日本の生業と、世界の似たサービス > 陶芸家・窯元(九谷焼)
陶芸家・窯元(九谷焼)世界の似たサービス ─ フランス・リモージュの磁器職人(純白の硬質磁器に金彩で花模様を描く伝統)
江戸時代前期(1655年頃に開窯。古九谷は約半世紀で廃絶し、19世紀初頭に再興九谷として復活した)
共通の目的白い磁肌に絵付けを施し、鑑賞にも堪える華やかな磁器を作る
やり方が、どう違うのか
⚠ 「使う道具」「使う素材」は日本側のみ調べています(世界側は同じ条件で確かめられていないため、
世界側の比較値は作っていません)。
もうひとつの世界の対比例=中国景徳鎮の五彩・粉彩磁器(明・清代に発達した上絵付け磁器の系譜で、九谷五彩の技法的なルーツの一つとされる)
なぜ違いが生まれたのか
九谷は加賀百万石という有力な藩の庇護のもと、絵師が贅を尽くして描き込む「余白を埋める」美意識が発達した。リモージュは硬質磁器そのものの白さと硬さを工業的な強みとして、王侯貴族の食卓を飾る洗練された様式へと発達した
五感で味わう価値・職人のこだわり
- 出会える舞台・空間|能美市の九谷陶芸村内、KAM能美市九谷焼美術館の体験館。上絵付け体験は900円から、ろくろでの作陶体験は2,500円から受け付けている。加賀市の石川県九谷焼美術館は青手の間・五彩の間など様式ごとに展示室を分け、館内の茶房古九谷では九谷焼の器でコーヒーを飲める。毎年5月3日から5日、能美市内の複数会場で九谷茶碗まつりが開かれ、2022年は寺井体育館17店・根上総合文化会館15店・九谷陶芸村14店など計48店が並び、3日間でおよそ20万人が訪れた。石川県九谷陶磁器商工業協同組合連合会は、加賀・小松・上絵・振興・金沢の六つの単協からなる連合組織として産地を支えている。
- 五感|呉須で引いた黒褐色の輪郭線に、青・黄・赤・紫・紺青の五彩を筆先で1mm弱の厚みに盛り上げていく重み。青手の器は赤を使わず塗り埋めた深い緑と紫の色面、飯田屋風は赤の細密な人物画の周りを小紋で埋め尽くした密度、永楽風は赤の下地に金だけで彩色した輝き。小松市花坂町で採れる花坂陶石を砕いて練った磁土は焼き締まると滑らかで硬く、盛り上げた絵具の面だけがわずかに指先に凹凸を残す。加賀市の美術館では青手の間と五彩の間で照明の当て方まで変えてある。上絵窯から出したばかりの器の熱。
- 異常なこだわり|上絵付けは760度から830度の窯で焼き、出したあとも15分ほど窯の中で寝かせて冷ます。絵具は筆先を素地から浮かせるように動かし、呉須で引いた輪郭線をこすらないよう1mm弱の厚みに盛り上げていく。九谷の和絵具は混色して中間色を作れるため、同じ五彩でも窯元や様式によって発色の配合が変わる。青手なら赤を使わず緑・黄・紫・紺青の四彩だけで塗り埋め、木米風なら全面に赤を施した上に五彩で人物を描き込み、永楽風なら赤の下塗りの上に金だけで彩色するというように、様式ごとに使う色数と塗る順番そのものを変える。
- 外国人の驚き|古九谷・木米・吉田屋・飯田屋・永楽という異なる時代の窯元の名で呼ばれる五つの様式が今も並行して作られていて、赤を使うか使わないか、金だけで彩色するかといった様式ごとの色数の違いを職人が使い分けていること。青・黄・赤・紫・紺青のわずか五色の組み合わせから、混色によって無数の中間色を作り出していること。原料の花坂陶石が小松市花坂町という一つの山でしか採れないこと、そしてゴールデンウィークの3日間だけで20万人もの人が焼き物を買いに集まることへの驚き。
- 豆知識|古九谷の窯は1700年代初頭、開窯から50年あまりで突然閉じられ、約100年後に加賀藩営の春日山窯から再興九谷として復活した。現在の九谷焼に使われる花坂陶石は1811年に本多貞吉が小松市花坂町で発見したもので、古九谷の時代とは別の陶石になる。上絵具は長く鉛を含む顔料が使われてきたが、2004年に無鉛の和絵具が完成した。能美市のKAM体験館は月曜定休で、絵付け体験は約1時間、ろくろでの作陶体験は約2時間かかる。加賀市の美術館も月曜休館だが祝日は開館する。九谷焼という名は、最初に窯を築いた江沼郡九谷村、現在の加賀市山中温泉九谷という地名に由来する。
もし消えたら、何が失われるのか
| 事業者数(現在) | —(未確認) |
|---|
| 事業者数(ピーク時) | —(未確認) |
|---|
| ピークの年 | —(未確認) |
|---|
| 統計の基準年 | —(未確認) |
|---|
| 後継者不足度 | ★★★☆☆ |
|---|
| 統計の出典URL | —(未確認) |
|---|
失われるもの(数字にならないもの)
一度廃絶(古九谷)しながら再興を遂げた稀有な産地の歴史と、九谷五彩という独特の濃密な上絵付け技法
いま直面している問題
後継者不足、絵付け職人の高齢化、原料となる磁土の一部を県外・海外に依存
出典
産地|石川県能美市・加賀市・小松市・金沢市(石川県) 世界の対比先|欧州
English: Kutani ware (Kutani yaki)(Overglaze porcelain painted so densely in five signature colors that the white base almost disappears beneath the design, from a kiln that shut down for a century and was later revived.)