日本の生業と、世界の似たサービス > 和竿職人(江戸和竿)
和竿職人(江戸和竿)世界の似たサービス ─ 欧州のバンブーロッド職人(英国・米国のスプリットケーン式フライロッド工房)
江戸中期(約210年前、紀州徳川家の松本東作が創始したとされる)
共通の目的魚の引きをしなやかに受け止め、狙った魚を釣り上げる道具を作る
やり方が、どう違うのか
⚠ 「使う道具」「使う素材」は日本側のみ調べています(世界側は同じ条件で確かめられていないため、
世界側の比較値は作っていません)。
もうひとつの世界の対比例=英国のヘリテージ・フライロッド工房(スプリットケーン式竹竿の伝統)
なぜ違いが生まれたのか
江戸和竿は江戸前の魚(ハゼ・キス)を釣る繊細さと、大名の趣味としての装飾性を追求して発達した。欧州は渓流のマス釣りなど遠投・強い引きに耐える強度を追求して発達した
五感で味わう価値・職人のこだわり
- 出会える舞台・空間|江戸和竿の産地は台東区・葛飾区・荒川区に集まり、江戸和竿組合は荒川区南千住の老舗「竿忠」を事務所として構える。竿忠の4代目・中根喜三郎氏は平成27年に東京都名誉都民賞、平成28年に荒川区区民栄誉賞を受章した和竿職人で、竿は魚の種類ごとにオーダーメイドで仕立てられ、石鯛竿、黒鯛竿、やまめ竿など釣る対象の数だけ竿の種類があるといわれる。
- 五感|竿づくりはまず竹林に直接足を運んで一本一本吟味することから始まり、良竹は百本のうちせいぜい1〜2本しかない。選んだ布袋竹・矢竹・淡竹・真竹は約1ヶ月天日で乾燥させ、最低でも3年寝かせてから使う。火入れでは竹に火を通しながら油を抜き、矯め木でまっすぐに直す。完成した竿は天然素材ゆえに使うほど持ち手が手になじみ、魚がかかったときのしなりはカーボン製の竿とは比較にならない釣り心地をもたらす。仕上げに螺鈿細工や漆塗りを施した竿は、実用の道具でありながら光を受けて模様が浮かぶ工芸品としての表情も見せる。
- 異常なこだわり|竿づくりは竹探しから仕上げの漆塗りまで、約120にも及ぶ工程を一人の職人が手がけるといわれる。竿の設計図にあたる「切り組み」では、釣る魚・釣り方・釣り場・使用条件を考え、部位ごとに性質の異なる竹を選び分けて一本の竿に仕立てる。継ぎ口は寸分の緩みも出ないよう仕上げ、継ぎ方には並継ぎと印篭継ぎを使い分ける。塗りは精製した天然漆による摺り漆仕上げで、持ち手には漆や螺鈿細工の飾りを施すこともある。すげ口に使う糸は絹糸と決められている。中根さんは平成8年に黄綬褒章を受章しており、実用性と工芸品としての価値を両立させる技を磨き続けている。
- 外国人の驚き|何本もの異なる竹を寸分違わぬ継ぎ口でつなぎ合わせて一本の釣竿に仕立てる「継竿」という発想自体が、海外の釣具にはあまり見られない技法として驚かれるという。竹探しから漆塗りの仕上げまで約120の工程をすべて一人の職人がこなすということにも、分業が当たり前の海外の工芸に慣れた人は驚くという。魚の種類ごとにオーダーメイドで竿を作り分け、しなりの計算までカーボン製とは異なる釣り心地を追求している点も、量産品の釣具に慣れた人には意外に映るとされる。
- 豆知識|継竿の発祥は口伝によれば平安末期の治承4年(1180年)に京都で始まったとされるが、裏付ける資料は現存しない。ただし延宝3年(1675)の俳書に「いれこ竿」が登場することから、京都発祥自体は確からしい。江戸での継竿づくりは京都より遅れ享保年間(1718〜35)に始まった。技術の飛躍について、東京都の紹介ページは天明8年(1788)創業の「泰地屋東作」を挙げるが、荒川区の紹介ページは「松本東作」に弟子入りした音吉氏を竿忠の源流として紹介しており、資料によって名前の表記が異なる。中根さんは音吉氏から数えて五世四代目「竿忠」にあたり、昭和60年度に荒川区登録無形文化財保持者、平成11年度に荒川区指定無形文化財保持者に認定された。
もし消えたら、何が失われるのか
| 事業者数(現在) | —(未確認) |
|---|
| 事業者数(ピーク時) | —(未確認) |
|---|
| ピークの年 | —(未確認) |
|---|
| 統計の基準年 | —(未確認) |
|---|
| 後継者不足度 | ★★★★☆ |
|---|
| 統計の出典URL | —(未確認) |
|---|
失われるもの(数字にならないもの)
江戸時代から続く「魚に合わせて竿を誂える」オーダーメイド文化と、継ぎ手の漆塗り装飾技術
いま直面している問題
カーボンロッドの普及による需要減、後継者不足、良質な国産竹の入手難
出典
産地|東京都台東区・墨田区周辺(東京都) 世界の対比先|欧州
English: Edo wazao (Edo-style bamboo fishing rod)(A bespoke bamboo fishing rod, jointed from several sections of natural bamboo and lacquered by hand, traditionally made to match a single angler and a single fish.)