絶える危機にある - 陶芸家・窯元(高田焼) 世界|韓国・粉青沙器(プンチョン)の象嵌陶工(白土を素地に象嵌して文様を表す高麗〜朝鮮時代の陶芸技法を今に継ぐ韓国の窯元)
もし消えたら=1632年に朝鮮から渡った陶工に始まる約390年の窯の系譜と、青井戸釉に白土象嵌を組み合わせた高田焼独自の意匠が失われる - 陶芸家・窯元(高浜焼) 世界|英国コーンウォールの磁器産地(良質なカオリン鉱床の発見をきっかけに磁器生産が始まった、原料立地型の英国磁器産地)
もし消えたら=天草陶石という世界的な原料の産地でありながら磁器の産地としては小規模にとどまってきた高浜焼独自の窯元の系譜が失われる - 陶芸家・窯元(内田皿山焼) 世界|磁器と陶器を一貫して手掛ける英国スタッフォードシャーの小規模窯元(同一の原料産地で磁器・陶器の両方を焼き分ける産地の在り方が共通)
もし消えたら=1650年頃の発掘調査で存在が確認されている内田皿山焼の窯の系譜と、柞の木を自家栽培してまで再現する天然柞灰釉の技法が失われる - 陶芸家・窯元(水の平焼) 世界|タイのセラドン焼窯元(不透明な青緑釉を特徴とし、代々の窯元が独自の釉薬レシピを一子相伝で継承するアジアの陶芸伝統)
もし消えたら=1765年創業から続く岡部家8代の系譜と、初代の青い海鼠釉、3代目の象嵌焼、5代目の赤い海鼠釉と代々研究を重ねてきた独自の釉薬技法が失われる - 陶芸家・窯元(丸尾焼) 世界|英国スタジオポタリー運動の家族窯(大量生産の工業陶磁器に対抗し、素材の質感を活かした手仕事の器を家族経営で焼き継ぐ英国の窯元文化)
もし消えたら=1845年創業から5代170年以上続く金澤家の窯の系譜と、丸尾ヶ丘の赤土ならではの素朴な風合いが失われる - 紙漉き職人(宮地手漉和紙) 世界|欧州の手漉きラグペーパー職人(イタリア・ファブリアーノ等、繊維原料を漉き桁で一枚ずつ手作業で漉く伝統製紙職人)
もし消えたら=1600年、関ヶ原合戦の直後に始まったとされる420年余りの紙漉きの歴史と、明治期には約100戸が従事したとされる宮地の紙郷の記憶が失われる - うちわ職人(来民うちわ) 世界|スペイン・バレンシア地方の絵付け扇子職人(丸亀から製法が伝わったように、他地域から伝来した技術を土地の産物と結びつけて根付かせた扇・団扇文化)
もし消えたら=1600年頃に丸亀の旅僧が伝えたとされる420年余りの歴史と、柿渋で耐久性を高めた『渋うちわ』という来民独自の技法が、2〜3軒という担い手数をもって途絶える危機にある - 弓師(肥後三郎弓) 世界|英国のロングボウ(イングリッシュ・ロングボウ)製作の伝統(複合材を積層して張力と復元力を両立させる木製弓の製作思想が共通するが、竹と木を貼り合わせる日本の複合弓とは構造が異なる)
もし消えたら=1924年、竹と木を求めて東京から移住した松永重児に始まる約100年の歴史と、薩摩弓の強さと京弓のしなやかさを併せ持つ肥後三郎弓独自の製法が失われる - 土人形師(木葉猿) 世界|メキシコのオアハカ州アレブリヘス職人(素朴な手びねりの土製動物人形を、伝説・信仰と結びつけて作り続けるメキシコの民芸玩具職人)
もし消えたら=約1300年前の伝説に由来し、大正5年の全国土俗玩具番付で東の横綱に選ばれるほどの評価を得てきた木葉猿の手びねり技法と、担い手1名という現状が示す継承の危うさが失われる - 土人形師(天草土人形) 世界|ポーランドのボレスワヴィエツ陶器や中南米の素朴派土人形工房(元の生業(瓦・陶器)の副業として始まった土製の縁起物・民芸玩具が、地域振興によって復興する構図)
もし消えたら=瓦職人の副業として始まった300年以上の歴史と、隠れキリシタンが聖母マリアに見立てて拝んだとされる『山姥』という宗教史を秘めた意匠が失われる - 張子人形師(おばけの金太) 世界|ドイツ・ニュルンベルクのからくり玩具職人(紐やぜんまい仕掛けで表情や動きが変化する、ユーモラスな機構玩具を作る欧州の伝統玩具職人)
もし消えたら=加藤清正の熊本城築城にまつわる実在の足軽の逸話に由来し、江戸時代から仕掛けを変えず作り続けられてきた『あかんべえ』のからくりと、10代続く厚賀家の系譜が失われる - てまり職人(南蛮てまり) 世界|欧州のレース編み・刺繍サークル(喪失や別離の記憶を手仕事に込め、女性たちの集まりを通じて技術を継承してきた欧州の手芸伝統)
もし消えたら=天草四郎の悲劇を想う恋人が作ったという伝承に由来する南蛮てまりの物語性と、昭和38年から婦人会が守ってきた継承の仕組みが失われる - 木地玩具職人(きじ馬・人吉球磨) 世界|スイスの木彫り玩具職人(ブリエンツ地方等、山間部の木工技術を活かし素朴な動物形の木製玩具を彫る欧州アルプスの木工文化)
もし消えたら=800年以上前、壇ノ浦で敗れた平家の落人の望郷の念に由来するという伝承と、『大』の字に込められた京都への郷愁、明治期に一度途絶えかけた技術を住岡庄太郎が復興させた歴史が失われる - てまり職人(肥後てまり) 世界|欧州宮廷の刺しゅう手芸サークル(貴族や上流階級の女性たちが手慰みとして刺しゅうを行い、独自の文様の体系を作り上げてきた欧州の宮廷手芸文化)
もし消えたら=江戸時代の奥女中の手慰みに由来し、童謡『あんたがたどこさ』で全国に知られるようになった肥後てまりの歴史と、1968年結成の同好会が守ってきた継承の仕組みが失われる