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指物師(江戸指物)世界の似たサービス ─ 欧州のキャビネットメーカー(フランスのエベニスト/英国のジョイナー)
17〜19世紀(江戸時代)、東京都伝統工芸品指定は昭和58年(1983年)、国指定は平成9年(1997年)
共通の目的木材を精密に加工して組み合わせ、釘やねじに頼らない堅牢で美しい木製家具・調度品を作る
やり方が、どう違うのか
⚠ 「使う道具」「使う素材」は日本側のみ調べています(世界側は同じ条件で確かめられていないため、
世界側の比較値は作っていません)。
もうひとつの世界の対比例=中国・明式家具の木組み技術(ほぞ組みを多用し金具をほぼ使わない点で江戸指物と技術思想が近い)
なぜ違いが生まれたのか
江戸指物は徳川幕府が全国の職人を神田・日本橋に集めたことで武家・商人・歌舞伎役者向けに多様な需要が生まれ「見えない部分にも手を抜かない」実直な美意識が発達し、欧州は宮廷文化の中で装飾性・金具の華美さを競う方向に発達した
五感で味わう価値・職人のこだわり
- 出会える舞台・空間|江戸指物協同組合は荒川区荒川3-26-1に本拠を置き、台東区・荒川区・江東区に工房が点在している。銀座のギャラリームサシでは「江戸指物展」が毎年開かれ、小箪笥や鏡台を得意とする井上喜夫さんや、理事長を務める佐藤進さんら現役の伝統工芸士の作品が一堂に並ぶ。会場では職人が鋸7〜8本、鑿20〜30本、鉋は数十本から百本を超える道具を実際に使い分ける様子も見られる。
- 五感|クワ、ケヤキ、キリ、スギなど国産の無垢材を、最低10年、銘木では御蔵島産の島桑のように100年前に伐られた板材まで寝かせて使う。金釘を使わず、矧接・端嵌接・平打接・組手接・留接という板の接ぎ方や、相欠接・ほぞ接という框の接ぎ方で組み上げ、仕上げは天然漆を使った拭漆やろいろ塗り、塗り立て、目弾き塗りなど何通りもある。蒔絵や螺鈿で加飾されたものもあり、木目を生かした「すっきり、さっぱり、堅牢」とした質感が指先に伝わる。伝統工芸士の河内素子さんは、日々の暮らしの彩りになり、愛着を持って使い続けられる道具を目指すと語る。
- 異常なこだわり|江戸指物師の渡邊彰さんは、家の大黒柱を指物技術で見立てた「大黒柱」という作品に、カラクリと仕掛けを六つ仕込み、大切な書類や宝物をしまい込めるカラクリチェストに仕立てた。根本一德さんは14年間の修業ののち独立し、桑の7杯引出箱で全部の引出しがどこに入れても同じ調子で動くよう作り込んだという。戸田敏夫さんは御蔵島産の島桑にこだわり、井上喜夫さんは同じ品物を二度と作らず毎回違うものに挑むという。佐藤進さんの祖父は桑樹匠の前田桑明の弟子だったといい、山田嘉丙さんは屋号「茶の湯指物千匠」を名乗り茶道具づくりを受け継いでいる。
- 外国人の驚き|金釘を1本も使わず、木と木を「仕口」と呼ばれる継ぎ目だけで組み立てて箱や引出しを作ること。見た目には継ぎ目がほとんど分からないほど精密に組まれている点や、家具の中にカラクリの仕掛けを仕込んで宝物を隠せるようにする発想にも驚く人がいる。歌舞伎役者の楽屋鏡台だけを専門に手がける職人がいることも、専門分化の細かさとして意外に映る。一つの収納家具に165万円という高値がつくことにも強く驚かれる。新人にも経済産業省の賞が贈られるような制度もある。
- 豆知識|江戸指物はもともと武家用や商人用として発展し、歌舞伎役者の楽屋で使う鏡台や小道具を専門に手がける「梨園指物」という分野もある。戸田敏夫さんはまず訓練校を経て師匠に15年弟子入りしたのち独立し、平成25年に「現代の名工」に選ばれた。井上喜夫さんは平成23年に瑞宝単光章を受章し、佐藤進さんは東京マイスターにも認定されている。三代目で最年少の渡辺久瑠美さんのように親方の子が家業を継ぐ例もあり、格子物を得意とする茂上豊さんのような職人もいる。1983年にはまず東京都、1997年には国の伝統的工芸品としても指定を受けている。
もし消えたら、何が失われるのか
| 事業者数(現在) | 確認できていない |
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| 事業者数(ピーク時) | —(未確認) |
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| ピークの年 | ─ |
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| 統計の基準年 | ─ |
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| 後継者不足度 | ★★★★☆ |
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| 統計の出典URL | ─ |
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失われるもの(数字にならないもの)
17〜19世紀に武家・商人・歌舞伎役者(梨園指物)という異なる階層の需要に応えながら発達した多様な様式と、釘を一切使わない木組みだけで箪笥を組み上げる技術が失われる
いま直面している問題
住宅様式の洋風化に伴う和家具需要の縮小、天然木材(特に島桑等の希少材)の調達
出典
産地|東京都(江東区・台東区・墨田区など)(東京都) 世界の対比先|欧州
English: Edo sashimono (Edo wood joinery)(Edo sashimono cabinetmakers join wood using only hand-cut joints—no nails, screws, or glue—letting the natural grain of mulberry or paulownia carry the design.)