日本の生業と、世界の似たサービス > 竹細工職人(駿河竹千筋細工)
竹細工職人(駿河竹千筋細工)世界の似たサービス ─ イギリス・フランスのウィロー(柳)バスケット職人
江戸時代後期、駿府城下の武士の内職として広まったとされ、丸ひごを量産する道具の発明を経て独自の様式に発展した。1976年(昭和51年)に伝統的工芸品指定
共通の目的植物の繊維を編んだり組んだりして、軽くて丈夫な籠や道具を作る
やり方が、どう違うのか
⚠ 「使う道具」「使う素材」は日本側のみ調べています(世界側は同じ条件で確かめられていないため、
世界側の比較値は作っていません)。
もうひとつの世界の対比例=フィリピン・東南アジアの籐細工職人(線材を組んで透け感のある構造物を作る発想が近い参考比較)
なぜ違いが生まれたのか
駿河(静岡)は徳川家康の駿府城下に全国から職人が集められた歴史があり、江戸期に武士の内職として広まった竹細工が、丸ひごを大量生産する専用の道具(ひご挽き)の発明で「千筋」という繊細な様式に発展した。ヨーロッパの柳細工は農村の日用品として、より太い枝をそのまま編む効率重視の技法にとどまった
五感で味わう価値・職人のこだわり
- 出会える舞台・空間|静岡市にある「駿府の工房 匠宿」では、駿河竹千筋細工のほか和染、陶芸、漆、木工など静岡市の伝統的なものづくりを体験できる。体験メニューには小物入れ「こぎく」やペン立て「こはる」「のぞみ」、虫籠「まりも」、花器「いちひめ」などがあり、料金は2,100円から8,900円ほど、所要時間は20分から60分ほどの幅がある。静岡市内では、駿河竹千筋細工協同組合に12人の職人が集まっている。
- 五感|「千筋」とは、幅3尺(約90センチ)の畳に1000本並べられるほど細い竹ひごという意味で、実際に使われる丸ひごは直径わずか0.8ミリほどしかない。竹の色や艶、風合いをそのまま生かし、丸ひごの繊細な曲線が生むしなやかで滑らかな線は、日常のなかにやさしい存在感を添える。伝統的な花器や虫かご、菓子器の姿はもちろん、現代では照明器具やインテリア用品にも形を変えて使われている。
- 異常なこだわり|材料には真竹、淡竹、孟宗竹、黒竹などを使い、熱湯で茹でて油を抜き天日で乾燥させてから加工に入る。竹を約1センチ幅に割く小割りに始まり、小刀で切り込みを入れて割き、鉄板の穴に通して荒引き、中引き、仕上げ引きと段階を踏んで丸ひごに仕上げる。竹ひごを曲げる際は熱した電気ごてに当てるが、直径2〜15センチほどのこてを何本も使い分ける。輪の穴あけは機械で行うが、穴の角度をわずかに変えるだけで作品全体の雰囲気が変わる。継ぎ目は竹の先を斜めに切り、特殊な接着剤で「継手」という技法でつなぐため、一見するとどこがつなぎ目かわからない。一人の職人が仕上げまでの九分通りを担う。
- 外国人の驚き|九州や北陸の竹細工の多くが平たいひごを編んで形にするのに対し、駿河竹千筋細工は丸いひごを竹に開けた穴に一本ずつ差し込んで組み上げる点が根本的に異なり、驚く人がいる。江戸時代初期には、参勤交代で宿場に立ち寄る諸大名の間で竹製の籠枕が人気を集めたという記録も残る。経済産業大臣指定の伝統的工芸品には、産地組合の検査に合格したものだけに伝統マークの証紙が貼られる仕組みがあり、駿河竹千筋細工もこの証紙の対象になっている。
- 豆知識|弥生時代後期の登呂遺跡からは竹製の籠やザルが出土しており、この地では古くから竹が使われてきた。丸ひごの技法は天保11年(1840年)、岡崎藩士の菅沼一我が静岡に立ち寄った際、宿泊先の旅籠を営んでいた清水猪兵衛に技術を伝えたのが始まりとされ、清水猪兵衛はその後多くの門弟を育てて竹細工を世間に広めた。昭和35年(1960年)ごろには業者が70軒ほどで最盛期を迎えたが、後継者不足でその後ピーク時の6分の1ほどに減り、現在は12人の職人が組合を組織している。うち4人が伝統工芸士の称号を持つ。昭和51年(1976年)に国の伝統的工芸品の指定を受け、平成30年(2018年)には地域団体商標も取得した。
もし消えたら、何が失われるのか
| 事業者数(現在) | —(未確認) |
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| 事業者数(ピーク時) | —(未確認) |
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| ピークの年 | ─ |
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| 統計の基準年 | ─ |
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| 後継者不足度 | ★★★★☆ |
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| 統計の出典URL | ─ |
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失われるもの(数字にならないもの)
丸ひごを均一に挽く専用の道具と技術、虫籠・行灯という線の集合が生む独特の透け感を持つ工芸が失われる
いま直面している問題
良質な竹材の確保、丸ひご加工の技術継承、後継者不足
出典
産地|静岡県静岡市(静岡県) 世界の対比先|欧州
English: Suruga take-sensuji zaiku (Suruga fine bamboo rod craft)(A Suruga craftsman shaves bamboo into hundreds of thin, perfectly round rods and assembles them into lanterns and insect cages, using the rods' round cross-section to create a lace-like play of light and shadow.)