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茶筌師(高山茶筌)世界の似たサービス ─ 西洋のワイヤーウィスク(泡立て器)職人
室町時代中期(8代将軍足利義政の頃)に高山城主の次男・宗砌が茶筌作りを考案したのが起源と伝わる。500年以上の歴史を持つ
共通の目的1本の素材から穂先を割り出し、液体を撹拌・調整する道具を作る
やり方が、どう違うのか
⚠ 「使う道具」「使う素材」は日本側のみ調べています(世界側は同じ条件で確かめられていないため、
世界側の比較値は作っていません)。
もうひとつの世界の対比例=中国茶の茶筅・竹刷(用途は洗浄・撹拌が中心で、茶を泡立てて点てる専用道具としての体系化は薄い、参考比較)
なぜ違いが生まれたのか
日本は茶道という「泡を静かに、きめ細かく点てる」美意識が発達し、割いた竹の弾力がその繊細な泡立てに適した。西洋は洋菓子作りで「大量の空気を素早く含ませる」実用が優先され、丈夫な金属線に発達した
五感で味わう価値・職人のこだわり
- 出会える舞台・空間|奈良県生駒市高山町の生駒市高山竹林園。1989年に開設され、指定管理者は奈良県高山茶筌生産協同組合(茶筌組合)。高山町は生駒市北部、奈良県の北西端に位置し、人口は3,809人(2016年12月現在)。毎週日曜10時から11時30分、13時から14時30分(12月・1月第1日曜を除く)に茶筌制作実演を無料見学でき、5名以上は要予約。お抹茶体験はお菓子付700円、抹茶のみ500円。資料館には濃茶用・薄茶用の茶筌や茶道具、編針などの製品と資料が展示される。
- 五感|大割包丁で竹を十六に割く乾いた音から始まり、味削りで穂先を小刀で薄く削る細かな音へと変わる。白い淡竹、囲炉裏の煙を100年以上かけて纏った飴色の煤竹、四国・和歌山産の黒みがかった紫竹まで、色も艶も違う竹が作業台に並ぶ。下編みで女性の手が竹を編み込む速さと、仕上げで伝統工芸士が穂先の間隔を指先で整える静かな集中とが、同じ工房の中で対照をなす。竹林園の竹の生態園では葉擦れの音に包まれ、「高山竹あかり」では竹の造形物がろうそくの明かりで夜に浮かび上がる。
- 異常なこだわり|竹は大割包丁で半分ずつ十六に割り、小割・味削り・面取り・下編み・上編み・腰並べ・仕立て・仕上げまで計9工程を経る。味削りと仕上げは熟練の伝統工芸士だけが担当し、下編みは古くから女性の内職という性別分業が続いてきた。竹は油抜きと天日乾燥のあと、寒の太陽に1ヶ月さらす「寒干し」を経て、1〜1.5mの長さに整え数十本束ねる。煤竹は囲炉裏の煙が100年から120年かけて付いたものしか使わず、組合所属業者向けに竹を卸す業者は高山町内に1軒しか残っていない。一日十本仕上げれば一人前とされ、細部の削りは夜業を主として行われてきた。
- 外国人の驚き|国産茶筌の約9割が、この高山町という一つの町だけで作られていることに驚かれる。しかも組合所属18軒はいずれも、奈良県産や地元高山産の竹を1本も使っていない。伐採地は竹林の荒廃で山口県や千葉県など遠方に移り、囲炉裏の煙で100年以上かけて色づく煤竹は入手そのものが難しい。組合に属さない業者の中には海外の直営工場で現地の竹を使って作る例もあり、流派や茶の濃淡の違いで使い分ける茶筌の種類は100以上に及ぶ。伝統工芸士17名の年齢構成は60代が41%、30代はわずか1名という数字にも驚かれる。経済産業省調査(2011)では、伝統的工芸品産業全体でも2009年度の50歳以上の従業者割合が82%に達しており、高山茶筌も同様の高齢化傾向にある。
- 豆知識|わび茶を創始した村田珠光(奈良称名寺住職)の依頼で、室町時代後期に鷹山城主の子・宗砌が茶筌を作ったのが始まりと伝わる。技法は鷹山家の秘伝として16名の家臣に伝えられ、「性」を名乗る男子以外に製作は許されなかった。豊臣秀吉が催した北野大茶会には茶筌200本が献上されたという記録も残る。秘伝は第二次世界大戦の終局、人手不足を機に一般へ公開され、戦後は数多くの新規業者が高山町へ参入した。1975年に国の伝統的工芸品指定を受けたが、1980年代からの海外製安価品との競合と1990年代の茶道人口減少が重なり、高山町周辺の業者は1998年の36軒から2016年には19軒まで減っている。主な出荷先は京都府・東京都、次いで大阪府・愛知県。
もし消えたら、何が失われるのか
| 事業者数(現在) | —(未確認) |
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| 事業者数(ピーク時) | —(未確認) |
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| ピークの年 | ─ |
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| 統計の基準年 | ─ |
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| 後継者不足度 | ★★★★☆ |
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| 統計の出典URL | ─ |
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失われるもの(数字にならないもの)
500年続く茶道具の心臓部と、1本の竹から120種以上を作り分ける規格化された技術体系が失われる
いま直面している問題
茶道人口の減少に伴う需要縮小、後継者不足、竹という天然素材の確保
出典
産地|奈良県生駎市高山町(奈良県) 世界の対比先|欧州
English: Takayama chasen (Takayama tea whisk)(A Takayama craftsman splits a single piece of bamboo into dozens of fine tines and binds them with thread, producing over 90 percent of Japan's tea whisks from one small town.)