日本の生業と、世界の似たサービス > 紙漉き職人(皆田和紙)
紙漉き職人(皆田和紙)世界の似たサービス ─ ドイツ・カプファーの手漉き紙職人(中世から続く工房で、耐久性の高い厚手の手漉き紙を漉く伝統)
室町時代の文献に記述が残る
共通の目的植物繊維を漉いて、屏風・障子等の建具に使える丈夫で厚手の紙を作る
やり方が、どう違うのか
⚠ 「使う道具」「使う素材」は日本側のみ調べています(世界側は同じ条件で確かめられていないため、
世界側の比較値は作っていません)。
もうひとつの世界の対比例=フランスのモワイヤン・アージュ紙職人(中世の修道院で発達した、厚手の羊皮紙代用紙を漉く伝統)
なぜ違いが生まれたのか
皆田は佐用郡の山間部という立地で楮の栽培に適し、厚手で破れにくい紙という実用性を追求したことで室町時代から屏風・障子紙の産地として発達した。ヨーロッパの手漉き紙は活版印刷の普及とともに書籍用紙としての需要に応える形で発達した
五感で味わう価値・職人のこだわり
- 出会える舞台・空間|体験の舞台は兵庫県佐用郡佐用町上月373の「皆田和紙 紙すき文化伝承館」。開館時間は10時から16時で、室町時代から明治時代にかけて皆田地区をはじめ上月地域一帯で紙漉きが営まれていた土地に立つ。皆田和紙保存会会長の山本幹雄さんら会員が案内と指導にあたり、予約制で対象は小学生以上、2人以上から受け付けている。
- 五感|漉き舟に張った水に浮かべた簀桁を両手で前後左右にゆすると、楮の繊維とトロロアオイを混ぜた粘りのある溶液が薄い膜になって桁の上に広がっていく。桁を外して簀の上に紙を取り出すと、散らかっていた仕事部屋の空気がふっとやわらかく温かい雰囲気に変わる。水は年間を通して冷たく、指先に伝わる冷たさそのものが紙漉きの実感になる。乾燥させた紙は表面をなでたり光に透かしたりすると、繊維の重なりが見えて手触りと見た目の両方で味わえる。大小の桁で大3枚・小2枚の紙を漉く体験では、桁の大きさによって水を含んだ紙の重さの違いも手に伝わる。
- 異常なこだわり|皆田和紙保存会の会員が、楮の繊維から紙ができるまでの過程を一つひとつ丁寧に案内し、参加者が漉いた紙も乾燥まで見届ける。採集した楮は蒸す専用の装置にかけてから繊維をほぐす下準備を経ており、原料づくりの段階から手間を惜しまない。原料の見極めにもこだわりがあり、案内役が「楮とコウゾはそっくりですね」と紛らわしい植物との違いを指摘する場面もある。大小の簀桁を使い分けて厚みや大きさの異なる紙を漉き分ける技も見せ、昭和43年に一度途絶えた技術を昭和45年に地域の手で復活させて以来、便箋や団扇、行燈など用途を広げながら漉き方そのものは変えずに受け継いでいる。
- 外国人の驚き|水と植物の繊維だけで1枚の紙ができあがる工程を、簀桁という道具を自分の手で動かして体験できることに外国人は驚くという。原料の楮を蒸すところから紙になるまでの一連の作業を、地域の保存会の人がすべて手作業で担っていることも、機械化された紙作りに慣れた人には意外に映る。室町時代にはこの山間の地区で漉かれた紙が奈良の興福寺まで運ばれ流通していたという記録が残っていることにも驚く人がいるという。室町時代からの紙が今も便箋や団扇、行灯といった日用品としてそのまま使われ続けていることに、伝統工芸を博物館の展示物のように考えがちな人ほど驚くという。
- 豆知識|皆田和紙が文献に登場する最古の記録は、文明7年(1475年)の奈良・興福寺大乗院で行われた法会「維摩会」の記録とされ、当時すでに皆田紙が奈良まで流通し、厚手の紙として扱われていたことがわかっている。室町時代から明治時代にかけて皆田地区をはじめ上月地域の各地で製紙業が営まれていたが、昭和43年に一度生産が途絶え、昭和45年になって地域の手で復活した。体験の所要時間は約1〜2時間、料金は人数×500円に指導料を加えた額(1〜3人2,000円〜10人以上5,000円)で、希望すれば近くの上月城跡をめぐる登山ツアーと組み合わせて申し込むこともできる。
もし消えたら、何が失われるのか
| 事業者数(現在) | —(未確認) |
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| 事業者数(ピーク時) | —(未確認) |
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| ピークの年 | —(未確認) |
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| 統計の基準年 | —(未確認) |
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| 後継者不足度 | ★★★★☆ |
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| 統計の出典URL | —(未確認) |
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失われるもの(数字にならないもの)
室町時代の文献にまで記述が遡る歴史を持ち、昭和43年に一度生産が途絶えながらも昭和45年に地域の人々の手で復活させた、厚手で破れにくい和紙づくりの技術
いま直面している問題
昭和43年に一度途絶えた歴史が示す供給基盤の弱さ、後継者不足
出典
産地|兵庫県佐用郡佐用町皆田(兵庫県) 世界の対比先|欧州
English: Kaita washi (Kaita handmade paper)(Kaita washi is a thick, tear-resistant paper from a mountain hamlet in Sayo, Hyogo, once used for folding screens and shoji doors, whose production lapsed in 1968 before being revived two years later.)