日本の生業と、世界の似たサービス > 麦わら細工職人(城崎麦わら細工)
麦わら細工職人(城崎麦わら細工)世界の似たサービス ─ フランスのストローマーケトリー職人(藁の寄木細工師)
江戸時代中期・享保年間(1716〜1736年)
共通の目的植物の茎を精緻に加工し、木製品や紙製品の表面を彩る装飾芸術に仕立てる
やり方が、どう違うのか
⚠ 「使う道具」「使う素材」は日本側のみ調べています(世界側は同じ条件で確かめられていないため、
世界側の比較値は作っていません)。
もうひとつの世界の対比例=中東・トルコの麦わら細工(装飾品・玩具としての麦わら利用が伝統的にある地域)
なぜ違いが生まれたのか
日本は温泉地の湯治客への手土産として発達したため携帯できる小箱・玩具が中心になり、フランスは18世紀の家具装飾芸術として発達したため家具や壁面の大型装飾が中心になった
五感で味わう価値・職人のこだわり
- 出会える舞台・空間|城崎温泉・湯島にある「城崎麦わら細工伝承館」(豊岡市城崎町湯島376番地の1)は白壁の土蔵をそのまま生かした建物で、現代職人の作品約40点と明治・大正・昭和初期の作品約200点を展示する。開館は午前10時から午後4時(入館は午後3時30分まで)、水曜定休、入館料は大人500円。温泉寺の境内、薬師堂の横には創始者・半七の碑が今も残る。伝承館では20分から30分ほどで、はがきやしおりに麦わらを貼るミニ体験(体験料500円〜)ができる。
- 五感|大麦の茎は赤・青・黄など色とりどりに染めたのち切り開いて平らにされ、麦本来の艶と輝きを残したまま桐箱や色紙にご飯糊で貼り付けられる。細く割いた麦わらは、光の当たる角度や繊維の向きによって濃淡が変わり、同じ模様でも見る角度で表情が違って見える。ストロー状の麦わらを編み込む「編組物」、切り開いて花鳥などの模様を貼る「模様物」、幾何学模様を貼る「小筋物」の3種があり、精巧な小筋模様から花鳥・山水図まで、色とりどりに染められた麦わらだけで描き出される。指先で触れると絹に近い滑らかさが伝わる。
- 異常なこだわり|300年続くこの技術を今も担う「麦わら細工技術者の会」はわずか5人。会長の神谷勝さん(80)は2代目で、先代の元二郎さんから技を受け継ぎ、息子の神谷俊彰さん(56)は3代目として城崎麦わら細工振興協議会の会長を務める。近年は3人の女性が新たに弟子入りし、修業を始めている。半七が玩具として始めたのち、糸巻きや指輪など時代ごとに新しい製品が考案され続け、高名な画家の下絵を写し取って図柄に用いるなど、絵画的な芸術性を追求する姿勢も受け継がれてきた。振興協議会の所在地は豊岡市城崎町湯島357-1に置かれている。
- 外国人の驚き|麦の茎という身近な素材だけで、絹のような艶と繊細な花鳥模様をつくり出せることに驚かれる。江戸時代にシーボルトがこの麦わら細工を買い求めて持ち帰り、シーボルト・コレクションとして技術がヨーロッパにまで伝わったという逸話や、明治35年(1902)にセントルイス万国博覧会で最高名誉賞牌を受賞したという実績にも意外性を感じる人が多い。300年続く技術の担い手が今もわずか5人しかいないという希少さにも驚かれる。
- 豆知識|城崎麦わら細工は享保年間(1716〜1735)、湯治に訪れた鳥取出身の半七が、麦わらで彩ったこまや竹笛を浴客の土産として売り、宿代の足しにしたのが始まりとされる。城崎温泉が湯治場として賑わうにつれて土産物としての人気が高まり、「他に類を見ない伝統的工芸品」として独特の持ち味が評価されるようになった。平成5年(1993)3月19日に兵庫県の伝統的工芸品に指定された。日本国内でこの技法が今も作られているのは城崎のみとされ、近年は小物入れやネックレスなど日常で身につけやすい新しいアイテムも作られている。担い手が5人という希少な状態のいま、伝承館での短時間体験を通じて技術に触れられる機会は限られている。
もし消えたら、何が失われるのか
| 事業者数(現在) | 確認できていない |
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| 事業者数(ピーク時) | —(未確認) |
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| ピークの年 | ─ |
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| 統計の基準年 | ─ |
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| 後継者不足度 | ★★★★☆ |
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| 統計の出典URL | ─ |
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失われるもの(数字にならないもの)
江戸享保年間(約300年前)に因州の半七が城崎温泉で始めたとされる技術と、現在「麦わら細工技術者の会」5人に集約された技の継承先が失われる
いま直面している問題
後継者が「技術者の会」5人に集約されている極端な希少性、大麦わらの安定確保、観光土産需要の変動
出典
産地|兵庫県豊岡市城崎町(城崎温泉)(兵庫県) 世界の対比先|欧州
English: Kinosaki mugiwara-zaiku (Kinosaki straw craft / straw marquetry)(In Kinosaki Onsen, artisans split and flatten barley straw, dye it in bright colors, and paste it strip by strip onto boxes and toys in a craft found nowhere else in Japan.)