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表具師(京表具)世界の似たサービス ─ ヨーロッパの額装・美術品修復職人(ピクチャーフレーマー・コンサバター)
京都表具協同組合は昭和30年(1955年)に創立され、昭和34年(1959年)に法人化。伝統的工芸品としては平成9年(1997年)に経済産業省の指定を受けた。表具そのものの起源は千年以上前とされる
共通の目的紙や絹に描かれた書画を、傷めず長く保存・鑑賞できる形に仕立てる
やり方が、どう違うのか
⚠ 「使う道具」「使う素材」は日本側のみ調べています(世界側は同じ条件で確かめられていないため、
世界側の比較値は作っていません)。
もうひとつの世界の対比例=中国の裱褙(ひょうほう)職人(書画を裏打ちして掛軸に仕立てる技法の源流という参考比較)
なぜ違いが生まれたのか
日本の書画は季節や行事に応じて掛け替える「床の間」文化とともに発達し、使わない時は巻いて収納する省スペースの知恵が生まれた。ヨーロッパの絵画は壁面に恒常的に飾る文化が強く、額装は動かさない前提の堅牢な構造に発達した
五感で味わう価値・職人のこだわり
- 出会える舞台・空間|京都表装協会には53軒の組合員表具師が名を連ね、掛軸や屏風、襖の相談を受け付けている。西陣には今も表装裂を専門に織る織元が残り、大正8年の全盛期には専門織物業者が40軒余り、織機250台を数えたという。茶の湯の家元、寺社、宮中といった高度な表具需要を生む土地柄が京都の職人町を育て、古代裂(金襴等)の選定保存技術保持者に認定されている廣瀨賢治氏のように、材料そのものを支える職人もこの産地にはいる。
- 五感|掛軸の裏打ちには、岐阜・京都産の楮でつくる薄美濃紙、奈良県吉野町産の美栖紙・宇陀紙が使い分けられ、宇陀紙は白土を漉き込んだ白く滑らかな紙肌を持つ。裂地は西陣で織られた金襴・緞子・綸子など数十種があり、掛物は巻いて保管するため薄手のものが選ばれる。糊は小麦デンプンでつくった新糊のほか、大寒の頃に仕込んで床下で10年前後発酵させた古糊が使われ、掛軸を柔らかく仕上げる。指先で押さえる竹箆は先端をやや尖らせた竹製の道具で、喰い裂きや折り込み、撫で込みなど多様な場面でしなやかに紙を導く感触が伝わる。仕上げの「裏摺り」ではガラス製の数珠で裏面を摺り、指先に吸いつくような柔らかさが生まれる。
- 異常なこだわり|古糊は大寒の頃(1月21日前後)に仕込んだ小麦デンプンの糊を甕に入れ、湿度60〜70%ほどの床下で10年ほど寝かせて発酵させたもので、京都の表具師のなかには13年経過したものを使う店もあるという。接着力をあえて弱めることで、掛軸を柔軟に仕上げ、修理の際に剥がしやすくするための智恵で、いずれの店も表具師自らがこの糊を仕込む。使う刷毛だけでも打刷毛・水刷毛・撫刷毛・しごき刷毛・付け廻し刷毛・糊刷毛の6種を工程ごとに使い分け、寸法は今も尺・寸・分・厘で測り、一尺は30.303cmにあたる。
- 外国人の驚き|紙を貼り合わせるための糊を、10年もかけて甕の中で発酵させてから使うという発想に驚かれる。江戸時代の狂歌集にも「表具師の糊は紙よりも己の命をつぐ物」と詠まれるほど、糊そのものが職人の技の核心とされてきたことにも意外性を感じる人が多い。日本の書画は西洋絵画のように額縁で完結するのではなく、表具の仕立てひとつで作品が「生かされも殺されもする」とまで言われることにも驚かれる。掛軸だけでなく屏風や襖、巻物、額装まで、性格の異なる調度がすべて「表具」という一つの言葉と技術でまとめられていることにも驚かれる。
- 豆知識|千利休は茶の湯の心得を記した『南方録』で「掛物ほど第一の道具はなし」と述べ、なかでも禅僧の書である墨蹟を重んじたと伝わる。掛軸の形式は仏画・曼荼羅用の「表補表装」、歌切や絵画用の「幢補表装」、茶人の書や墨蹟用の「輪補表装」など8形式に分かれる。「京表具」の名は大正時代から高級表具の代名詞として知られ、平成9年(1997)に経済産業大臣指定の伝統的工芸品となった。糊は江戸時代の元禄期には「腐糊」「腐粘」、大正期には「腐糊(くさりのり)」と呼ばれた記録が残る。西陣で表装裂を専門に織る織元は、平成21年(2009)時点で12軒、卸売企業5社にまで数を減らしている。
もし消えたら、何が失われるのか
失われるもの(数字にならないもの)
千年続くとされる表具の技術と、季節ごとに掛軸を替えて楽しむ床の間文化が失われる
いま直面している問題
床の間のある住宅の減少、書画・掛軸の需要縮小、後継者不足
出典
産地|京都府京都市(京都府) 世界の対比先|欧州
English: Kyo-hyogu (Kyoto scroll and screen mounting)(A Kyo-hyogu craftsman backs a painting or calligraphy work with many layers of washi and silk brocade, mounting it as a hanging scroll that can be rolled up and stored away between viewings.)